ライブレポート

幅広い世代が楽しめる音楽イベントとして、2010年からスタートした『音市音座』。無観客配信ライブや休止期間を経ながらも、今年で12回目の開催を迎える。メインステージでは、ホストバンドであるスターダスト☆レビューが、ゲストアーティストを迎え名曲の数々を披露する夢のコラボレーションライブを披露。大人に向けた楽曲コンセプトだけでなく、今後の活躍が期待されるアーティストが登場するSHOWCASE STAGEの設置や、『食市食座』と題したキッチンカーブースなど、新しい形の総合エンターテイメントフェスとして進化を続けている。
3月16・17日に日本ガイシホールで行われた、濃厚な2日間のレポートをお届けする。

3月16日(土)

スターダスト☆レビュー

愛知県立名古屋南高等学校吹奏楽部【オープニングアクト】

スターダスト☆レビュー

吉田山田

大黒摩季

森高千里

食市食座

食市食座

aug.1020

リアクション ザ ブッタ

SunSet Swish

ORANGE RANGE

ORANGE RANGE

BEGIN

BEGIN

夜のヒットスタ☆レビ

夜のヒットスタ☆レビ

夜のヒットスタ☆レビ

夜のヒットスタ☆レビ

夜のヒットスタ☆レビ

フィナーレ

 

愛知県立名古屋南高等学校吹奏楽部【オープニングアクト】 スターダスト☆レビューのボーカル・ギターであり、このイベントの総合司会でもある根本要の「ピンポンパンポーン!」とアナウンスから、今年の『音市音座』は幕を開けた。1日目のオープニングアクトを任されたのは名古屋南高等学校吹奏楽部。なんと会場の隣に位置することが縁での出演だ。初日のオープニングアクトでありながら、すでに観客席には多くのファンが詰めかけ、フレッシュな演奏に温かい拍手が贈られた。 愛知県立名古屋南高等学校吹奏楽部【オープニングアクト】

その後、満を持してスターダスト☆レビューが登場。根本が挨拶代わりに、歌でこの日を迎えてのメッセージを伝える。「今年もたくさんの人に迎えられて開催できました~♫御礼申し上げます、ありがと~♫」と会場いっぱいに響き渡り歓声が湧く。「一番の年寄りです。みなさんの役割は介護の想いで(僕らを)見守ることです!」と笑いを誘う。『愛の歌』では根本が「すげー!」とこぼすほどの観衆のシンガロングが生まれ、正しく〈声を合わせれば 素敵なハーモニー〉という歌詞を示す光景が広がっていった。

スターダスト☆レビュースターダスト☆レビュー

続いて次々とゲストをステージへと呼び、パフォーマンスを繰り広げる。1組目は吉田山田。スターダスト☆レビューの貫禄のある演奏に背中を預けながら、2人は伸び伸びと歌う。大黒摩季は「ミラーボールですよ~!」と煌びやかな衣装で姿を現し、歳を重ねても衰えることを知らないソウルフルな歌声で会場のボルテージを上げていく。そして最後は森高千里。キュートな出で立ちで会場の視線を惹きつけ、今も変わらないパフォーマンスで魅了する。

吉田山田大黒摩季森高千里

食市食座 食市食座 この日は汗ばむような晴天だったこともあり、休憩時間には会場外に作られたキッチンカーブース『食市食座』に多くの人が詰めかけていた。名古屋の地元グルメであるあんかけスパをはじめ、ピザやアイスクリームなど、今年はラインナップがさらに充実。どのお店も多くの列ができ盛況を見せる。 食市食座 食市食座

そして前回に続き、会場の外に作られたステージSHOWCASE STAGEも賑わいを見せる。aug.1020、リアクション ザ ブッタ、SunSet Swishと次々にフレッシュなアクトが登場。まだキャリアも浅いアーティストたちながら、自然とクラップが湧きおこる温かい空間が作り上げられていた。そして観覧自由のこれらエリアには、地元の方と思われる人々も多く目にした。「今では周りの町の人も巻き込んで作り上げている」と根本が話したように、『音市音座』が地元に根差したイベントになっていることを実感する光景だった。

aug.1020リアクション ザ ブッタSunSet Swish

イベント中盤では、バンドアクトとして沖縄県出身のアーティストが2組登場する。ORANGE RANGEは「普段とは違って、今日は1番年下の下っ端になります」と緊張の色を覗かせてはいたが、タオル回しやコール&レスポンスを観客に促し、盛り上げ役として会場をひとつにしていく。

ORANGE RANGEORANGE RANGE

続くBEGINは三線の音色で沖縄の情景を描きながら、ゆったりとした独特な空気感で包み込む。『かりゆしの夜』ではカチャーシーを観客と踊り、どんどん加速していくテンポに合わせて熱気は一段と上がっていった。

BEGINBEGIN

再び休憩を挟み、いよいよイベントはクライマックスへ。ドアラのアイマスクやぴよりんのぬいぐるみなどの名古屋ゆかりの賞品をかけて、出演者がプライベート写真を競い合う音市音座写真記念館を経て、いよいよ音市音座の醍醐味であるコラボレーションライブがスタートする。『夜のヒットスタ☆レビ』と題し、かつての某音楽番組のようにアーティスト紹介を入れつつ、出演者が続々とヒット曲を披露する構成だ。まずはスターダスト☆レビューが『夢伝説』『木蘭の涙』を披露。重厚で美しいハーモニー、豊潤でテクニカルな演奏、勢いを増す根本の歌声。還暦を迎えていることを一切も感じさせないエネルギッシュなステージングに高揚感が満ちていく。

夜のヒットスタ☆レビ 根本に「吉田は最近、お菓子のCHELSEAを買い占めており、山田が最初に買ったCDは嘉門タツオとのこと。山田……嘉門タツオだなんて……」とコミカルに呼ばれた吉田山田は『日々』を歌う。〈出逢った日 恋に気付いた日/結婚した日 別れたいと思った日〉と人生を綴る歌詞を丁寧に届ける吉田山田に、観客は自らの人生を辿るように聴き入っていた。
「YAMATO(ORANGE RANGE)はゴルフが趣味。人生2回目のホールインワンを決めたそう!」と紹介されたORANGE RANGEが披露するのは『以心電信』。「ジャンプ!ジャンプ!」の掛け声にあちらこちらで観客は楽しそうに飛び跳ねていた。

夜のヒットスタ☆レビ 休む間もなく次は「パワフルボイスの秘訣は太い首。首の筋肉が大事なんだとか」と大黒摩季が姿を見せた。『ら・ら・ら』で「能登のみなさんに〈今日も明日もあなたに逢いたい〉と伝えたい!一緒に伝えてくれませんか?」とインスタライブを通じて、観客の歌声を届けていく。吉田山田とORANGE RANGEと共にステージの端から端まで歩みを進めながら歌い、より強い一体感を生み出す。途中では吉田山田が照明と紙吹雪、さらにお立ち台を携えて、根本と大黒に花を添えた。
「今は全国ツアーの真っ最中。ツアーの楽しみは全国のみなさんに会えること、各地の美味しいものを食べること」と紹介された森高千里は『私がオバさんになっても』を歌う。〈私がオバさんになっても 本当に変わらない?〉と山田(吉田山田)やRYO(ORANGE RANGE)の肩に手をのせて問いかけ、後輩とのやり取りが微笑ましい。

最後は「今まで(音市音座への出演の)誘いを断っていた理由はいろんなことをさせられるから」と笑いに包まれる中でBEGINが呼ばれる。「青春のときに聴いていたスタ☆レビと一緒に歌うなんて恐れ多い」と『島人ぬ宝』を披露。比嘉栄昇の柔らかくも芯が通った歌声は南の風を引き連れてきたかのように、一瞬にして会場の空気感を変えていった。 そして出演者全員がステージに揃い、本編ラストを飾るのは『今夜だけきっと』。森高千里、吉田山田、大黒摩季、BEGIN、ORANGE RANGEの順に歌い、根本へとバトンを渡す。「みんなも一緒に!」と観客に合図を送れば大合唱が広がった。曲が終わりに近づくと根本はステージ中央に出演者を呼び集め、全員でアカペラで歌い出す。〈今夜だけきっと 悲しいの♫〉と阿吽の呼吸で心地よいハーモニーを重ねていく光景で、ステージを締めくくった。しっとりとしたバラード曲、ラップが混じったアップテンポな曲、様々なカラーのある曲をスターダスト☆レビューは自分たちの曲のようにコーラスを入れながら演奏する。これまで培い維持してきたポテンシャルの高さが成せる業だと身に染みて感じた。

夜のヒットスタ☆レビ夜のヒットスタ☆レビ夜のヒットスタ☆レビ

フィナーレ 当然まきおこるアンコールでは、根本は『音市音座』最多出場だったKANへの想いを語る。「今日もアイツはここへ来てくれていると思います。大親友のKANに向けて!」とラストナンバーは『愛は勝つ』。出演者と手を繋ぎ深く礼をして「今年も会えて嬉しかったです。ありがとう!」と感謝の気持ちを伝え、ステージを後にした。年齢の壁を超えて喜怒哀楽を共有することができる音楽の素晴らしさを、存分に体感できた一日だった。
集合写真 フィナーレ 集合写真

text: 笠原幸乃
photo: 新澤和久・Inokoshi Zenta(Liveyou)・うえむらすばる(Liveyou)

3月16日セットリスト

3月17日セットリスト

3月17日セットリスト

音市音座オフィシャルサイト