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10thアルバム「By Your Side」をリリースしたNothing's Carved In Stone 村松拓にインタビュー!

2019/10/31 15:00

9月25日に10thアルバム「By Your Side」をリリースしたNothing's Carved In Stone。今回はフロントマンである村松拓(Vo, G)にインタビュー。彼の脇を固めるのは、ELLEGARDENの生形真一、ストレイテナーの日向秀和、FULLARMORの大喜多崇規と錚々たるメンツ。昨年はバンド結成10周年の武道館公演を成功させ、今年は自主レーベルを設立するなど、バンドは充実した季節を迎えている印象だ。メンバーそれぞれが強烈な個性を放ちながら、ひとつの音楽としてインパクトを残すーその持ち味はそのままに、どこか人の体温が感じられる今作について語ってもらった。



「自分が救われた音楽やライブに、もっともっと近づいていきたい気持ちがある」


――今年はTREASURE05Xにも出演されましたが、オーディエンスに向けた「おじさん達が汗水たらしてバンドやってる理由、わかる?わかんないよね?」っていうMCがとても印象的で…。

あれね!色んな人に突っ込まれました。“わかるわけねーじゃん!”って(笑)。

――「自分も昔はわからなかった」とおっしゃってましたね。

そうですね。作品に込めるものって、自分たちが求めてる音像とか、どんな作品を作りたいとか、芸術作品に近いところがあると思うんですけど、それをエゴイスティックに生み出して証明みたいなことをするのは、もういいかなって。それはやっぱり、特に思春期とか――今もそうですけど、音楽を聴いたりライブを観たりすることで、自分が救われる瞬間が何度でもあったからで。そういうものに、もっともっと近づいていきたいという気持ちは年々くっきりしてきてますね。

――それは何かきっかけがあったんでしょうか?

去年開催した10周年の武道館公演で再認識した部分もあるかもしれません。“音楽が好き”って、感性というか、感覚じゃないですか。それが僕らと似てる人たちがいて、こんなに仲間がいたんだと思えたし、もちろん自信にもなったし、それに対する感謝もすごい芽生えたし。前からあった気持ちですけど、より強くなった気がします。

――今年2月には自主レーベル「Silver Sun Records」も設立されました。

何もかも初めてなんで、バンド始めた頃にどうやって曲書くかかみたいな、みんなでどうやって曲作ろっかーみたいな、その空気感が改めてバンドにありますね。全てが自分たち次第で、誰もケツ拭いてくれない、腹くくってやるしかないので。よりリアルだし、すごく楽しめてます。

――その空気感はアルバムにも反映されてますか?

このアルバムは独立してからの制作だったので、音の環境もガラッと変わりました。以前はレコーディングスタジオも前の事務所が持ってた場所で録ってたんです。レコーディング環境が変わったのはすごい開けていく感覚があって、そういう空気が作品に影響してると思います。

――ナッシングスのサウンドって硬質な印象がありましたが、今作は一つひとつの音がより立体的に聴こえますよね。

今回一緒にやっていただいたエンジニアさんが、MAN WITH A MISSIONとかThe Birthdayとか西野カナさんとか、本当にいろんなアーティストを録っていて。音を立体的に聴かせるのがすごい上手い人なんですよ。最初にシングルの「Beginning」を録った時に、僕らの理想としてる音に想像以上に近かったんですよね。

――なるほど。

今回の挑戦としては、どっちかっていうと音を抜くことでした。なるべく抜いて、よりシンプルにしていく。構成もプログレッシブなものではなく、普遍的なものになるといいなと思って。僕はギターをバッキングだけに徹したり、あまり主張しないようにしたんです。生形のギターがすでに個性としてあって、そこで十分アレンジもきくので、僕は歌にかけてみて。特に話しあった訳じゃないけど、4人とも曲に寄り添う姿勢みたいなものがありましたね。


「『Music』のサビの歌詞が書けて、漠然とアルバムのストーリーが見えた」


――「By Your Side」というアルバムタイトルが象徴的ですが、コンセプトありきで進めてたんでしょうか?

いや、昔から曲の作り方は変わらなくて、一曲一曲シングル作るときみたいに、セパレートして考えてますね。ただ歌詞に関しては、漠然とですけど「By Your Side」のタイトルに繋がるようなものをメッセージとして込めたいっていうのは最初からありました。

――1曲目「Who Is」からいきなり複雑で迫力があって、これぞナッシングスという印象です。

僕らが一番得意なものだと思うんですよね。個性を出し合って、リズム的に多少難しいアプローチしてても、あまり難しく聞こえないというか。それは得意としてるので、意図的にやりたいと思ってますね。ロックのバーンと音出した時の塊感、こん棒でバッと殴られたみたいな爆発力ってあるじゃないですか。そういうのはずっと持ってたいので。

――英語詞と日本語詞が半分ずつですが、作り方の違いはありますか?

基本的には変わらないですね。でも日本語って“かきくけこ”とか、一音一音はっきりしてて硬いから、どうやってフロウさせていくかっていうのは特に考えるかも知れないですね。英語の方が韻も踏みやすいし、より音楽的になるところがある。でも最近の若い人たちの日本語の歌い方聞いてるとすごい自由で、“こういう可能性もあるんだな”って思ったりします。今作だと「One Thing」 みたいなはまり方の日本語とか好きですね。

――サビの音のハマり方がすごく気持ちいいですね。

日本語しかないと思うんですよね。そういうのは大事にしたいなと思います。

――ボーカルに関してなんですが、「Blow It Up」はクールでざらっとした質感ですよね。

今回、結構色んな歌い方してて。曲に合わせてその歌の表現の幅みたいなのは意識してたかもしれないです。

――ナッシングスって、こんなにメロディーが印象に残るバンドだったんだなって改めて感じました。

そうそう。この曲ちょっと変わってるじゃないですか。ラウドなアレンジだけど、ラウドになりすぎないロックな音で、途中でちょっと和メロが入ってくるみたいな。それにどうやってアプローチしていこう、歌詞書こう、どう歌おうか、みたいなのは試しました。

――他にもその作業が大変だった曲はありますか?

「Still」が難しかったかな。理想の形は頭の中にやっぱりあるので、どうやってやるのか何回も挑戦しないと見つかんなかったっていうのが。でも結果、自分の新しい一面を引き出してもらった感じがあります。

――特にお気に入りの楽曲はありますか?

う〜ん、今回のアルバムは全部好きなんですけど…「Music」は好きですね。サビで歌えるんですよ。歌えるって超大事だと思うんです。今までは“口気持ちいい”みたいな、歌ってみたら気持ちよくて、何となく歌の気持ちになれるみたいな歌詞を意識して書いてたんですけど、今回はよりストレートに、っていうのが僕の中のテーマだったので。歌って感情移入するとか、すごい上手くできたなと。あと、この曲が一番最初に書けたんです。

――そうだったんですね。

「Music」をアルバムで一曲目に作って、このサビの歌詞が書けて、漠然と「By Your Side」というアルバムのストーリーが見えたっていう感じがありますね。

――「Who Is」のナッシングス印みたいなもので始まって、最後に「Beginning」で終わるのは、バンドからの意思表示に感じました。

そうですね。でも最初は全然想像してなかったんです。曲の順番を考える時に、オニィ(大喜多)が「(Beginning)最後にどう?」って言うので、並べてみたら思いのほか良くて。この曲の良さが引き立つっていうか、シングルで聴く時と全然聴こえ方が違うんですよね。いつもアルバムはバラードで終わらせるのが好きなんですけど、今作はこれで一本の映画みたいに、「By Your Side」の筋が通ったかなって。


「オーディエンスと距離が近いライブにしたい」


――ナッシングスって絶対的なかっこよさがあるし、常にそれを期待されてると思うんですが、プレッシャーを感じたりしますか?

プレッシャー…ゼロですね(笑)。僕はどっちかっていうと自然でいたいタチなので。今の気持ちとしては、初めましての所にたくさん行きたいです。色んな人に会って、バンドの力でねじ伏せて「かっこいい」と言わせたい、ファンになって欲しいし、もっと色んな人に知ってもらいたいし、音楽も聴いて欲しいと思ってるんですよね。お客さんて正直で、定期的に人に会いに行くみたいにライブしに行かないと、ライブにもやっぱり来てくれないんですよ。今もあぐらかいてるつもりないけど、もっとこう、新人みたいにしゃにむに、やりたい。そういう気持ちでライブに臨んでます。

――今回のツアーで若手バンドと対バンを組んでるのは、そういう気持ちの表れでしょうか?

そうですね。単純に対バンて楽しいんですよ。自分がバンドにかけてるものが、対バンだとむき出しになって、試されるというか。それって世代関係ないなと思って、あえて普段交われないような若い世代とやりたいなと。ジャンルは結構バラバラなんだけど、ファンの人も嬉しいと思うんですよね。

――ツアーでは東海地方にもいらっしゃいますね。リスナーにメッセージをお願いします。

「By Your Side」っていうタイトルを付けた通り、みんなの手元に届いて、その先に完成があると思ってます。少しでも背中を押せたらいいと思うし、気分が滅入った時に少しでも明るくなってくれたらいいし、そういうふうに使ってほしいアルバムです。この作品を持ってのツアーになるので、オーディエンスと距離が近いライブに出来たらいいなって想像してます。さっき言ったみたいに、爆音で、こん棒でぶん殴るみたいなこともすると思うんですけど(笑)。エキサイティングでもあるし、あったかいライブにもなると思うので、そういうの期待して一緒に過ごしてもらえたら嬉しいです。遊びに来てください!


インタビュー・文/青木美穂



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Nothing's Carved In Stone Official Website >> https://www.ncis.jp
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2020/03/10(火)
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