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「今ここからスタートするタイミングとして、運命的な出会いだった」

2020/02/21 12:00


1月22日に新作ミニアルバム『ELEXGAME』をリリースした、FABLED NUMBER。昨年6月にSxunをディレクターとして迎えたことで、新体制となった彼らの力強い一歩を感じる作品に仕上がっている。今回はN’Eita(Vo/Gt)とMako-Albert(Gt)にインタビューを行い、Sxunを迎え入れることになった経緯を聞いた。なぜ彼だったのか?FABLED NUMBERにどんな変化が起きたのか?――深く掘り下げていくうちに辿り着いたのは、迷いなく前を向く彼らの視界良好な現在地だった。“FABLED NUMBERとしてカッコ良いと思うこと以外はもうやらない”という意志がより強く太くなった、今の彼らを感じ取ることができるだろう。



「“Sxunくんの言うことが全てであり、FABLED NUMBERの総意である”とみんなで決めた」


――今作はディレクターにSxunさんを迎えて作り上げたアルバムとなりました。

N'Eita:俺たちとしても前作『Millionaire』を出した後に“次どうする?どんな音楽を作っていくか?”と考えた時に、新しいスタートを切りたかったんですよね。『Millionaire』を出した後のツアーで、ライブとしてはかなりアグレッシブにやっていくことが自分たちにも合ってるし、お客さんにもFABLED NUMBERはそういうスタイルであるということが届いているのかなって思うことが多かった。実際にライブで演奏できる曲は自分たちがその時点でリリースしてる曲でしか去年はできなかったことを踏まえて、次は今の自分たちの熱量を音源に出した上でライブしていきたいなと考えたんです。そんな時にプラスアルファとしてほしい部分をSxunくんは持っていて、FABLED NUMBERのサウンドを彼が入ることによって広げられるなと思えたんですよ。だから去年の3月にはディレクターとして動くことに対して話をしていました。

――次への動き出しがそんなに早かったんですね。

N'Eita:めちゃくちゃ早かったですね。どういうものを作りたいのかは固まりきってなかったんですけど、次に動き出すタイミングはもっと早く動こうとみんな思っていました。これまではアルバムが出てツアーを回り終わるぐらいまで反応をちゃんと見たいというのもあったから"次はどうする?”というアクションが遅かったんですよ。楽曲が出てきたら早いんですけど、出てくるまでの時間がやたらかかる。それは結局“どうしたいのか?”ということが固まっていなかったのが大きかったのかもしれないですね。メジャーデビューした後はバンド自体に事務所やレコード会社などのいろんな人が関わってくるので、誰がどうしたいのかという話も一本一本ライブやってる中で気持ちも変わってるし、そのへんが結構急かされる。自分たちが招いていることではあるけど、どうしても急かされているように感じてしまって、そこがストレスになっていたりもしました。

Mako-Albert:6人いるからこそなんでしょうけど、まとまりにくかったと思うんですよね。全体のことをバランスよく考えることが、まだ自分たちに出来ていなかった。さらには楽曲があって、その上にアーティストの写真やMVがある――それら全部をリスナーへ伝えるために分かりやすくリンクさせることも出来ていなかったんです。

N'Eita:僕らは大阪と名古屋に在住しているんですけど、基本的に東京でバンドの話が進んでいくんですよね。例えば一つの作品をリリースするとなったら、全体を把握していないうちにリードトラックが決まり、ジャケットのデザインが出てきて衣装も決まっていく……というように、あっという間に決まっていって。“これほんまにアルバムに合ってる?今の俺たちのライフスタイルに合ってる?”って“はてな”が続いたんですよ。さらには一曲の出来とかいう話じゃなくてライブありきなスタンスがあったので“ライブ毎にちゃんとセットリストに入ってくるのか?”という点で、“この曲は今ほんまに演奏する必要があんのかな?”ということもありました。そんなことがだいぶある中でSxunくんが入ったことによって、ちゃんと東京で話ができるヤツが一人増えたんですよ。

――かなり心強い存在ができましたね。

N'Eita:さらには“Sxunくんの言うことが全てであり、FABLED NUMBERの総意である”とみんなで決めました。逆に言ったら7人で話を固めとけさえすれば、それが意見になってゴールまでちゃんと行く。今回は7曲作ることが決まって曲ごとのイメージを固める時も、ブレてきたらSxunくんに確認して進めました。自分たちだけで曲を作っていると、それぞれの好みで別れてきちゃうんですよね。でもSxunくんが指針をちゃんと決めて動くことを大前提としてディレクションしてくれたので、ブレることがそもそも起きなくなった。そうやって制作にも入っていたから、「デザインどうする?」っていうような東京で進む話もSxunくんが「僕がやるんで」とゴールまで行くのにおかしなことにならずに話が進む。一人増えた男を一番に持ってきたのがよかったと感じています。

――これまではそのような存在がいなかった、とも言えますか?

N'Eita:自分たちにはいろんなことできる自負があったことで、今まで出してきた曲自体が最終的には納得できるかたちまで持っていけてしまっていたんですよ。そこに僕らだけでなく、事務所もレコード会社も、今まで誰も疑問に思ってなかった。でもSxunくんが「これってFABLED NUMBERがやる必要あるん?」と言ってくれたことで、カッコいいかどうかは別として「ほんまに俺たちしかできひんことか?」と問われると「うーん?」ってなるなと気付いたんです。そんな風にして“バンドってこんだけおんねんからさ、自分たちにしかできひんこと、得意なことだけやろうぜ”という空気を持ってきてくれました。


「ストイックに高いレベルでやってるんだと改めて思えた」


――新しく迎えたSxunさんに重要なポジションを任せるにあたって、密にコミュニケーションをされたのではないですか?

Mako-Albert:実は2013年に出したデビュー作の『Might makes right』からFABLED NUMBERをずっと見てくれてたんですよ。いろんな話をしてきた中で彼が脱退した後にお互いの状況を話してる時に、『Millionaire』を聴いてくれてちゃんと意見をしてくれた。密にコミュニケーションをとる以前に、もう信頼でしでしかなかったですね。それからエイタくんに「Sxunくんと直接話して欲しい」と伝えたんです。

N’Eita:当時は一時期ですけど病気で辞めたという噂もあったので、“どんな状態で来んねん?車椅子で来たらほんまにどうしよう……”って思ってましたもん。そうしたら普通に元気な姿で来たから「俺、噂では病気になってるって聞いて」とびっくりしてたら、Sxunくんからは「そんなん関係ないわ!」と言われました(笑)。ただアイツなりのバンドへの愛だったんですよね。なんで俺がアイツらのフォローを今してんねんっていう話ですけど、これからも応援している気持ちがあるからこそ変なことを言わずに辞める方が、もやもやすることがたくさん起きると思うけど、その方がバンドとして進みやすいやろうと真剣に考えていたんです。あとはバンド同士で気になっていたこともあったから「どんなバンド活動してたん?」という話もその時にして、何が良しで何が悪しなのかを曖昧にする人が多い中で、彼ははっきりと判断できると感じた。音楽としてどこまで出来るのかは一旦置いて、そこが俺らにとっては大きなことだったんです。

――腹を割って話をされたんですね。

N'Eita:ただ実際に動き出したら、曲を作るにあたってタイちゃん(N'Taichi:Ba/Cho)にしかできないことが多すぎたことと、タイちゃん自身の能力があまりにも高いことを改めて知りました。だからそこにSxunくんが入るのは難しいなとも思ったんですけど、彼の力をどういう風に引き出すかと考えたら曲調やテンポなどの細かいところの判断ではなく、曲の大まかなコンセプトやこれがゴールという判断は絶対的に任せるように自然な流れで進んでいきましたね。でもSxunくんも最初は「とにかく曲を出してきてくれ」と言って、彼自身もスピーディーに何本も出してくれたんですけど、俺らとしては「ちょっと使われへんな」というのも多かった。FABLED NUMBERは曲を出す段階のレベルをめちゃくちゃ上げてるんですよ。これにNG出すのはダサいな、カッコ悪いなっていう概念があって、メンバー各々でそれを乗り越えてようやくデモになっていく。タイちゃんが「こんな段階で出してくんなよ!こんなレベルで出してくるのは恥ずかしいと思うよ」という信念を常に持っていることをSxunくんは知らなかったので、俺らからしたら彼が出してきたデモに「え!?こんなんで出してくんなよ」って揉めたりしました。

――やってきたバンドでの作り方がそれぞれ違うからこそ、お互いに戸惑いますよね。

N'Eita:でもそれが俺は良かったと思ってるんですよ。FABLED NUMBERはすげえストイックに高いレベルでやってるんだと改めて思えたし、タイちゃん自身「俺がやる!」と強い意志を持ってやりたいことがはっきりしてたことで、Sxunくんの立ち位置が明確になっていくことにも繋がりました。ただむちゃくちゃレベル低いデモがきたら躊躇することなく弾いていたので、それは申し訳なかったなと思うし、「もう1回練ってきてよ」とトライ&エラーを繰り返したらよかったかもしれない。でもそれよりも彼には“バンドがどういう風にやったらカッコよく見えるのか?”という判断が早くて、それが僕らに必要なところがあったんです。相当いろんなバンドやアイドルなど、アーティスト全般の動きを見ている。僕らはそういうのもしないので、かなり細かく見てることでどんな状況でもFABLED NUMBERにとっての最良の判断ができると、Sxunくんには信頼を置いていますね。


「俺たちに間違いはないと確信を持てた」


――いろんな刺激を受けつつも、自分たちの良さを改めて再確認した制作でもあったんですね。

N'Eita:ほんまにそうですね。

Mako-Albert:あとは自信にもなったんじゃないかな? Sxunくんと製作陣のやりとりを通じて曲ができていく段階で、俺たちに間違いはないわって確信を持てたんですよね。エイタくんも言っていたように、Sxunくんは“FABLED NUMBERだったらどういうプロモーションをするか?”という世の中へのアプローチの仕方もすごく考えてると感じるからこそ、任せられる安心感もある。まだ一枚しか作っていないのでいろいろあることはあるんだけど、いい形で完成したなと思っています。

N'Eita:今は音楽作ることやライブだけに集中できるので、ほんまにストレスがないですね。たぶんSxunくんは『ELEXGAME』を出して、"次はどうするか?”というのも動いてる中で見て考えていると思います。どうしてもバンドとしては自分たちの動きを中心に考えていくようになってしまうし、ましてやライブをしたらお客さんと直接的なところを中心に物事を考えがちになっちゃう。でも彼がいることで、ちょっと離れたところからの視点で今回を踏まえたこれからのことを話せるのだと思うと嬉しいですね。

――結果論にはなってしまいますが、お互いにこのタイミングですごく良かったということですよね。

N'Eita:Sxunくんは「すげえ運命的な出会いやった」と言っていたんですよ。自分が動き出せて今ここからスタートというタイミングにちょうど合っていたし、それがFABLED NUMBERとしても彼としても良かった。エレクトロでラウドなバンドってかなり数少なくなってきてはいるんで、ここからまた盛り上げていく中の一つになれたら、もっとラウドシーンに流れがくるんちゃうかなと思っています。


インタビュー・文/笠原幸乃



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FABLED NUMBER Official Website >> http://www.fablednumber.com
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