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「ライブは音楽活動の原点。その日の気持ちで、最新の坂口有望を届けたい」坂口有望ライブ史上、最大規模のライブハウスでの全国ツアーがスタート!

2020/03/10 18:00


温かくも切ない歌声と、等身大の世界観の中から鋭く切り取られ描かれる歌詞。
坂口有望の、刹那的で儚いきらめきが詰まった最新作「shiny land」は、TVアニメ『ランウェイで笑って』オープニングテーマ「LION」をリードトラックに、多彩な音楽プロデューサー陣と紡ぎ出したセカンド・フルアルバム。
彼女が中高生時代を通して描いたみずみずしい「青春」の、その向こう側が垣間見えるリアルな音楽集は、前アルバム「blue signs」からサウンドの幅もグッと広がり、より「ポップス」を意識した坂口有望のニュースタンダード。

詩とロックとポテトを愛する、19歳の誕生日を迎えたばかりのシンガーソングライター、坂口有望さんにインタビュー!



――「shiny land」、素敵なタイトルですね。有望さんにとってどんなアルバムになりましたか。

詞・曲を書いているのは私なんですけど、歌っている内容もまったく違うし、いろんな方にアレンジをお願いしたことで、たくさんの人のエッセンスが詰まったものになったと思います。だから前回のアルバムよりも共作というイメージが強いですね。いろんなカラーをそれぞれの曲が持っているので、キラキラした一枚ということで「shiny land」とつけました。

――出会う人によって、違う自分が引き出されたりもしましたか?

そうですね、レコーディングのやり方も違うし、こんな声の出し方が自分の中にあったんだという発見がたくさんあって。刺激的な制作でした。

――特にそれを感じたのはどの曲でしょう。

1曲目の「radio」です。松隈ケンタさんがプロデュースしてくれたんですけど、レコーディングとしては、他の曲の時と同じように「まず一度歌ってみて」というのは変わらなかったんですけど、そのあとで「ちょっと顎を出して歌ってみて」とか「アホっぽく歌ってみて」とか、いろんなディレクションがあって。それで、こんなやり方でこんな声が出るんだ?っていうのが面白かったですね。

――“いつか私の歌を聴かなくなる日が来ると思うの”という、きっぱりした予測で始まるこの楽曲は、マイナスな方向に行くどころか、音楽の持つチカラや、自身の音楽に対する愛が散りばめられていて、その“いつか”を決して悲しいことだとは思わせない。

いつかその曲を聴かなくなるということに対して、ネガティブに思ってはいないんです。その人が成長したり、変われたしるしとして、ポジティブなことにとらえていて。この曲はアルバムの中で一番最後に出来たんですが、曲順としてどこに入れるのが正しいんだろうって考えた時に、1曲目に持ってくるからこそ歌詞の意味が深くなると思ったんです。“いつか私の歌を聴かなくなる日が来ると思うの”という言葉から始まるアルバムって深いな、って。それで1曲目に入れました。

――続く「あっけない」は、友達のつぶやきから生まれたという歌。

高校時代、友達が失恋した時に、「あー、恋愛ってあっけないな」って言ったのが忘れられなくて作ったんです。ライブでも披露していたので、ライブ時にアレンジしてくださった岡部晴彦さんにアルバム用にもアレンジをお願いしました。ライブでやっていた時とは雰囲気の違う、おしゃれなものというか・・・歌っていることはせつないのに、サウンドがポップ。だからこそせつない。そんな曲になりました。

――“2人で落ちた恋を 今1人で登るだけさ”って、すごい視点ですね。好きになった時のことを“恋に落ちる”って、歌に限らずよく表現される言葉ですけど、終わる時の表現を“1人で登る”っていう表現には初めて出合いました。

私もこのフレーズがすごく好きです。この曲を作る前からあった言葉で、「あっけない」を作ろうと思った時に入れました。

――「LION」はTVアニメ『ランウェイで笑って』オープニングテーマ曲として書き下ろした楽曲。どんなふうに制作していきましたか?

まず原作を読みました。私は今まで活字ばかりで漫画というものを読んでこなかったんです。途中でやめてしまって。でもこの話に関しては、面白くて。今回初めてページをどんどんめくらずにいられなくて、最後まで読みました。

――トップモデルとデザイナーを目指す青春群像劇。モデルになるには身長が足りないと言われても、あきらめず夢を追いかける女の子が出てきます。

周りからしたら無謀と言われる夢を追いかけるんですが、その姿が自分と重なったんです。夢を追うということに関しては私も変わらない。主人公の代わりに歌えたらと、作品の一部のような気持ちで書きました。

――タイトルがライオンなのは。

モデルが歩く細長い舞台のことをランウェイと言うんですけど、別名キャットウォークとも言うんです。キャットの中でも一番強いライオンという意味でつけました。

――ミュージックビデオでは、有望さんが走っていますね。

はい、いっぱい走りました。ワンカットで1曲分走ったので、カットがかかると座り込むくらい。ふだんから健康維持程度には走ってはいるんですけど、こんなにがっつり100%走るのはないので、きつかったです。その努力も含めてぜひ見てください(笑)。

――4年前に作ったという「冷たい」は、せつない旋律と共にぽつんと始まる曲。

中2の頃からライブハウスで歌い始めたんですけど、帰りは夜になるんですね。天王寺という地元の駅は独特の雰囲気があって、いろんな人がいるので、その独特のものを曲に出来たらと思ったんです。サビの最後の言葉、“僕はまるで冷たい”と歌っているんですけど、“まるで”と“冷たい”、って普通つなげない単語。そこをくっつけることで、違和感みたいなものが生まれて、天王寺のいろんなものが入り混じっている感じにつながるかなと思ったんです。

――天王寺、ってそんなに独特な場所なんですか。

6年くらい前に、あべのハルカスが出来たりして、大阪でここ数年、一番栄えた街なんです。昔は治安がそんなに良くなくて、汚い街だったんですけど、絵のようにかき消されてどんどん新しいものに変わってゆくのを、中学から高校の一番感受性の高い時期に見ていたので感じるところがありましたね。自分の育った街がどんどんこう、利便性だけ優先されてゆくことに、ちょっと複雑だったんです。

――「WALK」は、上京して新宿の歌舞伎町を歩いた時に感じたことから生まれた楽曲。

東京って、自分のふるさとから離れてきている人が多いから、一人で歩いた時に、みんなが誰かに逢いたいと思っているように思えて。そこから書きました。

――編曲した柿澤秀吉さんが、「2番Aメロのブレイクは有望ちゃんの案です。さすが!」とコメントされていましたね。

この曲がタイトルそのままに、夜道を歩きながら聴いてほしいと思ったんです。でもただ歩いて聴き流す楽曲になるだけじゃなく、ちょっとハッとなるシーンがあるといいなと。音が止んで、雑踏が聴こえたほうが面白いんじゃないかと入れました。

――「星と屑」は、タイトルを「星屑」ではなく「星と屑」にしたことで、「空と地面」みたいにも感じられて、人間の存在感がありますね。

もともと空が好きで、夜も星を見るのが好きなんですけど、きれいなものを見ると自分がみじめに感じるという人がけっこういるじゃないですか。こんなきれいな星を見れば見るほどみじめに思えてしまう人がいるとしたら、その人を主役に曲を作りたいなって思ったんです。

――難しい曲を歌いあげた、と編曲のゴンドウトモヒコさんがコメントされています。レコーディングで特に意識した点はありますか。

そうですね、みんなが眠りにつくような時の曲だから、サビとかけっこう声を張って歌いたいところを夜の雰囲気に合わせてしっとり歌う、セーブすることを意識しました。難しかったですね。

――高校2年の時に作った楽曲は「夜明けのビート」。

“青春はすぐ終わるよ”って歌うのは、だいたいが通り過ぎた人だから、今のうちに作っておきたいと作ったんです。

――そんな歌を今、19歳の自分が歌うのはどんな感覚ですか。

無鉄砲というか、ずっとこのままこの時間が続いたらいいのにっていう、ちょっと子どものような歌を、大人になった目線で懐かしみながら歌えていますね。

――いい高校時代だったんですね。

すごく楽しかったんです。大阪弁しか聞こえないし(笑)。女子高だったんです。女子だけが切磋琢磨している環境はもうないだろうから、貴重な日々だったと思いますね。

――女子の大阪弁は、ちょっとまろやかなんですか?

いえ(笑)。もう、けっこうきついですね。人の目がないからというか、ありのままで生きている感じだったので。ゴリゴリの大阪弁でした。

――そういえばSNSで知りましたが、ファンの人からおすすめの大阪弁を聞かれて、「しばくで」って教えたそうですね(笑)。

そうです(笑)。けっこう、愛のある言葉なんですよ。

――え、そうなんですか? どういうシチュエーションで使うんでしょう。

友達と話している時、たとえばふざけあって、おちょくられた時に、東京だったら「もぉー、なにー?」なのが、大阪では「しばくで」なんですよ。それが大阪人の性格をよく表していて、お気に入りなんです。

――活字だけだと誤解しちゃいますね。聞いて良かったです。

はい。愛があります(笑)。

――好きな人を待っている女の子への応援ソングとして誕生したのは「ワンピース」。

去年の夏に配信した曲なんですけど、改札の前で好きな子を待っている女の子を見かけた時に「かわいいな」と私が単純に思って、背中を押せる曲が書けないかなと作ったんです。

――ミュージックビデオでは、有望さんがかわいいワンピースを着て、踊っていますね。撮影はいかがでしたか。

聴いてほしいターゲット=好きな子がいる女の子なので、同性として良く思ってもらえるミュージックビデオにしたかったんです。一緒に踊りたくなるようなかわいい雰囲気で作りました。ファンの人たちが振付を覚えてくれて、ライブで踊ってくれました。嬉しかったです。

――18年間住んだ大阪を離れてギター1本で東京に出てきた日に書いたという曲は「東京」。

東京に向かう新幹線の中で思ったことを書き留めたり、上京している真っ最中に考えたことが曲になっています。

――ライブバージョンのミュージックビデオはモノトーンですよね。そこにどんな想いが。

“東京に染まる”とか言いますけど、上京する時、私がどれだけ東京を染めていけるかっていう気持ちでいたんです。この歌は、今、歌うたびに私の心が正されるというか、上京してきた時の自分に「初心を忘れるなよ」って言われている、そんな気持ちになりますね。

――“東京は乾いたふりして 涙を乾かしてはくれないな”っていうところに、ハッとします。東京は乾いていると言うのだったら、東京は冷たいという表現になるけど、ふりをして、ですから。じゃあ東京は優しいと言いたいのかなと思ったら“涙を乾かしてはくれない”と来る。

東京の人ってどんな感じなんですか?って聞いた時に、「東京の人はドライだから」と言われたんですね。人がドライってどういうことだろう?って考えて生まれたフレーズです。

――では2番の“東京は冷たいふりして 情熱を冷ましはしないな”にはどんな想いが。

東京って、夢を追う人が集まっている場所じゃないですか。東京という場所にいることが、お互いを高めあっているという印象がある。簡単には引き返せない、みんなが夢を追いかけているから、自分ひとり逃げるわけにはいかないって気持ちです。前回弾き語りで全国回った時に、この曲を全箇所で歌ったんです。その時はバンドのアレンジがまだ全然なかったので、弾き語りを全国で届けたからこそ、私が上京して頑張っていく気持ちを全国に伝えられたかなという想いがありますね。

――アルバムのラストに収録されているのは「素晴らしい日」。

この曲自体は、もともとライブの最後に歌えるような曲を作ろうと書いた曲で、すごく壮大なサウンドなんですけど、アルバムにあるこれだけ個性豊かな曲たちを、どの楽曲で最後にまとめられるだろうと思った時に、この壮大な曲でないとしめくくれないなとアルバムでも最後に持って行ったんです。

――次へ向かう歩みを感じさせてくれる曲ですね。

最後に前を向ける曲を持ってきたというところは自分でもこだわっています。前の弾き語りツアーではずっと最後の曲としてやっていて、弾き語りでは聴きなれている人たちは、こんなに大きく生まれ変わったんだっていう驚きを感じてくれるのではと思います。

――初回生産限定盤のDVDにはミュージックビデオの他、オフショット映像が。どんな有望さんが見られるのでしょう。

基本、私は歌っている時と、しゃべっている時と、全然人が変わるんです。オフショットを見たら、かなりびっくりする人もいるんじゃないかと思うくらいに普通の自分があふれています。だからこそ音楽をやっている自分が引き立つような?もっとカッコよく見えてくれるといいなと思いつつの映像です。

――ギャップ女子?

はい、ギャップ女子で(笑)。

――シンガーソングライターとしてはオフになる大学生活はいかがですか。

けっこう慣れました。関東の友達も増えて、いろんな地方から来ているから、名古屋の友達も出来ましたし、それぞれの背景を持って同じことを学ぶことが面白いなって思います。

――前回取材させていただいたのは高校卒業記念盤的ミニアルバム「放課後ジャーニー」の時。「夢を具体的に言うと、達成した時に浮かれてしまうから、漠然と「ビッグになりたい」と言い続けると話してくれましたね。

はい。「ビッグになりたい」というのは、今も持ち続けています。でもあれから、これこれこういう段階を踏んでという、道筋が出来るようになりました。とにかく今はたくさん曲を書いて、ビッグになるっていう漠然とした夢の裏に、国民的なアーティストになりたいっていうのが一番にあります。みんなに聴いてもらいたいという。私はロックを聴きますとか、洋楽を聴きますとか、ジャンルで聴いている人は多いけれど、ジャンルに当てはまらないアーティストになりたいです。自分は弾き語りでもバンドでも交互にライブをやるので、ライブはもちろんいいし、老若男女みんなに愛されるようなアーティストになりたくて。目標のステージを具体的にひとつ持っているのが日本武道館でのライブです。

――みんなのうたで「3 3 4 1」が流れた時は、それこそさまざまな年代の人との出会いが生まれたのでは。

そうですね。お昼に流れていたので子どもさんと見ているお母さんとか、その世代の方もライブにけっこう来てくださっていて嬉しいですね。

――坂口有望 Tour 2020「shiny land」バンド編成の全国ツアー、名古屋は3/21(土)名古屋THE BOTTOM LINEにて。

今回新曲がたくさんあって、ライブで披露すること自体が初めてという曲もあるし、バンドで生まれ変わって披露するのが初めての曲もあるので、私自身すごく楽しみにしているんです。アニメのオープニングテーマで初めて知ってくださった方にも、昔の曲もやるので、あらためて坂口有望の音楽っていいなと、良さを感じてもらえるライブにしたいです。今回は全箇所、坂口有望のライブ史上一番大きいライブハウスでやらせてもらえるので、東京に出てきて成長した姿を見せられるライブになると思います。

――では最後にメッセージをお願いします。

まずは、読んでいただいてありがとうございます。私はライブが一番最初の音楽活動だったので、ライブが原点。一番大事にしているのが、その時の気持ちのまま歌うこと。毎回違う気持ちでライブに挑んでいるというか、それこそ本当に最新の私が見られる場所なので、生で聴きに来てくれてこそ私の音楽がより伝わるんじゃないかと思います。会いに来てくれたら嬉しいです!


インタビュー・文/早川矢寿子



New Album 「shiny land」 Now on sale
[初回生産限定盤]

[通常盤]

坂口有望 Official Website >> https://www.sakaguchiami.com
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【振替公演】坂口有望
坂口有望 Tour 2020 「shiny land」

2020/06/12(金)
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