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「ライブではアルバム『金字塔』の楽曲を思う存分具現化してあげたい」

2020/01/21 13:00


Reol のサウンドは、ものの数秒で虜になってしまう。MVもそう。美しさとHAPPYと狂気とでたらめが交錯する豊かなパフォーマンスとビジュアルに釘付けになる。

1/22リリースの2ndフルアルバム「金字塔」は、Reolの「今」を感じられる贅沢な作品に仕上がった。
Reolって本当にいるの?幻想なのでは?と思うほど時代の先を走り、聴く者の耳に新たな刺激を残す。

アルバム「金字塔」の世界が繰り広げられるReol Japan Tour 2020『ハーメルンの大号令』、名古屋は2/29(土)ダイアモンドホールにて!

アルバム制作について、ライブについてReolに話を聞いた。
目の前にReolがいた、幻ではなかった。



1/22に2ndフルアルバム「金字塔」をリリース!

「“まだ聴いたことのない” “自分が聴いてみたい音楽”を誰も作ってないから、自分で作ってる感覚です」


――アルバムタイトル「金字塔」の意味を聞かせてください。

昨年3月にリリースした4曲入りの「文明EP」を布石としてアルバムを作りたかったんです。タイトルに「金字塔」を付けることで伏線回収が出来ると思ったのと、これをタイトルにしたアルバムを作ってみたい想いが漠然とあって。もともと今までアルバムタイトルを漢字3文字にする縛りが自分の中にあったから、今回もやってみました。

――歌詞を見ずに聴く/歌詞を見ながら聴くのとでは曲それぞれの印象が変わるのも面白い。例えばタイトル曲「金字塔」の出だしの♪ワン、なんじ♪を歌詞カードで見たら、「1.汝、」と記してあって衝撃を受けました。

「耳で聴いたときの音」と「言葉」を区別して考えてるというか、言いたいことを表現する行為は作詞までで一回終わるから、「文字通りに聴こえるように発声しよう」とか「感情を込めよう」みたいなことは、わざとらしく聴こえちゃうんですね、自分の場合は余計に。だから、歌のアプローチは曲ごとに変えてるし、歌詞も敢えて「聴き取れなくてもいいや」って。

――「un,deux,trois」で芥川龍之介を「芥」ってさらっと表現されていたり、思ったよりも漢字がたくさん使われていて、意外にも英語が少なく、しかも簡単な英語しか使っていない。この「耳からの情報」と「目からの情報」のギャップが楽しいから、配信よりもCDを購入して歌詞を確認することをお薦めしたい気持ちでいっぱいです。

英語に関しては意識的にそうしています。リスナーの層が海外勢も多くなってるけど、自分にとっての第一言語は日本語で、日本語のまわりくどい部分も含めて好きなんですね。日本語ってズバッと表現する言葉が少ないじゃないですか、抽象的すぎるというか。その趣に魅力を感じてるから、そういった引き出しをいっぱい開けられたらいいなって。

――古典的な言葉をナチュラルに表現されているから、Reolさんご自身に染み込んでいるのだと感じました。

その辺りの知識は中学、高校時代に学校の図書館で全部読んだんですよ。その頃を思い出しながら、学び直しながら書きました。孟子とか、あの時代の言葉のイメージが勝手に「金字塔」にあったんですよね。現代の金字塔っていうよりかは、古代への憧れがあって、伝統がすごい好きだから、そういう部分を音楽に引っ張ってきたところがあります。

――曲ごとにテーマパークのアトラクションのようなスリルと非現実感を味わわせてもらった中、最後の「1LDK」でリアルなReolさんに出会って、心の奥を見せてもらった気がしました。

等身大の自分を書く行為は意識しないと出来ないです。恥ずかしいし、書いてるときに「自分ってそういう人間なんだ」って可視化されていくのが嫌だから避けがちなんですけど、そういう曲をアルバムの最後に入れたかったんです。あと、新しいことを始めたり、違うことに興味を持って色んなことに手を出すのは簡単だけど、「続けること」ってすごい難しい、難儀なことだなと感じていて。「自分は音楽で生きる」って決めて「それを続けなければ」っていう確固たる意志はあっても、やっぱり音楽じゃない部分で音楽を嫌いになりそうになるんですよね……人間関係とか作品の扱われ方とかで。ぜんぜん音楽的じゃない部分で大切なことを忘れそうになる中で、「1LDK」は「なんで音楽しようと思ったんだっけ?」「なにに憧れてこうやって曲を紡ぐことを始めたんだっけ?」っていうところに一度帰るために生まれた曲で、アルバム「金字塔」の礎なんです。


「Gigaの海外DJ的なエレクトロなトラックに対して、すごい日本人マインドのわたしのメロディが乗ってるのが面白いのかな」


――時代の先を行く耳に鮮やかにキャッチーに届くサウンドは、どこから生まれるのでしょう?

トラックメーカーのGigaとは7年前からのつきあいで、その頃からいっしょに音楽を作ってるから阿吽の呼吸になってきたけど、最初のうちは通ってきた音楽性がちがいすぎて……わたしは音楽にエモーショナルを求めて歌謡曲的なものを聴いたりしてきたけど、Gigaはケシャとかが好きで音としてのサウンドをすごい聴いてる。っていうところでたまたまクロスオーバーしたから、わたしの作りたい音がぜんぜん伝わんなくて、その頃はわたしも音楽的素養がめちゃめちゃあったわけじゃないから「なんか違う」としか言語化出来なくて。結果、歩み寄るためにお互いのフィールドの音楽を聴いて、それでやっと最近……でも、まだまだですけど、Gigaの海外DJ的なエレクトロなトラックに対して、すごい日本人マインドのわたしのメロディが乗ってるのが面白いのかなと思ってます。海外志向なクラブミュージックを作ってる子とか、日本の90年代とかに憧れて歌謡曲やフォークを作ってる子もいっぱいいるけど、わたしはそれを敢えてミクスチャーにしたい。“まだ聴いたことのない” “自分が聴いてみたい音楽”を誰も作ってないから、自分で作ってる感覚です。

――メロディに捉われないで自由に言葉を詰めてグルーヴ感を出しているのもカッコ良い。サウンドも歌詞もビジュアルも含めて、この新しい感覚にわたしも追いつかなきゃって思いました。

わたしも先人達がやってきた音楽に憧れるし、椎名林檎さんが好きで、林檎さんの音楽のルーツにも興味を持ってブランキー(BLANKEY JET CITY)やミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)といったあの時代の音楽もすごい好きだけど、自分はベンジーじゃないしチバさんじゃない。憧れをアウトプットしてもそれを超えることは絶対に出来ないわけだから、“自分の世代にしか出来ない” かつ “自分が歌うことに意義のある言葉じゃないといけない”という思いから、図らずとこういう形になった……みたいな。

――歌詞に椎名林檎さんの影響を少し感じますが、明らかに違う、新しい音楽です。

さっきおっしゃった「ブックレットで歌詞を見てほしい」っていうのをわたしも思ってて、視覚的美学というか、並んでる言葉の美しさを意識するのは、多分、林檎さんエッセンスなんだろうなって思いますね。改行とか空白とかすごいこだわってて。


トラックメーカーは盟友Gigaに加え、ケンモチヒデフミ、Masayoshi Iimoriが参加。「この3人が集まることが文明的だなって」


――ご自身で作曲される場合は、どんなふうに音づくりをしましたか?

「ハーメルン」はケンモチヒデフミさん、「insider」はMasayoshi Iimoriさんを招いて今回初めてご一緒して、最初にトラックを作ってもらうところから始めました。Masayoshiくんとは作り方がちょっと変わってて、リズムのループだけをもらって、そこに調とかも気にせずにわたしが勝手にメロディを作って、コーラスを当てて、ヴォーカルデータをがっつり作り込んで投げたものに対して、アレンジを詰めてもらいました。ケンモチさんは逆にアレンジがある程度までは出来てる1分ぐらいの尺のサウンドをもらって、こっちで切り貼りして好きな構成にして、投げて、それをさらに清書していただくみたいな形で進んでいきました。「1LDK」は私がふつうに打ち込みしたものを送り合いながら、ブラッシュアップしていきましたね。

――Gigaさん、Masayoshさん、ケンモチさん、それぞれのサウンドのちがいは?

エレクトロサウンドっていう部分では同じ土俵かもしれないけど、3人とも持ち味がちがう。Gigaはポップス的なんですよ、すごく。ラップとかを取り入れるけど、ニッキー・ミナージュとかケシャとかケイティ・ペリーとかみたいに、ちゃんとメロディがあってサビがあるものが好きだから、そういうトラックが向いてる。Masayoshiくんはヒップホップっていうか、クラブシーンとかサウンドクラウドから出てきたから、突拍子のない……ポップスにない音、敢えて浮く曲を作ってほしくて呼んだので、ゴリゴリにラップ調です。ケンモチさんはポップス的ではあるけど、Gigaほどメロディに固執していないというか、ケンモチさんがプロデュースをしている水曜日のカンパネラのように言葉を乗せてもOK、それにメロディがついててもOK。それでいてウエットなんですよね、水の中みたいな音でGigaよりも民族的。この3人が集まることが文明的だなって。

――コーラスワークも気持ち良かったです。

めちゃめちゃ自由にやってます。メインヴォーカルのレコーディングは生かすも殺すもそのときの声で決まるから「本当に今日で良かったんだろうか?」とか、途中まで録り進めても「今日よりも明日のほうが声が出るのでは?」「明日の声色のほうが良かったのでは?」とかいろいろ思うけど、コーラスは積んでいくだけだからいちばん楽しいです。


Reol Japan Tour 2020『ハーメルンの大号令』

名古屋は2/29(土)ダイアモンドホールにて!


――ところで、名古屋のファンの印象は?

2015年ぐらいからライブ活動をスタートして、名古屋は2018年に初めて来ました。来る前は「名古屋のお客さんはノリが悪いからね」みたいなことをイベンターさんがみんな言うから、「こっちが上げていくようにしないと」って思ってたけど、2015年からずっと待っててくれたお客さんばかりだから、むしろ全然やりやすかったです(笑)。

――ひとりで大勢のお客さんの前に立つのは怖くないですか?

人前に立つことの怖さはないです。生まれて最初の習いごとがピアノで発表会があったし、そのあとマーチングバンドに入ってトランペットのソロを吹いてた頃のほうが怖かったです、採点されていたから。今は狡いっていうか、ワンマンライブだと自分を好きなお客さんばかりいらっしゃるから(笑)。たまに辛口のお客さんもいて指摘されたことが図星だと「次までに鍛えておきます!」っていう感じになります(笑)。なにかを期待して足を運んでくれるお客さんに対して半分は満足させて、半分は裏切っていかないと、ライブを観に来る意味がない。想定したものをやられても、わたしだったらリピートしないです、「こういう感じかー」ってなるから。自分はいい意味でそれを裏切る演出を毎回出来たらいいなと思っています。

――2/29(土)ダイアモンドホールはどんなライブになりそう?

2019年は単発ライブで試験的なことをやったりしてたけど、今回はアルバムツアーなのでアルバム「金字塔」の楽曲を思う存分具現化してあげたい。あとは、金字塔っていう建物をアルバムとしてるので、金字塔への凱旋パレード……文明を経て金字塔が出来上がったところで「次にどこへ連れて行きましょうか」という意味でツアータイトルを『ハーメルンの大号令』にしてるから、御布令(おふれ)なんですよね、これは。そうであるからには集まっていただかないと(笑)。

――では最後に、東海地区のみなさんにメッセージをお願いします。

名古屋にライブする機会が設けられるようになったのも、ほんとここ数年なので、今から来ていただければ「最初の頃からReol観てるよ!」って言えるので、ぜひ、古株さんになっていただきたいです。あと、わたし的にはライブをする場所は問わないっていうか、“ステージをパッと開いて、ひとがいて”っていうところで常にやってるので、野次馬的に観に来ていただいても楽しいと思う。エレクトロサウンドは日本人にはまだまだ馴染みがない感覚かもしれないけど、「こんなに面白い!」ことを知ってほしいし、わかりやすいメロディがそこに乗っかっているので、この文明にどんどん参加してほしいです!


インタビュー・文/早川ひろみ



New Album 「金字塔」 2020.1.22 Release

Reol Official Website >> https://www.reol.jp
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ライブ情報

【振替公演】Reol
【振替公演】Reol Japan Tour 2020 ハーメルンの大号令

2020/07/30(木)
ダイアモンドホール
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