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和洋アレンジ、バラード、疾走ロック。Qyotoの新作はドラマの世界観に寄り添った意欲作。

2019/10/24 14:00


中園の豊かな歌声とバイオリンが入ったバンドサウンドで一線を画すQyoto。
デビューからアニメのタイアップに恵まれ、5thシングル「花時雨/夏の雪」ではドラマの世界を盛り上げた。
和と洋を融合させた「花時雨」はQyotoの面目躍如たるところ。
一転して「夏の雪」は大人のバラードで新境地を見せる。
現役大学生である中園(Vo.)とHIROKI(Vn.)から、制作の背景やライブへの思いを訊いた。

メンバー/中園勇樹(Vo.)、HIROKI(Vn.)、TSUCHIYA(Gt.)、TAKUYA(Ba.)、KENSUKE(Dr.)、RYOTA.(Key.、Sax.)



中園「”君”を”あなた”に変えると雰囲気が変わりましたね」


――5thシングル「花時雨/夏の雪」に収録されている3曲はすべてドラマのタイアップですね。「花時雨」は『時空探偵おゆう 大江戸科学捜査』の主題歌。どのように広げていったんでしょう。

中園:「花時雨」に関してはお話自体が江戸時代にタイムスリップするというお話だったので、江戸の和と現代のロックを融合させたいなということで進めていきました。バンド名もQyotoって付けてますし、和を意識しました。

――和テイストといえば前回のシングル「君に伝えたストーリー」のカップリング「君に恋を、心に夏を」もそうですね。今回は音的にどうやってみせていこうと。

HIROKI:和らしさはギターだったりキーボードだったり、僕のバイオリンだとちょっと民族っぽく弾いたり。あと琴の音で表現しました。ドラムのビートとかベースはロックな部分で、それを掛け合わせました。

――詞はいつもながら共作ですね。

HIROKI:今回もそうですね。各々が書いてきて、合わせた感じですね。

中園:1番がHIROKIで、2番が僕ですね。

――そこがQyotoらしさでもあります。どうやって決めていくんですか?

中園:一度、両方が書いたもので歌ってみて、歌詞のはまり具合とかフレーズの良さなどをチェックしながら、みんなで話し合って決めてます。

――お互い書いてきたものの中で、おっ、ここのフレーズいいんじゃない?と褒め合うとしたら?

二人:(笑)。

HIROKI:恥ずかしいなあ。そうっすねえ。どこが好きかなあ。

中園:僕は、“不都合な真実”。

HIROKI:それゆうてくれてたね。その部分は元副大統領アル・ゴアさんの映画『不都合な真実』からイメージしたフレーズですね。

――ではHIROKIさんは?

HIROKI:僕は“『やってしまった後悔』と『やらずに終わった後悔』”がすごくいいなと思いました。過去に対する未練とか葛藤とか描いてる中で、このフレーズが歌詞全体をまとめてるなと。

――確かにそれぞれのフレーズはミステリータッチのドラマにはまってますね。

中園:よかった〜。

HIROKI:伝わってたようですね。次、言おうとしてたよね。科学捜査ミステリーなんでそれを意識した言葉にしましたって(笑)。

――今まではアニメのタイアップが多かったですが、今回はドラマ。実際にご覧になっていかがでしたか?

HIROKI:新鮮でしたし、江戸時代のセットなんで、それっぽいなって。

中園:最初サビから始まるんですけど、曲調の迫り来る感じが、事件を解決できるのかどうかっていうせめぎ合いの中でドキドキします。

HIROKI:次回予告の時にも流れるんですけど、僕はその時が一番テンション上がりますね。

――もしもドラマのようにタイムトラベルできたとしたらどこに行きたいですか?

中園:ええ〜っ!

HIROKI:僕いっぱいいますね、会いたい人。一番は尾崎豊さんですね。

――お好きでしたよね。お若いのに。

HIROKI:世代じゃないですよね。二人とも好きなんですよ。

中園:そうなんです。意外ですよねとよく言われます。

HIROKI:それで僕ら共鳴したっていうのもあるんです。で、どこ行く?

中園:まず未来にいくかどうか迷うよね。

――怖くないですか?

中園:知ってしまったら怖いですね。だとしたら過去の自分に会って、これはこうした方がいいよってアドバイスする。でも、それって『やってしまった後悔』なのか(笑)。

――MVも今までと違い、たくさんのダンサーを従えてますね。ハプニングとかありましたか?

中園:けっこう踊るんで、傘が破れちゃって。

HIROKI:和傘だったんで紙なんですよ。傘の露先が他の傘にささってて、傘の破片がいっぱい落ちてました(笑)。

――「夏の雪」は一転してバラード。『名もなき復讐者 ZEGEN』のエンディングテーマです。

HIROKI:僕ら今までは青春ソングを歌ってましたけど、今作では一転して復讐者のドロドロした感情だったりを、僕たちなりにちょっと背伸びして、大人っぽさを突き詰めて書きました。

中園:けっこうシリアスな感じですね。もがきながらも愛があるというか、ZEGENという主人公自体が、孤独の中でも愛があると感じたので、そこを表現できたらなって。

――サウンドはとてもドラマティックですね。

中園:今まで“君”っていうワードで誰かを表現してたんですけど、今回のシングルの「花時雨/夏の雪」では全部“あなた”に変えたんです。最初は“君”で歌ってたんですけど、途中で“あなた”にしてみいひんって。それによってさらに曲の雰囲気が変わりました。

――そういえば「花時雨」も“あなた”ですね。そして「夏の雪」も詞は共作です。

HIROKI:これは要所要所ですね。

中園:(歌詞を見る)

HIROKI:どこやろ。

中園:えっとねえ、前半がほぼほぼHIROKIですね。

――前半で言うと、“京町家と女の心は入口が狭い”。このフレーズ好きです。

HIROKI:めっちゃ嬉しいですねえ。こだわりポイントですね。でも少し伝わりにくいと思うんで説明させて頂くと、京町家ってうなぎの寝床と呼ばれ、入口が狭くて奥行きがあるんですよ。税金が間口の広さで決まってたからなんですけど、女性の心も奥ゆかしさがあるという。入口から入り込むのは大変だけど、受け入れてもらえたら奥深さがあるということで、深い愛情があるみたいな。

――正直、女性の心の奥深さまでは読み取れなかったです。

HIROKI:そこまでイメージしたんですけど、たぶん皆さんにはそこまでは伝わっていないようです(笑)。

――後半でいくと“人は孤独と愛の狭間をさまよう”の字余り的な感じで歌う部分が好きです。

中園:溜めてるところですね。そこもポイントです。

――最終的には二人の伝えたいことがちゃんとまとまるんですね。

中園:いつも違うことを書いてるようだけど、似てるところもあって。“アイシテル”をカタカナで書いて不器用さを表してるのがHIROKIの書き方で、僕は“愛”を漢字で書いてる。そこは統一させずに、一緒にしてお互いの色を出し合ってる。むちゃくちゃ合う時もあるし全然違う時もある。

HIROKI:ほんまに全然ちゃう時もある。

中園:そういう時はもう一回やり直す(笑)。

HIROKI:バラバラでも面白いんですけどね。

――ヴォーカルも大変でしたか?

中園:そうですねえ。

HIROKI:次の曲「僕の生きてる意味」が一番大変だったんじゃない? 歌い方も全然違うし。

中園:今までで一番ロック色の強い曲になったので、今までで一番力強く歌えたらなって。でもAメロであったりとかは、流れていくような語りかけていくような感じなので、そこと力強さの加減が難しかったんかな。

――「僕の生きている意味」は『ZEGEN』の挿入歌。こちらの詞は中園さんが一人で書き上げてますね。

中園:僕が書いてこれで行こうかってなったんですけど。

HIROKI:彼が表現したかったものが、1曲通さないと伝わらないと思ったのと、ZEGENの未来を見据えたというか。「夏の雪」がZEGENの闇とか過去だとしたら、こっちが未来とか前向きな部分で、その対比が面白いと思って。

――バイオリンもQyotoの魅力の一つですが、曲作りにおいていつもどのようにアプローチしていくんでしょう。

HIROKI:曲によりますけど、ブース入って思いつきで弾く時もありますし、アレンジの段階でこういうコード感でっていう時もありますし。ソロとかはその場という感じが多いですね。音作りにおいては工夫しなきゃいけなくて、目立ち過ぎちゃうか埋もれちゃうかみたいな。ちょうどいいバランスを取らなきゃいけないんで、そこはギターのツッチーとかベースのTAKUYAに意見をもらって、普段から音づくりはやってますね。

――今回は順調でしたか?

HIROKI:手こずったイメージはないですね。「花時雨」は二胡のような民族楽器をイメージしたり。「夏の雪」は1番は弾かずに2番から入るんですけど、最初ピアノだけ、ドラムが入ってきて、次にベース、ギターとどんどん音圧が上がり、気持ちが盛り上がっていくのを表現してます。「僕の生きている意味」は、僕らの中で一番ロック調で、間奏はとくにシンセサイザーとギターとバイオリンが大暴れしてるというか、ギターのキュイーンがあって、ヴァイオリンのキュイーンがあって、さっきからキュイーンしか言ってないですけど(笑)。そのぶつかり合いも楽しめるし、この曲はライブもイメージしてます。

――確かにライブ映えしそうです。それぞれバラバラの曲調ですけど、この3曲、共通ワードがあるんですよね。

HIROKI:共通ワード?

中園:僕はわかりました。

HIROKI:ん?

中園:僕は一発でわかりました。

HIROKI:当てたいですねえ。(歌詞を見ながら)ちょっと待っててもらっていいですか(笑)。えっ?“さがす”?じゃなくて、、。むず。

――では正解を中園さんから。

中園:“孤独”です。

HIROKI:マジか。入ってるわ。

中園:まあ、ZEGENに関しては主人公が孤独なイメージだったんでそういうフレーズが出てきたというか。「花時雨」に関しては、これはなんでやろ。

HIROKI:そうですね。この部分は主人公だけを意識したわけではなく、自分たちの日常も意識しながら書きました。

――そもそも「花時雨」という美しいタイトル。思い付いたきっかけは?

HIROKI:これすごい悩んだんですよ。最後まで迷ったんですよね、20、30パターンありました。

中園:そうだね。

HIROKI:曲の雰囲気に合ってるか、耳に残りやすいか考えましたし、歌詞に“桜並木道”“散りゆく花に”とか“花びらのような 想い抱きしめて”とかあったので、花なんちゃらにはしたいとなとは思ってたんです。花時雨は咲いてる花を散らしてしまう雨のことをいうんですけど、そのはかなさとか、むなしさとか、せつなさを表す単語としてぴったりだなと。

――時の流れを感じさせますね。

HIROKI:時空探偵の“時”ともかぶってるし、いいんじゃない?って。最後はそれが決め手でした。


HIROKI「この前もベルギービールフェスタのためだけに名古屋に来ました」


――今はフェスやサーキットイベントにもどんどん参加されていて、最近では名古屋で『メ〜テレウルフィまつり』に出演されています。

中園:最高でしたね。めちゃめちゃ暑くて。

HIROKI:気温も確かに暑かったし、会場の熱気も熱かったですよね。

中園:僕らのことを初めて見る方がほとんどだったんですけど、知らない僕たちの曲でも盛り上がってくれてすごい温かかったですね。

――その一方で、初ワンマンは去年の10月。手応えは?

中園:初ワンマンの時はドキドキでした。

HIROKI:最初から最後まで僕たちにかかってて、どうしたらええんやろって。構成もありますし。TAKUYAが演出担当としてやってくれてるんで、彼のイメージするビジョンを僕らも共有して、うまくいったと思います。

中園:去年の10月か。

HIROKI:もうすっごい昔のイメージですね。

――来年1/24には大阪のBIG CATで『はじまりの始まり』が開催されます。やっぱり大阪が中心になっちゃいますかね。

HIROKI:今年2月には北海道でもやってるんですけどね。

――北海道とも縁がありますよね。Zepp SapporoでのFM北海道のラジオ番組30周年記念イベントに参加したり、イルミネーションの点灯式にも参加されたり。

HIROKI:そうなんですよ。ラジオ番組をやらせていただいてたんで。

――3rdシングル「真冬のダイアリー」はその時のリスナーの声を反映させた楽曲でしたね。ラジオといえば、『今日はQyotoにおいでやす』が今年の4月からスタートしています。

HIROKI:メンバー各々のコーナーがあって、ツッチーはギターを持ち込んで演奏して俺らの作った曲を解説したりとか、僕は英語のラップを披露したりとか。それは聴き所ちゃうか?(笑)。僕はそう思ってますけど。

――名古屋もそういう繋がりがあるといいですね、名古屋と京都、似てるとこありませんかねえ。

HIROKI:似てるとこっすか? 道が碁盤の目になってるところとか。

――今も学業と両立されてるんですよね。

中園:そうですね、基本的には。

――お忙しいとは思うんですが、以前のインタビューでストックが100曲以上あるとおっしゃってましたし、そろそろアルバムが出るかと思ってました。

HIROKI:そういう声聞きますね。

中園:出したいなとは思ってるんですけど。

HIROKI:まあ、楽曲制作は続けてるんで。

――私、勝手に想像しました。イントロダクションがありバイオリンの音色で始まります。

二人:(笑)。

HIROKI:なるほど、いいですねえ。イントロダクションね。

中園:面白いです。

――そして名古屋でのワンマンも是非!

HIROKI:もう是非ぜひ。やりたいなとは思ってるんです。

――ちなみにいいライブの条件ってなんだと思いますか?

中園:難しいなあ。なんだろう、その人の人間性が出てくるライブかな。そういうライブには引き込まれます。この前コブクロさんのライブに行った時、お二人の会話が飾ってなくて、普段からそんな風にやってるんだろうなって素が見えるのがむちゃくちゃ面白くて、でも曲に入る時は小渕さんがぐっと持っていって、いいなと思いましたね。

HIROKI:僕2個あって、1つ目は、再現不可能なライブかなと。その時々でお客さんの層が違ったり、ライブハウスによって音響が違ったりとかしますし、当日のみんなのコンディションとかテンションとかグルーブが違うと思うんで、その一つ一つの違いを楽しめるかどうか。それにかかってるのかなというのがまず1つ。

――ライブは生き物ですからね。

中園:確かに。

HIROKI:もう1つは納得感。演奏をちょっとミスっても楽しかったとか、でも感動させることができたとか。納得感という言葉でしか説明できないんですけど、最後にみんなの中に残っているライブ。それはお客さんも一緒かなと思うんですけど、それが大事かなと思います。

――最後にこのエリアの皆さんにメッセージを。

中園:名古屋って昔はもっと遠いイメージだったんですけど、歳を重ねるごとに近い距離に思えてきて、実際近いし。

HIROKI:電車で30分ちょっとだもんね。

中園:ライブも温かくて、もっと名古屋に来たいんです。名古屋でライブできるようにがんばるんで、遊びに来て欲しいなと思います。

HIROKI:なかなか名古屋にご縁がなくて、関西から東京に飛んでしまいがちなんですけど、やっぱり名古屋は近いですし、個人的には好きな場所なんです。この前もベルギービールフェスタのためだけに来ましたし。

――ほんとですか!

HIROKI:久屋大通公園歩いてました。矢場とん食べに来たりもするんで。

中園:そうなん? 僕、今日初めて矢場とん行きました。

HIROKI:僕はもう十何回目くらいですね。ほんとにもっとご縁ができたらいいなと思ってるんで、是非お願いします。


インタビュー・文/深見恵美子

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Qyoto Official Website >> http://www.qyoto.jp
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