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「制作やライブでの偶然性が好きでバンドをやっている」

2020/01/08 15:00


「制作やライブでの偶然性が好きでバンドをやっている」


12月11日に1stアルバム「PURE」をリリースした、Co shu Nie(コシュニエ)。声の表情で魅せる切ないヴォーカルと繊細でカオスなサウンド、シーケンスで華やかに彩る独創的な世界観が特色の3ピースバンドだ。2018年6月にテレビアニメ『東京喰種トーキョーグール:re』のオープニングテーマ「asphyxia」でメジャーデビューを果たすと、次々とテレビアニメのテーマ曲を手がけ注目を集めるバンドとなった。満を持しての1stアルバムはこれまでの3人の歩みだけでなく、どこまでも音楽に貪欲な姿勢を詰め込んだ一枚に仕上がっている。制作過程を中心に、楽曲へのこだわりやバンドという形態へのこだわりを中村未来(Vo, G, Key, Manipulator)は語ってくれた。



「今回も妥協はせず話し合って詰めた」


――満を持しての1stアルバムとなります。どんなイメージで取り掛かられましたか?

メジャーデビュー曲「asphyxia」から出してきたシングルを含んだアルバムを作るというスタートだったんで、そこの世界線にしようと考えました。コシュニエという色を濃くすることを追求したから、コンセプトとしてはエモーショナルな部分をさらけ出したアルバムになっていると思います。今まではゼロからスタートして書くことが多かったので、こういう作り方は初めてでした。でもこの一年で作り上げてきたものがあまりバラバラではなかったので、ちょこっと新しいスパイスを加えつつ、素の自分でいられたように感じています。

――アルバムを作るという想定はしていなかったけれど、実は繋がっていたという発見があったんですね。

これまでの自分の行動を思い出した時に、あの時はこうやって思っていたな、わがままだったなと(笑)。だから今回も妥協せず詰めましたし、メンバーと共有してる感性も込められてると思います。いつも通りスタジオだけでなく自分の家でも作りました。例えば「inertia」は生々しさが欲しかったから砂を踏む音を録ったり、打楽器として生まれてきたものじゃなくて工具を叩いたり。さらに叩く場所によって音が全然違うから、そういうシビアさを緊張感として閉じ込めることができました。

――そういったアイディアは、制作を進めていく中で突発的に生まれたりするんですか?

もう曲を作っている時点で、こうしたいってのがあったので、それをメンバーに伝えていました。ビンテージエフェクターを使ったり、打楽器以外のものでリズムを作ったり。あとは……「gray」でドラムとベースがコーラスを歌いましたね。2人とも柔らかくて優しい声なんで、歌っていただきました。これまでにもベースの松本はちょっと歌っていたけど、ドラムの藤田の歌声は聴いたことなかったんです。でも松本が歌う曲を一緒にやるにつれてどんどん上手くなっていくから、藤田もいけるんじゃないかなって提案したら「いけますよ!」ってやる気満々に取り組んでくれた。みんな楽しむことに重点置いてるんですよね。だから前向きに“やってみよう”と出来ています。


「コミュニケーションに重きを置いている」


――制作は基本的に中村さんの提案から進んでいくんですか?

そうなんですが、作る前に3人で「今どういうモード?」と話したりもするんですよ。すると今ハマってるフレーズを教えてくれたりして、そこからは湧いてくるものもある。「bullet」の最初のベースリフももらって“いいな”と思って作ったんですよね。

――言葉でのやり取りから生まれてくるんですね。

バンドとしての価値と存在は音楽的コミュニケーションでもあるので、めっちゃコミュニケーションとります。自分の中で重きを置いてますね。うちのメンバーはみんなそうだと思う。何か問題が起きても、誰かに悲しいことや嬉しいことがあっても話します。ただ「話し合いましょう、はい!」というのではなくて日常的に話すんですよね。そうやって普段での会話があることで、私が曲を持って行った時は「やりましょう」と決まって、すぐその曲をどうやるかと進んでいく。今までに「ちょっとこれは……」という返事は全くなくて、2人は「私が出してきた曲が僕らにとっては今やりたいことをやったことが多い」と言っていたんですよね。好きな音楽もルーツは違うのにお互いに似ていて同じものを好きなこともあるけど、やっぱり話すことが大事だなと感じています。

――メジャーデビューして様々な経験からの影響は、制作においてありましたか?

ありましたね。でも普段から変化が欲しくていろんな作り方をするので、変化はあったけど日常茶飯時の感覚です。これといった決まり、これが私の作り方みたいなのは特にないんですよ。デスクトップミュージック(DTM)を使ったり、ピアノでコードを決めたりすることは変わらないけど、あとは自由。新しい何かを発見したら、それを自分で試したくはなりますね。


「プレイヤー2人はすごく価値の高い存在」


――中村さんの中で曲の完成形があったと思いますが、制作の過程で想像とは違う方向へ進んでいくとこはありましたか?

それが好きでバンドをやってるんですよね。一人でゴールを決めてやるとコントロールできすぎてしまうから、どうしても偶然性が少なくなってくるじゃないですか。「CREAM」は生ドラムでやろうと思っていた中で、“ドラムのセットをミニマムにしたい“という藤田の提案から3人で試行錯誤して決まっていったし、「inertia」も“ベースの歪み感を作るにはFUZZ(ファズ)がいいな”と言ってたんですけど、松本もそう思っていたようで話し合っていくうちに行きつけの楽器屋さんからエフェクターを何個も借りてきて全部繋いで試したりしました。最初のイメージに色付けされることでまたインスピレーションが湧くし、2人がプレーすることによって明らかに私の頭の譜割よりリズムの感じ方が細かくなる。どんどん接着面が広くなって、想像以上のものになりますね。

――“バンドでやることへのこだわり”があるということですね。

2人ともいいプレイヤーで、すごく好きなんですよ。一緒に絶対バンドを続けていく指針はそこにありますね。最初は松本と出会って“なんていうプレイヤーなんだ!”と感じたことから始まったんですけど、藤田も絶対に一緒にやりたいと思って2年間口説いてた。「待つよ」って口説いて、ようやくメンバーになって。私にとってプレイヤー2人はすごく価値の高い存在なんです。

――ライブに臨むスタンスとしてはどうですか?

常に120%出せる状態になりたいと思ってますね。100%出そうとしても80%しかぐらいしか出せない。それが限界だから何か解放する必要を感じて、ライブは普段喋ってる空気感とはみんな違うし、完璧にしようというのは不要。ライブはお客さんが楽しんでくれる場だし、自分たちの音楽と、来てくれる皆だけの空間です。でも不要な感情――欲みたいなのが出たら全然違う方向に行ってしまう。カッコ良く見せる為に上手く弾こうというようなものはステージ上では取っ払って、一つになれるようにやります。

――来年にはツアーが控えています。

アルバム自体が“凛として生きていけるように”というテーマがあるので、ライブでもそういう気持ちになってくれたら嬉しいです。ライブハウスは特別な世界やと思うからこそ、ワクワクしたり出来る特別な体験をして欲しい。またCo shu Nieの歌が私の曲じゃなくて、みんなの曲になればいいですね。


インタビュー・文/笠原幸乃



1st Album 「PURE」 Now on sale

Co shu Nie Official Website >> https://coshunie.com
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Co shu Nie
Co shu Nie Tour 2020 “PURE” - who are you? -

2020/02/02(日)
E.L.L.
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