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「自信を持てる曲たちが生まれたことで、殻を破れた達成感に繋がった」

2020/02/21 12:00

1月29日に2ndアルバム「ANATOMIES」をリリースした、Halo at 四畳半。今作はアニメ『ラディアン』第2シリーズのオープニングテーマ「ナラク」や、BSテレ東 真夜中ドラマ『江戸前の旬season2』の主題歌「花飾りのうた」など全12曲を収録。さらに「イノセント・プレイ」と「蘇生」の2曲には、「リビングデッド・スイマー」を手がけた出羽良彰がプロデューサーとして参加している。昨年10月にメジャーデビューを果たしてから数々の経験を通じて作り上げた一枚として、挑戦をし続けた彼らだからこそのさらなる変化を感じることができるだろう。今作の制作を中心に、殻を破ることに繋がった変化を渡井翔汰(Vo&Gt)は語ってくれた。



「自分では見えていなかった曲の良さをメンバーが見つけてくれた」


――メジャーデビューして約一年が経ち、2枚目のフルアルバムとなりました。

メジャーデビューした時はこの先がどうなるかよりも嬉しい気持ちが強かったですね。それからこの一年で今作のように書き下ろしの楽曲を作らせていただいたり、前作に続いてプロデュースに入っていただいて曲を作ったりすることで、より一層実感することができた制作でした。基本的な制作方法としてDTMを使うことには変わりはなかったんですけど、約7ヶ月の制作期間のうちの一ヶ月間で僕と齋木(Gt&Cho)で10曲ずつ曲を書こうと課題を課して曲を書いてみたんです。実はそれまでの僕らって、一ヶ月に2・3曲ぐらい書くペースだったのでめちゃめちゃ大変でした。最終的に僕は9曲、齋木は5曲書けて……(苦笑)。課題はクリアできなかったんですけど、合わせて14曲。フルアルバム以上の曲数が生まれて、バンドにとって初めてストックができた。序盤から収録曲を選ぶことができたんで、よりいい曲を選ぶことができましたね。

――お互いに10曲作ろうとした時に、テーマは決めましたか?

とにかく10曲を作ろうと、もうがむしゃらですね。曲を書くというものに対してのハードルを下げる意味合いもあったんですよ。「大切に作っていく作り方もいいけど、数を生むことが大事でもあることを知らずにやっているのは勿体ない。とりあえず一回やってみよう」という話になって。

――メンバーに聴かせるまでの目標設定が高かったんですね。

誰が聴いても名曲だろうという曲だけを絶対に上げていました。だからなんとなく思いついて、先の展開に行き詰まったりした時はそのまま放って置いたりしたんですよね。“数多く作ればいいだろう”という考え自体は好きじゃないんです。でも今回は自分自身が気に入らなかったとしても、生まれたものを全部かたちにしてみました。すると“どうかな……”って思っていた曲がメンバーに聴かせると“いいね”と返ってきたんです。作っている自分だからこそ、見えてなかった曲の良さをメンバーが見つけてくれた。実際に曲を聴くのは僕ら以外の人じゃないですか。言ってしまえばリスナーの一人として曲を聴いてもらっての感想だったので、良い経験だったと思います。


「刺激的でバンドとしても成長を試された」


――今作は「ナラク」と「花飾りのうた」というように主題歌が2曲収録されています。

実は以前から自分の好きな映画や作品に対して勝手にテーマソングを作っていたので、正式に依頼をいただけたのは念願叶ったことでした。制作者の皆さんが込めたい想いを聞いた後に、その想いと自分自身が今感じていることを融合させて、Halo at 四畳半のフィルターを通して音楽にするのは新鮮でしたね。まず「ナラク」に関しては自分自身の中に潜んでいる心の奥深くにある、本当は見たくはないけど自分自身では抗うこともできない悪い部分と対峙することがテーマになってる作品であると聞いたんですよ。それってアニメに限らず自分自身にも起こりうることだし、あることだなって思えて。一方「花飾りのうた」に関しては主人公が自分に初めてできた弟子に自分自身の気持ちを伝えることの難しさを経験し、初めて壁にぶつかるっていう場面があったんです。その伝えることの難しさという壁にぶつかることは、生きていれば誰もが経験することだなと思った。そうやって自分でも思うものがテーマにあったので、自然と融合してくれましたね。

――主題歌となると、映像との相性も考えられて作られたかと思います。

そうですね。自分の頭の中でオープニングの映像がどうなるか想像しながら作りました。例えばアニメだと1分30秒、つまり90秒間の尺だという話だったんです。そんな経験もなかったので“90秒でどうやって曲を作ろう……”と考えて、いろんなオープニングを観て研究をしましたね。こういう制作って好き嫌いがあると思うんです。自由気ままに作りたいっていう人もいれば、依頼されて作るのが楽しいっていう人もいる。僕は前者であると思っていたんですけど、実際にやってみて楽しかったんですよね。

――また前作に引き続き、「イノセント・プレイ」「蘇生」では出羽良彰さんをプロデュースに迎えられました。

「イノセント・プレイ」「蘇生」はそれぞれが対をなす、「イノセント・プレイ」はHalo at 四畳半が今まで作ってきた音楽を研ぎ澄ませて昇華したと思っています。逆に「蘇生」は今までのHalo at 四畳半になかったもの、完全に別次元のものを作り上げた感覚があって。分かりやすいところで言うと、ピアノがメインで鳴っている曲は今まで作ってこなかったんですよね。そういうところで出羽さんと一緒に作ることによって教えてもらったことがたくさんあるので、どちらも刺激的でバンドとしても成長を試されましたね。

――ピアノをメインとする選択に至った経緯は?

デモの段階でシンプルなピアノとバラードだったんですよ。チャレンジしたくてピアノで曲を作ってみたんですけど、僕にはピアノの知識がほとんどなくて手探りな状態でした。それを出羽さんに整えていただいて、僕が「蘇生」で表現したかった世界により近づけてもらえたんです。これまではピアノで曲を作りたいと思っても弾けないので、作れなかった。でも今回のようにチャレンジしてみて良かったし、出羽さんと一緒だったからこそ完成することができたとも思っています。

――そして「疾走」は齋木さんが作詞されました。

自分とは違う人が書いた歌詞を歌うことは自分の中にはないものを歌うことになるのでは難しくもあったんですけど、ボーカリストとして試された曲だと思っています。例えばサビだけでも“この母音で終わらせてくるのか”というのもありました。ただ齋木からこの曲で描こうとしていたストーリーや想いについて聞かずにレコーディングしたんです。歌詞を読んだ時点で彼の想いが入ってきた。込められたメッセージが今Halo at 四畳半が抱えている想いと似ていたからこそ、聞かずとも素直に歌うことができましたね。


「どんどん曲が完成されていく様を見届けられたら」


――今回の挑戦はとても大きな一歩になったと感じています。

特に「Ghost Apple」「レプリカ」「ヘヴン」などの曲たちを聴いて、“どう思われるんだろうな……”と作りながら不安でもあったんですよ。“Halo at 四畳半が変わっちゃった”と言われんじゃねえかなと思っていた。でもめちゃめちゃいい曲たちだから、これを聴いたところで変わったなと悪い意味で言われたとしても、“でもちゃんといい曲だから聴いて”と言えるくらい自信を持てる曲たちが生まれたんだと感じたんです。そうやって最終的には最高のアルバムができたという想いに繋がって、殻を破れたなと達成感にもなりました。

――挑戦をし続けている中でも、今回はこれまでとは違った気持ちにもなったんですね。

ただこれまで応援してくれた人たちにその不安があったというわけではないんです。例えば今回はメンバー4人が鳴らしている楽器以外の音をふんだんに入れてる曲も多いですけど、それって言ってしまえばインディーズの頃からやり始めていたことでもある。そんな楽曲たちをすでにライブでも披露していて、お客さんから感想を聞いてもいたので、一緒に歩めてきている感覚が強くあるし、その自信もあるんですよ。だからこそライブハウスでどう音楽として鳴ってくれるのか、それをお客さんがどう受け止めてくれるのか、ツアーが楽しみです。一緒にアルバムの曲がよりどんどん完成されていく様を見届けられたらと思っています。


インタビュー・文/笠原幸乃



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Halo at 四畳半 Official Website >> http://haloat4johan.com
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