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「点と点が線に繋がっていくのが、フレンズのいいところ」

2019/11/18 16:00
9月25日に2ndプチアルバム「HEARTS GIRL」をリリースした、フレンズ。“神泉系”バンドの彼女たちが“プチアルバム”をリリースするのは、2017年11月に発売した「プチタウン」以来、約1年10カ月ぶりとなる。今作には主に曲を作り続けていたひろせひろせ(MC,Key)だけでなく、三浦太郎(Gt)や関口塁(Dr)が手がけた曲を含め全6曲を収録。えみそん(Vo)の発案により“発芽”をテーマに掲げた一枚はバリエーション豊富な曲が集まり、またそのテーマから自然と向上心が生まれ、来年迎える結成5周年へと向かうフレンズの道のりを繋ぐ作品にもなった。ひろせひろせ・えみそんの2人に、今作について語ってもらった。



「フレンズとしての培ったものを届けたい気持ちから、“発芽”が頭に浮かんだ」


――今作はどのように制作を進めていかれたんですか?

ひろせひろせ:今回は2ndプチアルバムのリリース時期よりも先に、ワンマンツアーを11月から始めることが決まっていたんですよ。来年はフレンズにとって結成5周年になります。NHKホールでのワンマンライブやいろんなタイアップ曲の制作などを経て、来年にかけてのワンマンツアーが始まる。そんな風に5周年に向けて駆け上がっていこうという中でどういう作品が作れるかなって、えみそんにテーマを聞いたら“発芽”だと言われたんです。

えみそん:この4年間を活動してきて、もっとフレンドを広めたいなという気持ちがどんどん強くなってきたんです。だから、結成してからの4年間でみんなそれぞれがフレンズとして培ったもの――知識や技術をいろんな人に届けたいと考えた時に、自分たちの芽を出したいということで“発芽”が頭に浮かんだんです。

ひろせひろせ:じゃあそれだったら単純にフレンズの作品としていいもの作りたいなと思って、俺が作った曲とか関係なく、みんなそれぞれが作った曲を出し合いましょうと制作をし始めたんです。えみそんももちろん、ギターの太郎さん、ドラムの塁さんも出してくれて、「この曲入れたらいいんじゃないの?」と投票制のようにみんなで話して選曲していきました。

えみそん:またワンマンツアーが先に決まってたこともあって、そのツアーでみんなの成長によってお客さんとより一体になれるような一枚を作りたいなと思ってもいました。そんな気持ちにも“発芽”というテーマが当てはまるなと感じたんです。

――ワンマンツアーが先に決まっていたからこそ、“発芽”というテーマになったんですね。

ひろせひろせ:そうですね。今回のワンマンツアーは、例えば名古屋なら名古屋市公会堂というように、フレンズにとってはチャレンジなキャパシティです。ただそういった会場においてライブをすることは、今年のNHKホールでのワンマンライブでの経験があったからこそ臨めることでもある。お客さん一人ひとりに席があるホールというところでライブをすること、自分たちの伝え方というのはNHKホールのワンマンライブですごく勉強になりました。それをちゃんと塗り替えられるようなものにしたくて、「じゃあどういう曲を書けばいいんだろう?」と制作に向かっていったんです。

――NHKホールでのライブにおいて勉強になったことというのは?

ひろせひろせ:フレンズの最終目標は東京ドームでのライブなので、東京ドームでライブしてる人達にあるものってなんだろうとより考えるようになりましたね。フレンズとして何を届けられるのか、メンバーとしてそれぞれの役割としてできていることは何か、それらをちゃんと見てライブするのが大切だなって思ったんです。だからNHKホールが終わった後は「もっと出来たよな……」という気持ちになりました。でもその後の6月にメンバーのそれぞれが青春を過ごした場所でライブを行う「青春チャレンジツアー」をやって、初日の池袋は1日3回ライブをしましたね。

――大変! アイドルのコンサート並ですね。

ひろせひろせ:しかも全部違うセットリストにして、ほぼ全曲を演奏したんです。だから1部で反省したことが2部で活かされることはなくて、もう1部は1部、2部は2部と考えていましたけど3部とも全部楽しかった。あれはいい経験でしたね。さらにほぼ全曲やるために、みんなでメドレーにする作業をしたんです。大変でしたけど、「俺たちの曲っていいじゃん」って今までフレンズにおいてリリースした自分たちの曲と向き合うことにもなったんですよ。そういったことを経た今年の集大成がこのプチアルバムとツアーになってくるのかなって思えたりもする。後付けにはなりますけど、結果的に点と点が線で結ぶ形になっているんですよね。

――「HEARTS GIRL」は自分たちの曲を振り返ることで出来上がった作品でもあったんですね。

えみそん:メドレーや3部構成にしたのは、まずみんながフレンズというものを自分たちからの目線で度胸をよりつけるようにして欲しいなって思ったんです。さらにフレンズは全曲がいい曲だからこそ、初めてのお客さんも昔から聴いてくれているお客さんも両方が楽しめることってなんだろうと考えたら、30分という限られた時間の中でどれだけいろんな曲を聴けるのかチャレンジするものにしたくて。それを経験してからの今作だったので、フレンズに向き合ったことが繋がってるのかなと思いつつ、みんなの良さが出たものになりました。


「『バラバラなのもいいな』と思いながら進めていた」


――リード曲「take a chance」は聴く人の背中を押す“応援ソング”となっていて、フレンズにとっては新しい方向性の曲ですよね。

えみそん:この曲は一緒にご飯行くほど仲のいい友達がフレンズを好きで、「通勤中に聴いて元気もらってるんだよね。すごい疲れていても『塩と砂糖』を聴いて帰ったりしていて。いつもありがとう。もっと応援して欲しい」と話してくれたのがきっかけなんです。その子が職場に行く時や帰る時に、明日や今日がより輝けるような曲を作りたいと思って取りかかりました。「実はあんたのために作ったんだよ」ということを伝えたら「毎日聴く!」と言ってくれたし、しかも聴いてくれた時は長文で感想を届けてくれたりもして。熱いリアクションが返ってきて、作って良かったなと思いました。でも毎日辛いことって、その友達だけじゃなくて私もある。もちろんフレンズを聴いてくれているたくさんの人にも。だからその人たちにもこの曲が届くといいなと思います。

――えみそんさんが抱いていたイメージの共有は最初からされていたんですか?

ひろせひろせ:いや、そうではなかったですね。「take a chance」は伝えることが明確にちゃんとあるというフレンズの曲でメッセージ性の強い曲だと、この曲を聴いて感じたんです。そういう曲ってフレンズにとって実はあまりないし、もしかすると核心をつく曲なんじゃないかなと考えて、同じコードがずっと繰り返される曲にしたいとアレンジし始めました。ループさせることによって、同じことを繰り返す毎日の生活や歩いている場面が連想されて、これを聴いて前に向けるような気持ちになるんじゃないかと思ったんです。だから歩く時のテンポ感も意識しましたね。ずっと同じことの繰り返しをしてるけど、メッセージとして一つ核心をつくことを伝えているというのは、フレンズでやってなかったし、個人的にもチャレンジした曲ですね。

――そのイメージの中で参考にした音楽はありましたか?

ひろせひろせ:全然なかったです。自分の頭の中で鳴っている音を形にしました。みんなが演奏する音を想像してはいましたけど、レコーディングスタジオで鳴らす音で自分の頭の中で鳴る音が変わったりもしたので、レコーディングしてる時にみんなは完成形が見えてなかったと思いますね。実は先にサビを録って、後からAメロを録ったりして、レコーディングする順番もバラバラなこともあって、完成してメンバーはやっと「こういうことをしたかったのね」と全体像を知ったんじゃないかな。

――部分的に録っていったのはなぜですか?

ひろせひろせ:単純に曲を覚えてなかったんです(笑)。同じ日に「Nothing」を一緒に録ったりしていて、かなりレコーディングがタイトだったんですよ。その中で「take a chance」についてメンバーそれぞれが「これってあれ意識してるでしょ?」と話すのもバラバラで。でも「バラバラなのもいいな」と思いながら進めていました。

――ひろせさんはパズルのピースを全部はめた完成形を知っているけど、他のメンバーは自分の演奏がどのピースになるのかすらも分からないという状況だったんですね。

ひろせひろせ:そうなんですよ。ただこの方法が良い時もあるし、ダメな時もあって。しかもこれまでにダメな時は何回もありました。だけど「take a chance」に関してはデモを送ってみんながバラバラなことを言ってきた時点で、これを擦り合わせること自体がもったいないなと思ったんです。「それぞれの思ったことを入れましょう」と全部入れて一つの曲としてまとまったし、実際リード曲を決める時にみんなブレないで「これにしよう」と意見が合ったし、結果的にこの方法で良かったと感じていますね。

――フレンズにとって新しい方向性の曲を世の中に出す、ということに不安はありませんでしたか?

ひろせひろせ:みんなフレンズのことを信じてるし、「違うよ」と周りから言われても「まあフレンズだからね、こっちは」と思っていますね。フレンズが作ってるものだから、違うとかはないからっていう。この曲をえみそんは友達に向けて歌っているけど、俺たちに対して歌っている曲でも絶対にあるから、自分たちにも響く曲でもあります。えみそんの気持ちがフレンズの気持ちに繋がっていく、まさに点と点が線になっていくのがフレンズのいいところかなって思うんですよね。だからこそ自信持って出せた曲なんです。


「みんなでどのように輝けるのか、それが楽しみ」


――三浦さんが作られた曲「0:25」では、関口さんが歌われていますね。

ひろせひろせ:本当は俺が歌うところだったんですけど、なんか違うなと感じていたらえみそんが「塁くんが歌うのはどう?」と提案してくれたんです。それも「“発芽”じゃん!芽が咲こうとしてるやん!」となりましたね(笑)。塁さんが嫌だと言ったらできないですけど、「塁さんどうですか?」と話したらノリノリでブースの中に入って行ってくれたんですよ。積極的に「どうすればいい?」って、えみそんに聞いていて。塁さん自身がすごく楽しんでくれたから良かったですね。

えみそん:新たな塁くんのイケボが世に出せてすごく嬉しいです。みんなでカラオケに行った時に、塁くんがYogee New Wavesの曲を一人で歌って、その時の声がアンニュイでスイートなボイスをカラオケに響かせていて。塁くんって甘い声で歌うんだなって、すごい印象に残っていたんですよね。ドラムボーカルを今までもやってなかったと思うんですけど歌ってみてもいいんじゃないか、この歌声をみんな聴いた方がいいんじゃないかと思っていました。

ひろせひろせ:もうすでにライブで何回もやってるんですけど、塁さん自身が上手く歌いたいと思っているのがいいなって。ちゃんと歌えるようになりたいというのは、ボーカルに対して意欲がなかったら生まれない感情じゃないですか。塁さんがちゃんとこの曲を自分のものにしたいと思ってくれているのが、早速“発芽”してるなって感じています。

――確かに! 自然と向上心が生まれているんですね。

ひろせひろせ:「どこで息継ぎすればいいんだろう?」とか試行錯誤していて、それがすごく良かったなって思います。だから、あと歌っていないのは涼平さんなんで、涼平さんに……でも嫌がるんですよ。「そういうのをやらないためにベースを弾いてるんだよ」と言っていて。でも次のアルバムに乞うご期待!ということで(笑)。

――ぜひ、次作に期待しています(笑)。そうやってメンバーが前向きに取り組めたのは“発芽”というテーマがあったからこそでもあり、バンドの雰囲気がそうさせているのもありますよね。

ひろせひろせ:フレンズのバンドの雰囲気がそうさせているのがかなりデカいと思います。なんでもありっていう意味ではなく、フレンズとしてすごくいいものができるんであればと、みんなが想像できやすいんですよね。

えみそん:だからライブでやってみて、個々の成長がどのようにフレンズとしてのかたまりとして輝くのか、それが楽しみです。「HEARTS GIRL」が完成した今はこの人が成長したなという実感よりも、みんなでどう変わるかという楽しみの方があります。

ひろせひろせ:目標の東京ドームに向けての歩みは、ゲームでのRPGで言うと一つの街をそれぞれクリアしていく感覚にも俺はなっちゃうんですよ。今回のワンマンツアーは名古屋市公会堂をはじめ、様々なところでライブができるのがとてもありがたいので、これからのフレンズをもっと期待してもらえるようにいいライブにしたいです。そのライブでたくさんの人に見てもらって、東京ドームでライブをやる時には全国の人が応援に来てもらえるようなバンドになってきたいですね。


インタビュー・文/笠原幸乃



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フレンズ Official Website >> https://www.friends-jpn.com
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