記事詳細

アルバム『pink ELEPHANT』を1/22にリリース。ツアー名古屋公演は5/23(土)名古屋ElectricLadyLandにて!「コーラスもダンサーもいない編成は久しぶり。自分へのチャレンジでもあります」

2020/03/16 16:00


92年のデビューから通算24枚目のアルバム『pink ELEPHANT』を1/22にリリースした米倉利紀。
新たにキャッチーなアプローチを加えた本作は、繊細さと力強さの象徴である「エレファント(象)」を憧れに掲げ、異次元にいるようなゆるやかな時の流れとともに、ひとの日常や想いを肌の温もりをリアルに感じるほど濃密に描いた作品に仕上がった。

ツアー「toshinori YONEKURA concert tour 2020 "pink ELEPHANT"」の名古屋公演は5/23(土)名古屋ElectricLadyLandにて。

アルバムとライブについて、米倉利紀にインタビュー。



1/22に24枚目のアルバム『pink ELEPHANT』リリース!

「みなさんを異次元に、ちがう空間に連れて行ってあげられたらいいな」という想いが込められています」


――アルバムを聴いていると、『pink ELEPHANT』という名の惑星に遊びに行って、様々な感情を味わって楽しんでいるような豊かな気持ちになりました。

それが「いちばん伝えたいことなのかもしれないな」と今思いました。音楽って現実と夢を行き来して現実逃避する楽しさがあると思うんですよね。楽しい気持ちになりたいときに聴いたり、もっと悲しくなりたくて聴いたりとか。今回のアルバムは「みなさんを異次元に、ちがう空間に連れて行ってあげられたらいいな」という想いが込められています。

――収録曲「elephant LOVE」のMVで繰り広げられる幻想的な空気が、アルバムの世界観を象徴しているのかなと思ったり。

ダンサーのクリスさんを象に例えることもできるし、僕の分身に例えることもできるし、ずっと一緒にいる存在とも見れるし、久々の再会とも捉えられるし……っていう、どこにも着地しないところを、撮影中にクリスさんと監督さんと話しながら作りました。不思議なふわっとした異次元な感じが伝わってうれしいです。

――アルバムの最初の2曲「merry-go-round」「see EYE to EYE」は打ち込みメインのクラブミュージックのようなサウンドで、いつもとちがう、新しい米倉利紀を感じました。

「ちがったイメージにしたい」「ちがうものを作りたい」と思って作った2曲ではなくて、日常の中で……例えば、僕、あまり黒は着ないけど「あ、今日は黒着よっかな」っていう、ほんと、その程度なんですよね。プラス、今回のアルバム制作の打ち合わせでレコード会社のスタッフさんから「どんな楽曲が集まってきそうですか?」と聞かれたときに、「いつもの延長線上ではあるけれども、僕なりに新しいチャレンジをしたい」って話したら、「今回こそ日本のポップスのAメロ→Bメロ→サビみたいな構成にしばられる必要はないんじゃないか」って。これ、なかなか日本のレコード会社から出てくる言葉じゃないけど(笑)、実は毎回言われていて。「そっか、やっぱり今回こそそこに行ってもいいのかも」っていうことで書いた2曲です。

――柿崎洋一郎さんとクレハリュウイチさんのアレンジの幅の広さにもわくわくしました。

「僕が表現したい楽曲の世界をどんなアレンジで上げてくれるんだろう!」っていう面白さがあります。ぜったいそれぞれ同じものが上がってこないのはわかっていたので、上がってきたアレンジを聴いて「柿崎さんはこの曲をこう解釈したんだ」「クレハくんの解釈はこれなんだね」っていうのを僕も楽しみながら作りました。

――米倉さんの作詞・曲の引き出しの多さもすごいです。

1枚のアルバムが10曲入りだとしたら、いつもは30〜50曲ぐらい書いて、その中から「これをレコーディングしたい!」という10曲に絞り込んでから完成、着地させていました。だけど、今回は敢えて着地をせずに〆切まで書けるだけ書いて「この中からだったらこの曲かな〜」ぐらいにして(笑)。歌詞も収録曲の7割は仮で外枠だけさっと書いていたものをそのまま歌い、残りの2〜3割は歌う直前とかレコーディングをしながら変えていきました。初めて決め込まずに作ったアルバムになりました。

――個人的に、甘い気持ちにさせてくれる「GOOD MORNING」が好きです。

いつもは柿崎さんが上げてくるアレンジでなにも問題なく進んでいくけど、この曲はアレンジが上がってきたときにすでに書き終えていた歌詞をはめてみたところ「ラブソングではないな〜」「ぜんぜん歌詞と合わない」と思って一気に歌詞を書き換えました。「アレンジがちがう」とは思わなくて、とにかく「歌詞がちがう」って。柿崎さんにそのことを伝えたら「アレンジのイメージ違った?やり直そうか?」って。「いや、歌詞が違うんです!!」って出来上がった1曲です。

――最初のフレーズが♪朝陽昇る♪ですよね。この曲はコーラスもかっこいい。コーラスを考えるのはお好きですか?

実際に朝陽を浴びながら書いた歌詞なんです。好きですね、コーラスを考えるの。譜面に起こすとか楽器をさわりながら考えるんじゃなくて、イントロから感じるがまま入れていくんですよ。「サビにこれを入れたらBメロはこんな感じかもな」って、その場でどんどん入れていくので楽しいです。奇をてらうというよりも、やってみた結果「面白かった」っていう。コーラスアレンジを考えるときはもう1曲書いているみたいな感じです。

――アルバムは打ち込みと生音が融合していますが、このサウンド作りはアレンジャーさんのアイデアで?

「これは生にしたい」「これは打ち込みにしたい」って僕がリクエストしたり、相談もあったり。例えば1曲目の「merry-go-round」は打ち込みだけでも成立していたけど、「ドラマーの人間力みたいなものが加わったらもっとこの曲が呼吸するんじゃないか」と思って、生のドラムを足しています。生なのか打ち込みなのか、最後の最後にスネアがパン!って入ってて、「おっ、生なんだ!」って。本当はスネアの音はカットする予定だったのですが、ミックスのときに「生かしてくれ」って言って。

――細部にまでこだわっていて贅沢なアルバムです。

贅沢……うれしいです。それこそ「GOOD MORNING」で♪「はじまり」という贅沢♪って歌っているけど、初めての感覚って何よりも贅沢だと僕は思うんですよ。昨日、蓬莱軒のすごいでっかい「一半ひつまぶし」を食べました。めっちゃ贅沢ですよね(笑)。でも値段よりも食べてる時間が贅沢。恋愛も、そのひとと出会ったときの贅沢な気持ちって2日目からもうないから、最初の贅沢さを味わえるか・味わえないかで「ひとの人生って変わっていくかもしれないな」って。さっきは久々にコメダのシロノワールを食べましたけど、贅沢でした! 初めて食べたときとはまた違った幸せな時間でした(笑)。


「今もR&Bが大好きな気持ちは変わらない中で“自分のジャンルはどうなのか”って問われると、“米倉利紀でありたい”と思います」


――ところで、米倉さんは音楽を表現する上でR&Bを意識していますか?

意識をしなくなった……って言うとちょっと生意気な発言になるけど、10代の頃はR&B、ソウルミュージックが大好きで「自分の音楽もそのジャンルにいたい」っていう意識が強かったです。でも、ポップスからデビューをして……今思えばありがたいことだけど、当時はそれが嫌で「自分はポップスじゃない」と思っていました。すぐにアメリカに移り住んでR&Bの世界にどっぷり入ってみると、今度は「自分はポップスだよな」って。アメリカのR&Bのミュージシャンといっしょに仕事をしていて感じたのは、彼らって「自分はR&Bだ」みたいなこと、ひとかけらも思っていないんですよね。生き様が音楽だから。っていうことは、僕も自分の生き様をそのまま音楽にすればいいだけの話だって気付いたんです。当時のプロデューサーから「これから先、どんな音楽を作っていくのかわからないけど、ソウルだ、R&Bだってこだわるひとは、きっとソウルでもR&Bでもないんだよ」って言われたことがすごく印象に残っていて。それで、侍魂をコンセプトにしたアルバム『samurai quality』(2007年)をリリースしました。今もR&Bが大好きな気持ちは変わらない中で「自分のジャンルはどうなのか」って問われると、「米倉利紀でありたい」と思います。

――「歌うこと」で大切にしていることは?

日本語で歌っている以上、日本語が伝わらないと意味がないと思うし、もちろん、大切にしているつもりだけど、音楽の楽しみ方のひとつとして“言葉をどう発音するか”はすごく大事で、一言ひとこと丁寧に言葉を置くことに加えて、それを音にする楽しさは、僕ら音楽家の仕事のよろこびのひとつというか。

――収録曲「LOVE GEAR」では「許し合う」を「ひゅるしあう」と発音していらして、音として気持ちが良くて、抜けが良くて。

「ひゅるしあう」って日本語が変ですよね(笑)。僕は英語も話すけど「ネイティヴな発音じゃなきゃ英語じゃない」とは思わないんですね。日本のメディアに出ている外国人が話す日本語で、発音がおかしいひとっていっぱいいるし、逆に日本人が話す英語でアジア人訛りなひとがいっぱいいるけど、じゅうぶん想いは伝わるし、それが彼らの日本語であり英語だから僕は問題ないと思っています。今の時代、そういったルールは必要ない気がしています。日本人でありながら日本語の発音がおかしいのはちょっと問題かもしれないけど、リズムに乗っていたり、「愛日」という曲では「想う」を「想ふ」と歌っていますが、全部「う」を「ふ」と歌っていたらそれは変だけど、1曲の中でも「う」を「う」って歌っているところがちゃんとあります。それを「意識的にやった」というよりは、感情のまま歌ったらそうなりました。


「toshinori YONEKURA concert tour 2020 "pink ELEPHANT"」

名古屋は5/23(土)ElectricLadyLandにて!


――ライブで聴くとさらにアルバムの世界が深く味わえそう。5/23のElectric Lady Landはどんなステージになりますか?

今回のツアーは久しぶりにコーラスもダンサーもいない編成です。アルバム『pink ELEPHANT』は楽しくて華やかな雰囲気ですが、「ステージ上で花を添える役目であろうダンサーやコーラスがいないってどういうことなんだろう?」っていう自分へのチャレンジでもあります。

――では最後に、東海地区のみなさんにメッセージをお願いします。

すごく大きくて、でも優しい目をしていて、でも力強くて、だけど繊細さを持つ象は、僕の人間力の理想でもあって、そんな想いをアルバム『pink ELEPHANT』に詰め込んでみました。ぜひ、聴いていただいて、みなさんの人間力を高める鍵になってくれたらいいなと思います。ライブも遊びに来てください!


インタビュー・文/早川ひろみ



New Album 「pink ELEPHANT」 Now on sale

米倉利紀 Official Website >> http://www.toshinoriyonekura.com
記事の一覧へ
関連情報