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「Invitations」―― これはドラマストアが“誰か”に宛てた一通の手紙。

2020/04/18 18:00


「君を主人公にする音楽」をコンセプトとした関西発・正統派ポップバンド、ドラマストア4枚目のミニアルバムは、“誰か”に宛てた招待状「Invitations」(4/15発売)。
前作のシングル「ラブソングはいらない」がスマッシュヒット中。
飛ぶ鳥を落とす勢いのドラマストアに全曲インタビュー!



――あれもドラマストア、これもドラマストア、と幅広さを承知の上で聴き始めても、1曲目から「え!こうくるの?」と驚きました。まずみなさんは現時点で今作がどんなものになったと感じていますか。

長谷川海(Vo.&Gt.):“みんなで一緒に楽しむ作品”というテーマが早くから決まって、メンバーが同じ方向に向かっていく制作だったので、意思疎通だったり統一がスムーズだったんです。狙い通りのものになって、この先の展望が楽しみ。それはチーム全体として共有している気持ちだと思います。

橋悠真(Ba.):今作はライブを想定して、お客さんが参加できる作品を意識したんです。これがライブでどう展開していくかなと、想像をかきたてられるような良いものになりました。

鳥山昂(Gt.&Key.):この間、撮影も終わり、全体としていよいよ形になってきたなと。写真も良いものが出来たので、届くのが楽しみですね。

松本和也(Dr.&Cho.):作品が出来るたび毎度毎度言っているんですが、名盤が出来たと(笑)。ひとつの作品の中でいろんな楽曲を入れるというのを徹底してやっているので、今作もきちんと出来ましたね。1曲目を聴いた人が「お!何これ?」って言うのがまさに一番の狙い。6曲全部A面クラスの曲ですと恥ずかしげもなく言っちゃえますね。30秒ほどのトレーラーダイジェストをYouTubeで公開したんです。ツイッターで「好きな曲があったら教えて」と呼び掛けて集計したら、見事に6曲が均等に分かれていて、方向は間違っていなかったなと嬉しく思いましたね。

長谷川:ほんと、制作冥利につきます。

――曲の中にいる、さまざまな主人公達へ、聴く人へ、まだ見ぬ人へと届く招待状の1曲目は、度肝を抜かれる「Dancing Dead」。

:ドラマストアだけどドラマストアじゃない。そんな感覚に襲われてもらおうと。サウンドもどっしり重厚に寄せてブラスも入れた曲。反骨精神とまで言わないですけど、ロック魂を感じる、疾走感がスタートにもってこいの曲になりました。

――歌詞の内容がかなり・・・どんなふうに生まれたものなのでしょう。

長谷川:流されている現代人、マジ簡単やな、という。つらいことがあると甘い話に飛びついてしまったり、食い物にされてしまう、踊らされている奴らはアホやなっていう気持ちが、この歌が生まれた発端だった気がします。詐欺師とまでは言いませんが、言葉巧みに捕食する側のことを書く、そういうイメージはありましたね。人を操る快感のような。

――攻めていますね。

長谷川:音楽に関してもね、本当にその音楽がいいと思ってみんな聴いているの?ただ“右向け右”になってない?って、自分の頭で考えなくなった現代人に対して思うこともあって。いや、ほんと1曲目にふさわしくないと思いますね。

松本:ほかの楽曲はポップバンドなのでポップスをやっているわけですけど、この曲だけロックサウンド。無理してやっているとまでは言わないですけど、あくまでも得意分野ではないので頑張ったところはありますね。でも理想通りに作れたし、意外性を感じてくれたら、「しめしめ」です(笑)。

――ミュージックビデオが話題の「可愛い子にはトゲがある?」は、アイドルユニットの女の子がバトルを繰り広げる、目が離せない展開のストーリー。原案が長谷川さんだそうですね。

長谷川:この曲は、バンドっぽくない音楽の作り方をしたんです。どういうミュージックビデオにするかという映像ありき。踊らせたいドタバタコメディーに決まってから、曲と歌詞とミュージックビデオの内容を並行して考えました。ポップな曲調と、踊らなければならない理由と、キャストを使って何か面白いことをする、出来てもいないシーンを想定して曲と映像の尺も合わせるという。めちゃめちゃしんどかったですね。監督もこのやり方を新しがっていました。

松本:発想としては、YouTubeでドラマストアのミュージックビデオを並べた時に、いろんな曲があったほうがいいからこういうのを作ろうとなったんです。

――ミュージックビデオにはドラマストアのみなさんも演奏シーンで登場されています。撮影はいかがでしたか。

松本:キャストの方々のドタバタが演じられている間、僕らはほぼ映っていないので、撮影の思い出と言ったら、待機時間が長かったくらい(笑)。やはり制作の方が思い出は強いですね。ミュージックビデオでは女性のキャスト4人が戦うんですが、AさんとBさんが戦うのは1番のAメロかな、で、Bメロでは戦いが終わっていることを表して・・・とシーンに合わせたフレーズの尺を考えての制作。考えるのは好きなので、楽しかったんですが・・・。

長谷川:もうね、わけわかんなくなって。かなり“らしくないこと”をしました。監督に「このシーンで使ってくれますよね?」っていう、わかりやすい決め台詞を入れて、監督側にインスパイアさせるという発信の仕方。曲のことだけを考えていたら絶対に出来なかった。ものすごく曲以外のことを考えすぎたから出来上がった作品です。

鳥山:ミュージックビデオの絵は常々4人で共有しながら、それに合う音を作っていったんです。コメディーちっくな音を使うでなく、ポップにかつ釣り合いが取れるようレコーディングをする。そこが一番、印象に残っていますね。

:イメージを共有しながら制作したことで、完成したミュージックビデオを見た時、想定していたものと映像が近づいていく感じがすごく面白かったです。

――“ただの恋の歌”で収まらないストーリー、恋する女性の背中を押すのは2ndシングル「ラブソングはいらない」。

鳥山:この曲が最初にあってアルバムを作っていくとなったんですが、全体的にも今までより思い切ってアレンジできた一曲だと思っていて。僕らはポップバンドと言っているんですけど、アコギがセンターにいて、ストリングスやピアノが入るわけでもなくこういうアレンジで完成に持って行けたのが良かった。さわやかな音を心がけたので印象深いですね。

――雑踏に放り込まれるように始まるのは「東京無理心中」(BSテレビ東京、テレビ大阪真夜中ドラマ「女ともだち」主題歌)。

:ドラマストアの既存曲で、僕が加入する以前にあった曲を再録したものなんです。レコーディングすることになって、この曲の世界に入るために、部屋を真っ暗にして気持ちを静めて聴きました。イヤホンから流れるフレーズを自分に落とし込んでいくのはとても楽しかったですね。新たにシンセがプラスされて、キラキラした雰囲気が漂うサウンドになって、さらにいい曲になったと思います。

鳥山:リアレンジする時に、前のアレンジが今までのドラマストアっぽい感じだったんですけど、昨年フルアルバムもリリースしてドラマストアの音をすでにみんなにわかってもらっている上でこその音にしたかった。そこにチャレンジできたのが良かったなと思います。

――私がドラマストアのみなさんに前回取材させていただいたのは2年前。ミニアルバム「swallowtail」の時でした。あの時も鳥山さんはアレンジに対する思いを話してくださいましたね。アレンジの腕を磨きたい、とも。

鳥山:2年前ではこのアレンジは出来なかったでしょうね。しかもあのアルバムにはこの曲は入れにくかったと思うし。今だからと本当に思いますね。

――軽快なバンドサウンドに、哲学が食べやすく溶かされたのは「チョコレートボックス」。

長谷川:明確な主人公が出てこない、アルバムの中で一番概念的な曲。他の曲を総括する立ち位置として置きたいと思ったんです。人生とはこういうものだよね、とそれぞれの曲に出てくる主人公だったり、昔の曲に歌詞としてふれていたりして、彼らの人生を肯定すると共に「まあ、しらんけどな」って、関西ならではの“いい意味での無責任な肯定”。その感じがすごくドラマストアらしいなと思ってます。この曲は筆が止まらない勢いで一番早く書き終わりました。

――ラスト曲は「グッデイ、グッナイ」(※アニマックス番組「VART-声優たちの新たな挑戦-」エンディング曲)。生きる理由、と言えるほど好きな存在に対する想いがまぶしい楽曲。

長谷川:サビが一番先に出来上がっていて、メロディ―がむちゃくちゃキレイなんですけど、
これだけのびのびとしたメロディーの一番高いところで“死んでしまいそう”と来るこの子の気持ちはなんなんやろ?って思った時に、“ファンの気持ちだ”って最初に思ったんですね。ファンにとって“その存在”は尊いというツイートや、自分の好きなことに夢中になっている子たちを見て、僕も18歳の頃はそっち側だったなと。昔だったら、こっぱずかしくて書けなかったけど、今ならとファンの子たちの心情に寄り添って、というか、戻って書きました。書いていてわくわくしましたね。

――挑戦し切り拓いた新境地と、幅広さを聴かせてくれるアルバムが完成した今、ドラマストアの目標は。

長谷川:バンドとしては初めてのワンマンツアーが始まるので、サウンドで思惑通りの感触があるこの曲たちの力を、ライブで十二分に出す。やってるこっち側が楽しいだけじゃなくて届ける側の意識を持ってやっていくのが目標ですね。

――では個人的な目標をお聞かせください。ちなみに2年前にもお伺いして、松本さんは「自分たちの思い描く想像を一個ずつクリアしていきたい。見通しを立てて活動していきたい」と。

松本:まったく変わっていないですね。今回もそれでお願いします。いやー、確認できて良かった(笑)。

――鳥山さんは、先ほども少し話に出ましたが「アレンジの腕を磨きたい」とおっしゃって。

鳥山:僕も変わっていませんね。変わったことと言えば、2年前の「swallowtail」では、初めてとまでは言わないけどアレンジにすごく時間がかかったんです。それから、4人のアレンジに対する認識がすごく近づいた。以前はぶつかったことが、共通認識できるようになったんです。

:僕はその時、「ドラマストアの音楽を聴いたことがきっかけで、何かを始めたり踏み出す一歩になる、そんな思いを起こさせるものを届けたい」、そう話したんですが、それから新しい出会いがいっぱいあって、それが現実味を帯びていきましたね。しかも届けるだけじゃなく、届けた思いがお客さんから返ってきて自分の活力になって。そんな個々の関係性をさらに深めていきたいと思います。

長谷川:みんな目標は変わっていないけど、目標との距離がはるかに近づいたと思いますね。夢が夢じゃなくなる瞬間が一番わくわくするし、逆にここから転落したら?という恐怖が大きくなったことも間違いなくて。リスクを楽しめる集まりでありたい。安定じゃなく刺激をいつまでも求めていきたいですね。

――≪ドラマストア 4th Mini Album Releaseワンマンツアー 「可愛い子にはワンマンさせよツアー」≫がいよいよ始まります。名古屋は7/4(土) 名古屋クラブクアトロ。

長谷川:今の時代、どこから僕らとつながるかわからない。今時、こういう歌詞を見るという文化がどんどん少なくなってYouTubeやサブスクに奪われていく中で、こういったインタビューまで目を向けてくださっている方々なら、それ以上にライブで伝わるもの伝えられるもの、もしくはみんなから僕たちがもらうものがあると思います。「なんか気持ちいい音楽に、なんかひたっていたい」という想いじゃ“ない”人に、ドラマストアの曲を聴きこんでもらいたい。今回ばかりは予習してライブに遊びに来てほしいです。

松本:クアトロという場所は、個人的にはいわゆるライブハウスでやっているインディーズバンドが、売れていくまでの過程の中で、キャパなども含めてだいぶ後半に来る重要なポイント。広い世界に羽ばたく成長を見せるターニングポイントにしたいと思うのでぜひ来てください!

:7月には次を見据えてしっかりと準備した感じを持ってライブに挑みたいですね。見てくれるお客さんにそれが伝わるといいなと思います。楽曲も一緒に楽しめるところがいっぱいあるから、ぜひライブで一緒に盛り上がりましょう。

鳥山:初ワンマンツアー。名古屋自体は初ではないですが、キャパもアップしてのライブ。すごくいい音楽を、いい環境で届けに行きますので、ぜひ来てください!


インタビュー・文/早川矢寿子



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ドラマストア Official Website >> https://www.dramastoreonline.com
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