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次世代の音楽シーンを担う3組のアーティストが名古屋で共演!「NAGOYA SOUND PRESS SHOW 2021」ライブレポート

2021/02/16 20:00
[Live Report]
NAGOYA SOUND PRESS SHOW 2021
2021/1/16(土) ダイアモンドホール
出演:神はサイコロを振らない / センチミリメンタル / ドラマストア

1月16日(土)名古屋ダイアモンドホールにて、「今までにないスタイルで名古屋から素晴らしい音楽を発信する」をテーマに開催されているイベント「NAGOYA SOUND PRESS SHOW 2021」が開催された。前回の第一回目はちょうど1年前。阿部真央、岡崎体育、ビッケブランカという他では見られない組み合わせのアーティストを集め、名古屋の音楽シーンを大いに盛り上げた。第一回目は「個性豊かなシンガーソングライター」というテーマがあったが、今回は「次世代の音楽シーンを担うアーティスト」として神はサイコロを振らない、センチミリメンタル、ドラマストアの3組が集結した。どのアーティストも今後日本のロックシーンを背負う可能性があるだけに、今回のイベントは注目度も高くチケットはソールドアウト。3組がどのような熱演をみせたのかレポートしていきたい。

●神はサイコロを振らない


 トップバッターを務めたのは神サイの愛称で注目を集める、神はサイコロを振らない。「忘れられない1日にしましょう」と柳田 周作(Vo.)が伝えると、エッジ―なギターリフと四つ打ちのビートが冴えわたる最新EP「パーフェクト・ルーキーズ」で幕開け。柳田はしゃがみ込みながらエモーショナルに歌いあげると、「今日出会ったことが皆さんの力になりますように」と告げると憂いの歌声とメロディーで「揺らめいて候」を披露。冒頭からわずか数曲で会場をあっという間に神サイの世界に引き込んだのはさすがだ。中盤戦ではYouTubeの再生回数が2000万再生に近い再生数を誇る代表曲「夜永唄」をプレイ。バンドサウンドの生々しさと柳田が歌い上げる美しいメロディーが会場を包みこむと、オーディエンスは真剣なまなざしでバンドの熱演を見つめていた。きっとこの曲に救われた人たちも多いことだろう、中には涙を浮かべながら演奏を聴いている観客もいるのがとても印象的だった。


さらに「夜永唄」の次にプレイされたのは、これまた名バラードソングの「泡沫花火」。これだけクオリティーの高い楽曲がデビュー曲というのが驚きだ。それだけ神サイは大きなバンドになるポテンシャルを秘めているのだろう。静と動を巧みに使い分けるセットリストが組まれていた事によって、神サイファンはもちろんのこと、初見でみた観客も神サイの世界観に心を掴まれたのではないかと思うほど圧巻のライブだった。ライブの終盤では柳田が「僕たちと皆さんが今日出会えたことは奇跡だと思います。その命が尽きるその日まで、その命を燃やしてください。そして大事にしてください」とメッセージを伝えると、アニメ「ワールドトリガー」2ndシーズンエンディングテーマとなっている「未来永劫」へ。そしてラストは新春ドラマ「星になりたかった君と」の主題歌として起用された「クロノグラフ彗星」と、なんとライブで初披露となる新曲2曲で締めくくったのだった。今後の神サイのハイライトを飾っていくであろう新曲たちが、オーディエンスの心に力強く響いていた。


●センチミリメンタル


「今日のライブをとても楽しみにしていたので、無事に開催されて本当に嬉しいです。来られなかった人もいると思うんですけど誰が正解とか不正解とかはないので、今ここに集まってくれた皆に感謝の気持ちでいっぱいです。ソーシャルディスタンスということで皆が動ける範囲も制限があると思うんですけど、本当は俺もステージから飛び出して皆のところに行きたいよ。人との距離って難しいもので、近づきたいと思って近づいても傷つけることもあるし、適切な距離をとればとるほどその間には居もしない孤独という寂しさがあって、人ってそうした感情に苦しむのだけど。今日はそんなディスタンスの間にいる孤独をすり抜けて、あなたに届くように歌います」とステージに現れて真摯なメッセージをオーディエンスに伝えたのは、センチミリメンタル。作詞、作曲、編曲、歌唱、ピアノ、ギター、プログラミングのすべてを担う温詞(あつし)によるソロ・プロジェクト。一度聴いたら忘れられない温詞の圧倒的な歌声と、スケールの大きい楽曲が注目を集めている。温詞の温かいメッセージに心を打たれている中で、聴く人の背中を優しく押す歌詞が印象的な極上のバラード「リリィ」を歌いあげる。温詞は時に裏声を使って丁寧にメロディーを歌い上げると、そのすさまじい表現力に心を鷲掴みにされてしまった。曲の途中では「声がだせない変わりに色んなことでつながっていきましょう。手を挙げられる人いますか!?」というと、サビで一斉に手が挙がる景色は圧巻だった。


一転してアップテンポの「トワイライト・ナイト」で会場の雰囲気をガラリと変えると、さらに温詞の歌声が力強さを増していく。こんな懐の深い声で包まれてしまっては、観客も安心にも似た喜びを感じているようだった。そう、温詞の歌声には聴く人を自然と笑顔にさせるような力が宿っているのだ。さらにギアをあげるように赤い照明が似合う「キヅアト」へ。さらに中盤には温詞の思いつきで、その場で選曲を変えるという嬉しいサプライズも。亡き祖父との思い出を語ったあとに披露したのは、彼にとって大切な曲だという「冬のはなし」。こうしたライブならではのサプライズには、温詞のフロントマンとしての凄味を感じた。ラスト2曲では「僕らだけの主題歌」と「結言(ゆいごん)」を力の限り歌い尽くして、センチミリメンタルはステージを去っていった。「3組で1つのイベントなので、皆が何かを得る日になれば嬉しいです」と温詞が話していたが、対バンイベントだからこそ感じられる音楽の喜びを味わえた日だったように思う。



●ドラマストア


トリを飾ったのは、「君を主人公にする音楽」をコンセプトとした大阪発正統派ポップバンド・ドラマストア。SEが流れるとメンバー全員が深々とお辞儀をしてステージに現れる。オープニングナンバーに選んだのはキーボードの旋律と長谷川 海(Vocal & Guitar)の伸びやかな声が印象的な「至上の空論」。これぞドラマストアというポップセンスが光る楽曲だけに、たった1曲でオーディエンスの心をしっかり掴んでいた。間奏ではメンバーの演奏も白熱していき、まだ序盤だというのにその勢いのまま会場のボルテージは最高潮に。間髪入れずに軽快なリズムと“ワンツースリーフォー”というカウントで幕を開けたのは「三文芝居」。ダンサブルなリズムに観客たちも思い思いに体を揺らして、ドラマストアの音楽を自由に楽しんでいた。長谷川が「大阪のドラマストアです!よろしく」というとアグレッジブな楽曲の「アンサイクル」へ!この怒涛のライブ展開にはオーディエンスも大喜び。歓声がだせずとも、サビで手を振ったり飛び跳ねたりとオーディエンスの高揚がそうしたアクションからビシビシと伝わってきた。


MCではハイテンションな挨拶をした松本 和也(Drums & Chorus)に長谷川がツッコミをいれるシーンがあり、メンバーの仲の良さが垣間見られた。長谷川が「今日はいろんな状況がある中で、こうして皆さんに会えたことを本当に嬉しく思います。ライブハウスに来てくれてありがとう。来たくても来られなかった人もいると思うんですけど、今日来ている皆さんを僕ら含めた3バンドのライブで最高の気持ちにして帰ってもらおうと思っているのでよろしくお願いします」というと、ポップなギターリフの「可愛い子にはトゲがある?」をプレイ。サビではオーディエンスがハンドクラップをして会場を盛り上げ、バンドとの一体感を作りだしていた。最後のMCでは「あっという間にライブも終盤ですけど、20時終わらなくて良かったらもう一周したいぐらいですよね」と長谷川が言っていたが、それぐらいバンドもお客さんも音楽を楽しむことができたイベントであったことの証拠だろう。本編最後には「三月のマーチ」と「スイミー」というドラマストアの楽曲の中でも屈指のエールソングを演奏して、会場を幸せな雰囲気にしてステージを去っていった。

 「NAGOYA SOUND PRESS SHOW 2021」はコロナ禍での開催となったが、感染症対策を万全に行い、そのルールをオーディエンスがしっかり守って楽しんだことによって、ライブの素晴らしさを再認識する日となった。今日出演した3組のアーティストが日本のロックシーンを背負う日が楽しみになる快心のパフォーマンスばかりだった。そして第三回目となる「NAGOYA SOUND PRESS SHOW」では一体どんなアーティストが集まるのか、楽しみで仕方がない。


Text_菊池嘉人
Photo_郡元菜摘


<SET LIST>
神はサイコロを振らない
1. パーフェクト・ルーキーズ
2. 揺らめいて候
3. 遺言状
4. 夜永唄
5. 泡沫花火
6. アノニマス
7. CLUB27
8. 未来永劫
9. クロノグラフ彗星

センチミリメンタル
1. リリィ
2. トワイライト・ナイト
3. キヅアト
4. 星のあいだ
5. 冬のはなし
6. 僕らだけの主題歌
7. 結言(ゆいごん)

ドラマストア
1. 至上の空論
2. 三文芝居
3. アンサイクル
4. 可愛い子にはトゲがある?
5. ラブソングはいらない
6. 備忘録を綴る
7. 三月のマーチ
8. スイミー
ENCORE
9. knock you , knock me


★ライブダイジェスト映像も公開!⇒こちら


◆イベントHP
https://www.sundayfolk.com/go/nsps2021

◆神はサイコロを振らない
https://kamisai.jp
https://www.youtube.com/c/kamisai
https://www.universal-music.co.jp/kamisai/news/2021-01-27-2/

◆センチミリメンタル
https://www.cenmilli.com/

◆ドラマストア
https://www.dramastoreonline.com/

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ライブ情報

神はサイコロを振らない
Live Tour 2021 「エーテルの正体」

2021/05/21(金)
ダイアモンドホール
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