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デビュー10周年、自身初となるベストアルバムは、その名も「吉田山田大百科」!!!

2020/04/08 12:00


吉田結威(Gt/Vo)と山田義孝(Vo)からなる男性二人組アーティスト、吉田山田。
2009年10月にメジャーデビュー以降、13枚のシングルと7枚のオリジナルアルバムをリリースした彼らが、デビュー10周年を越え完成させたのは、堂々たる輝きのベストアルバム「吉田山田大百科」(4/8発売)。
デビュー曲「ガムシャランナー」をはじめ、YouTubeの再生数1,400万回を突破し、NHK「みんなのうた」で“泣ける歌”と話題になった「日々」、ライブ定番曲「約束のマーチ」、愛犬への想いを歌う涙腺崩壊の「赤い首輪」、そして衝撃的な歌い出しから展開される「もやし」他、新曲も収録したアルバムは、誰が手にしても吉田山田を知り尽くすことが出来る、まさに「大百科」だ。
そんなベストアルバムをひっさげたツアーが決定。
11年目を駆ける吉田山田のおふたりにインタビュー!



「心の一部が作品として世の中に残ってゆく。それって、すごく幸せなことなんだなと」(吉田)


――昨年10月21日にデビュー丸10周年を迎え、11月には中野サンプラザホールにて『吉田山田10周年記念「大感謝祭」』を開催。デビュー10周年を大団円で締めくくって、初のベストアルバムリリースとなりました。今、「吉田山田大百科」が完成してどんな想いがありますか。

吉田:10年経ってやっと気づいたのは、自分が死んだあとにも世の中に何かが残せる仕事が出来ているって、すごく尊くて嬉しいということ。この10年間、モノを作ることにけっこう必死でやってきた印象で、伝え届ける気持ちが先立っていたから、あんまり残す意識でモノを作ってこなかったんです。でも10周年を機に改めて帯を締め直して作っていき、無事にやり終えた今は、僕たちの心の一部が作品としてこの世の中に残ってゆくんだな、それってすごく幸せなことなんだなと感じて。それが今の率直な気持ちですね。

山田:10年という文字面だけを見てもピンと来ないんですけど、こうやって曲が並ぶと、一曲一曲に思い出があって、感慨深いですね。10周年記念の「大感謝祭」が終わった時、出し尽くした感で、先が想像できなかったんです。その瞬間浮かんでこなかった。ただライブでは出し切ったんですけど、音源という意味では、このベストアルバムが出し尽くすものになる。【アニバーサリー盤】(完全受注生産*受付終了)では、今までリリースした曲を、ライブバージョンも含めると100曲近く収録していますし、【デラックス盤】にはドキュメンタリー映像も入っていますし、【ボーナストラック盤】には他の盤と共通した新曲に加えてもう一曲、新曲を入れている。次に向かってスタートを切るための、大事なベスト盤になったと思います。

――3つの盤に共通のCDには何を収録するか、選ぶのは大変だったのでは。

吉田:大変すぎて、ちょっとお手上げだなと。やっぱりこれまで100曲近く作ってきた中から十何曲選ぶというのはね。個人的な感情を入れ始めると、なんとか絞り込んでも40曲くらい選びたくなる。だから信頼のおけるスタッフさんと話し合いを重ねて「今の吉田山田のベストアルバムは絶対この曲は入っていて欲しいよね」っていう曲を、それでも分かれる色々な意見をかき集めて、そこから決めました。その中でもみんなの選曲の中には入っていないけれど、今あらためてこの曲は聴いてほしいから入れたいと入れた曲もあります。基本的にはみんなで選曲しました。

――個人的に入れたかったその曲はなんですか?

吉田:「花鳥風月」ですね。この曲は1stアルバム「「と」」の一曲で、出来た時にはすごく手ごたえがあったんですけど、“アルバムの一曲”という立ち位置のまま10年来たなあと。今の僕らが出す「花鳥風月」は、また違って響くんじゃないかなと思ったんですね。僕らはけっこう、曲を子どもに例えるんですけど、「大人しめの子ですけど、いい子だよ」っていう。もう一回見てほしい、と僕のわがままで選曲しました。

――「花鳥風月」は、あらためて聴くと、その後作られているいくつもの命の歌、その始まりの歌のような気がしました。最初から吉田山田は、生や死、命や絆を胸に歌を作っていたんだなと。

吉田:そうですね。僕らは「ガムシャランナー」っていう本当にストレートに背中を押す曲もルーツなんですけど、もうひとつ「日々」という曲につながる部分が、この曲からも聴いて取れるのかなと思いますね。

――山田さんはこの曲は外せない、と選んだ曲はありますか。

山田:「花鳥風月」もそうだったんですけど、「もやし」もそうですね。これはこの10年の歴史では後半のリリースになるんですけど、時系列で収録しているこの並びで差し色としてはすごくいいなと。あらたなものが生まれたなっていう感触があったので入れました。

――独自の世界観に反響が大きかったという「もやし」は、私も最初はびっくりしたんですけど、聴いているうちに、自分にとっての「も」「や」「し」を幸せな言葉でつなげたいなと思いました。幅広い世代に届く歌ですね。

山田:そうですね。お子さんも歌ってくれているみたいです。


「10年やってきたからこそ出てきた言葉とか、重みってある」(山田)


――このベストアルバムに共通して収録されている新曲は「いくつになっても」。これはどんなふうに作られたものですか?

吉田:2回目の47都道府県ツアーを廻っている最中に、次の作品に入れるとか入れないとかあんまり深く考えず、曲作りの手を止めたくないなと、作った中の一曲なんです。けっこうここ最近は、それぞれの作詞・作曲だったり、どちらかがイニシアチブを取って作ることが多かったんですけど、久々にふたりで一緒にアレンジャーさんのおうちに行って、飼い猫と遊びながら作っていきました。山田が一番最初にきっかけのメロディーを歌ってくれて、それだったらこういうコードがつけられるね、それならこんなアレンジに出来るなって、三人で話しながら。久しぶりに共同作業で楽しみながら作った一曲ですね。結果、出来てみると今の僕らにぴったりの素の言葉が盛り込まれていて。作った時も苦労せずにすっと言葉が出てきました。

――“涙飲み込んで もう少し頑張ってみるか”というフレーズが、とても力になります。同時に、10周年を迎えた時の山田さんのブログの言葉も思い出して。「何度もこの10年でいろんな涙を流して来たけど、本当に2人で続けられて良かった」という。

山田:10年やってきたからこそ出てきた言葉とか、重みってあると思うんです。これまで不安なこととか、これやばいなって、思ったことも山ほどあるんですね。でも、この先のことを考えた時に、不安よりも「どんなことになるかな」っていう楽しみが大きくて。今、こういう気持ちになれるっていうことは、これから先もきついことや、やばいこともあるだろうけど、時が経てば笑い話になって、酒の肴になるんだなと。肩の力が抜けてこれからのことに挑める気持ちで今、いますね。

――【ボーナストラック盤】のみ収録されているのは、新曲「微熱」。

吉田:これは本当に最新のものですね。“はじめまして”になるプロデューサーの方と一緒に作ったんです。

――それはあえて、ですか?

吉田:僕たちが10年培ってきたものの中には、アレンジャーさんやミュージシャンとのつながりも当然あります。こういう曲が出来たから、このアレンジャーさんにとか、この方のエッセンスが欲しいからお願いしよう、というふうに、デビュー当初に比べると計画的にいろんなことが出来るようになってきたんですね。培ってきたものをもう一回壊して新たなことに挑戦して、そこから刺激をもらってという繰り返しでした。それを10周年に向けてのここ3年間はあえて、そこを崩さなかった。崩さないことによって僕らの個性が逆にすごく出てくる、っていうところでモノを作ったんです。それをやり終えたので、はじめましての方と一緒に作ることにしたんです。この方が、コードや歌い方の節回しや、声の出し方について、いわゆる、新人の人にするように指示をしてくれたんですよ。

――今までの歌い方を生かす形ではなく、違うやり方で。

吉田:僕たちも10年やり終えた中で、ちょっと新しいやり方をしたいという中での出会いだったので、新鮮でした。実験に近い形でしたね。「この歌い方でいいの?」「今までだったらこのテイクはNG出していたけど?」とプロデューサーに聞くと「それでいいんだよ」っていうひとことが返ってくる。で、「じゃあやってみよう」っていう、そういう挑戦と発見があった曲になりましたね。

――取材のたびに、音楽に対する想いを話していただいてますが、吉田さんからいつも感じるのは、命をかけて歌を作っているという姿勢です。

吉田:音楽をプロとしてやっていくと意識した時に、使命という言葉を感じるようになった――と、初期の頃の取材で言っていましたけど、その頃は、いろんなことを知って、わかっていなくてはいけないと思っていたんです。わかった状態で自分が壁を乗り越えて、乗り越え方や壊し方をわかって、それをみんなに伝えなければいけないと。わかっちゃあ、またよくわかんなくなって、自分も壁にぶつかって、なんかもうやだって、投げ出したい自分は見せちゃいけないって思っていた。でも今はそうじゃない。わからないし、一生つかめないものなんじゃないかと。だからそのわからないことも、歌に変えて届けていいんだって。ネガティブなことは口にしないほうがいいと言うけど、あんまりそうじゃなくて、本当は立派な人なんていない。それぞれ悩みがあってもろさや弱みがあって、それを僕らが歌うことで救える部分があるのかなと。そう思えたのはなぜでしょうね、10年で初めてです。ふと、目をそらさずに自分が今、戦わなきゃいけなかったり向き合わなくてはいけないことを歌にしたいなって、今なんか思っていますね。

――山田さんのお話で印象に残っているのは、「おもしろいおじさんになりたい」。「あのおじさん楽しそうだなって子どもが僕のことを見たらいいな、そうしたら、大人になることもいいなときっと思えると思うので」と話してくださったことです。

山田:それは今も変わらず思っていますね。言葉を扱う仕事なんですけど、言葉って付属品みたいだなって思っていて。僕は自分の母親を尊敬・・・尊敬というとあれなんですけど、大事なんです。口うるさい人なんですけど、どういうふうに生きなさいとか、そういうことは言わない。でも自分の生きてきた背中をすごく見せてきた人。母自身が意識して見せてきたのかはわからないけど、僕は見てきた。親から言われた言葉はそんなに心に残っていないけど、言葉以上に見てきたものがたくさんあって。だから言葉って付属品だなと思うんですね。ちゃんと、生き方はこぼれてくるものだなと。組み立てていくものというよりも。あらためて36歳になって親の生き方をかっこいいなと思うんです。紡いでいったり、こぼれてくるものに最近気づきましたね。


「絶対幸せになる時間が待ち遠しくも、ちょっと照れくさい」(吉田)

「約束の場所で逢えるいとおしさを、噛みしめたいですね」(山田)


――初めてのホールツアーとなる「大百科ツアー」の開催が決定しました。ベストアルバム「吉田山田大百科」を中心に、全国5都市をバンドセットで回ります。どんなライブになりそうでしょう。

吉田:今、フタをあけてみないとわからない気持ちが実は一番強くて。昨年、中野サンプラザで「大感謝祭」をやって以降の大きなライブなんですよね。あの「大感謝祭」って夢だったんじゃないかな?と思うんです。特別な空気があった。おおげさでなく、全員の顔が見えた気がするんです。あんなに大きな会場だったのに、それぞれの生活や大事にしているものが感じられた。僕らはみんなに感謝を伝えたかったのに、それ以上のものが客席から返ってきて、すごかったんです、多幸感が。夢みたいな気持ちであのライブを終えて、ボケーっとしながら2019年を終わって、で、ライブやりたいなと制作に入って、それで久々のライブという。だからなんていうんだろう、ちょっと照れくさいというか、今までにない気持ちですね、このホールツアーに向けての感覚は。特に昨年は47都道府県ツアーをやって、ライブというものにけっこう親しみを感じられてきたんですけど、これだけ間が開くと新鮮な気持ちでいい緊張感が生まれてもいるんですよね。11年目の吉田山田をみんな楽しみにしているんだろうなって。「大百科」だから、もしかしたら人によっては一度聴いたことがある曲かもしれないけど、今の僕らが歌うと全然違う響き方をするっていうふうに感じてほしいし、それは僕らが肩の力を入れずとも出来るような気はするんです。今は、絶対幸せになるライブという時間が待ち遠しくもあり、照れくさいというこの感覚が新鮮なんですよね、僕の中で。

山田:ライブの予定って“この日に逢う”という約束みたいなもの。それを今まで当たり前にしてきたんですけど、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、周りでミュージシャンがライブを中止・延期する状態にある今、あらためて約束が守られるって当たり前ではなかったんだと。もちろん僕らは現時点で、ツアーを開催するつもりでいるんですけど、その時は今までと違う気持ちでステージに立つでしょうね。約束の場所、約束の時間に集まれた瞬間が、逢えたことがいとおしく思える、それもかみしめたいですね。初めてのホールツアーに加えてそういう想いも乗っかるので、忘れられない時間になるだろうなと思います。

――では最後にメッセージをお願いします。

吉田:初めてベストアルバムを出すことになりました! 実はデビュー5周年でシングルA面コレクションを出した際に、「ベストアルバムと謳ってもいいんじゃないか」という意見もあったんです。でも、その時僕ら自身が胸を張ってそう言えなかった。だからタイトルも「吉田山田シングルズ」にしたんです。今、デビュー10年経ってやっとベストアルバムと胸を張ってお届けできるものが出来ました。音楽ってすごくて、10年って長いのに、このアルバムを聴くと1枚で人間の苦悩や若気の至りや、幼さや未熟さを全部感じられる。それって本人は恥ずかしかったり隠したかったりするんですけど、ひとつのエンターテインメントとしてはすごく面白いものになっていると思います。ぜひとも手にして、できれば時系列順に曲が並んでいますので、順を追って聴いていただけたらと思います。

山田:この一枚に僕らが思う、友達について、恋について、愛について、夢について、家族について、人生についてが詰まっているので、これを聴いて自分はこう思うとか、心の中でのアクションが起こったら嬉しいです。


インタビュー・文/早川矢寿子



Best Album 「吉田山田大百科」 2020.4.8 Release
[デラックス盤]

[ボーナストラック盤]

吉田山田 Official Website >> https://yoshidayamada.com
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ライブ情報

吉田山田(振替公演)
ホールツアー 2020 「大百科ツアー」

2020/06/29(月)
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
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