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「自分自身を赤裸々にさらけ出して、聴く人が主役になれる曲を」vivid undressのVo. kiilaにインタビュー

2020/09/07 10:00

“J-POP 突然変異型 ROCKクインテット”と称されるロックバンド・vivid undress、通称“ヴィヴィアン”。実力派のメンバーが奏でるテクニカルかつソリッドなサウンドと、それに相反するような大衆性のあるボーカルkiilaの歌声を武器に、ロックシーンにおいて注目を集めている。ヴィヴィアンが作る音楽は最新型のロックサウンドでありながら、90年代J-POPを想起させる普遍的なメロディーがあることも大きな魅力だ。そんな彼女たちが、新たなアプローチを随所に散りばめたメジャー第二弾となるミニアルバム「変身コンプレックス」をリリースした。誰しもが思う「変わりたい願望」とそれに伴う「葛藤」、そして変化していくことへの強い意志が込められた作品についてkiilaに話を聞いた。



――今作はバンドとして新境地を切り開いた内容になっています。「変化」や「進化」がキーになっていますが、それをテーマに作品を作っていったのでしょうか?

もともと変わるという事がテーマにあった訳ではないんですけど、ミニアルバムの制作の打ち合わせをする中でより歌に特化したモノにしようとなったんです。それはボーカル、つまり私の本質をもっと聴いた人に伝わる音楽にしようと話し合って。なので今のわたしの本質を追求しようとした時に、私自身が変化や進化をしたいと思っていた時期だったんですね。そうして自分は変化していきたいんだという事に気付いて、こうしたタイトルになりました。

――kiilaさんの本質をより掘り下げていった事が、バンドの変化や進化につながっていったんですね。

今まではテクニカルなサウンドと私の歌声が武器でもあると思っていたんですけど、今作の楽曲は音数をあえて減らして抑揚をつけているんです。あえて隙間を作ることで歌がより映えて歌いやすくなったりもするので、今作は引き算を意識しながら作った作品でもあります。

――今作の発表にあたりバンドからのメッセージで「自分のコンプレックスをさらけ出した丸裸な作品になりました」と書かれていましたが、そうした自分自身をよりさらけ出した作品になった感触はありますか?

現状の自分やバンドの状況に満足をしきっていない状態が続いていて、自分たちが目指したい方向をメジャーの1作目を完成させた時により考えるようになったんです。自分が思い描いていたバンド像や音楽性とは少しズレがあって、理想と現実の差異に苦しんでいた時期があり、もっと良い意味で楽に音楽をやっていきたいなと思っていました。苦しんで音楽を生み出すよりは、自分たちが音楽をすることはライフワークの一環だからこそ、自分たちの生活から滲みでるものを作っていきたいという考えになったんです。なので変わっていきたいというのは、無理をせず生きていくための手段でもあった気がします。

――今みたいな気持ちというのは今作のリード曲でありMVにもなっている「主演舞台」を発表した時に、「初めて笑顔を見せたミュージックビデオとなりました。本来の私たちはきっとこっちなんだろうなぁと思います」というコメントがありましたが、そうした所にも表れているんでしょうか?

これまではクールでかっこいいバンドでありたいという思いがあったんですけど、自分たちの本質よりもイメージのために作り上げてきたものの方が多くて。そこで自分たちの本質とのギャップが生まれていたと思うんですね。なのでこのままずっとクールな感じでいくのか、それとも自分たちの本質に近づいて表現の幅を広げていくかの選択肢の中で、自分たちらしく音楽を長く続けていくためにも、より自分たちらしさを追求していくことにしたんです。これまでのMVやバンド像ってクールな印象をもたれるものが多かったんですけど、メンバー5人が集まった時の雰囲気は今回のMVのような雰囲気の方が近いんですね。どちらかといえばこっちの自分たちの方が本質に近いので、こういう自分たちも愛してほしいなって思いました。

――「主演舞台」はストレートなロックサウンドに口ずさみたくなるサビのメロディーが印象的な楽曲ですね。

メンバーもスタッフもこの曲のメロディーや楽曲としての強さをすごく感じていたんです。だから、この曲ではそうした音楽の強さに負けないぐらいのポジティブなメッセージを伝えたいと思っていて。私は生きている一人ひとりが、その人生の主役だと思っているんですね。なので聴く人が主役になれる曲を作りたかったんです。

――今作のすべての曲の魅力ともいえるのですが、どの歌詞にもkiilaさんのパーソナルな部分がみえるフレーズがありますよね。そうした歌詞があることで、リスナーはより楽曲に対して感情移入がしやすいと感じました。

私もそこはとても大事にしていて、今回歌詞を書きました。綺麗な文章で分かりやすい言葉だけが並んでいると逆に伝わりづらいのかなと。私のパーソナルな部分をいれることで、「じゃあ自分はどうだろう?」と思うきっかけになったりするのかなと。「他人を知ることで自分を知る」と思っているので、より自分をさらけだすことで「自分の人生はどうだろう」と考えてほしいなと。なので、最近は自分の感情や思いを包み隠さず赤裸々に書くようになりました。

――歌詞の面でもより自分らしさがでているものになっているんですね。

昔は思想が強くて自分のことを俯瞰で見れなくて、エゴがすごく強い歌詞だなと思っていたんです。それが最近は聴いてくれた人がどの部分の歌詞があったらより伝わるかなとか、この歌詞で本当に伝えたいことはどれなのかを考えられるようになってきたので、伝え方は上手になってきていると思います。今インタビューを受けながら思ったんですけど、この曲の歌詞は本当に自分が頑張らないといけない場面でこそ聴いてほしいなと思いました。負けてる姿を見せるのは恥ずかしいことでもあるし、泣いてる姿を他の人に見られるのは嫌なんですけど、例えば甲子園とかでも見てる側はその姿を見て感動したりもっと応援したくなったりするじゃないですか。だから自分の弱い部分を見せることは悪いことじゃないし、むしろ赤裸々にだすことでよりダイレクトに聞いてくれる人たちに伝わる楽曲になったと思います。

――ちなみにMVの反響はありましたか?

こういう姿が見たかったと言ってくれる人もいれば、もっとクールな曲の方が好きだったという方もいたりして、色んな反響がありましたね。それはこれまでの私たちと今の私たちを知ってくれているからこその想いだと思うので、そうした反響はすべて良い風に捉えています。

――では最後に改めて、今作「変身コンプレックス」をリスナーの方にどんな風に聞いてほしいか教えてください。

先ほども伝えたんですけど、他人を知ることで自分を知ると思っているので、自分自身について考えるきっかけになればいいなと。その為にわたし自身の表現もさらけ出したものにしたので、この作品と出会ってもらってより自分の人生を前向きに生きる機会になってくれたら嬉しいなと思います。


インタビュー・文/菊池嘉人



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vivid undress Official Website >> http://www.vividundress.com
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【振替公演】vivid undress
vivid undress presents 変身コンプレックスTOUR

2020/10/30(金)
ell.FITS ALL
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