名古屋の冬を彩るロックの祭典MERRY ROCK PARADE。3年目の今年は初の2daysにして、12月24日、25日のイヴ、クリスマス当日というイベント名にぴったりの日にちでの開催となった。
ポートメッセなごやの最寄りである金城ふ頭駅に降り立つと、メリーロックに参戦する人々がすでにぞろぞろと列をなしていた。その流れに身を任せ会場へたどり着き、まずは入場パスとなるリストバンドをGET。そして、荷物をクロークへと預け準備は万端。クロークは、何度でも出し入れ可能な「自由クローク」、出し入れ不可の「一日クローク」の2種類があるので、ぜひ活用して身軽にライブを楽しむのがオススメだ。
最初に足を踏み入れるのは、ORB GARDENのある3号館。ステージ上には総合司会のZIP-FMミュージックナビゲーターの永田レイナと落合健太郎が登場。時刻が開演時間の10時20分を回ると、彼らに呼び込まれ、パレードスターターを務めるLEGO BIG MORLがステージに。朝早くから集まったオーディエンスを前にタナカヒロキ(ギター)が「クリスマスイヴにこんなに人が集まってることが問題や!名古屋頭おかしいんか」と持ち前の毒舌トークで笑いをとる。その後、全員のカウントダウンの掛け声に合わせて会場後方のクリスマスツリーが点灯。クリスマスツリーが会場を華やかに彩った。
メリロのシンボルといえば、この巨大なクリスマスツリーだ。
続くLEGO BIG MORLの伸びやかなライブ後、最大スケールのBLESS STAGEではフレデリックがダンスビートを鳴らし、いよいよ2日間のロックの祭典が始まった。
LEGO BIG MORL
フレデリック
KEYTALKの「MONSTER DANCE」で踊りまくっていると、時刻は12時半を回りそろそろお腹が空いてきた。3号館内と、BLESS STAGEのある1号館出入り口周辺は飲食ブースになっており、唐揚げや焼きそばといった定番メニューはもちろん、札幌スープカレーや霜降り牛タン串などご当地グルメも充実している。はしゃいですっかりお腹を空かしたオーディエンスでごった返していた。
全ステージが休憩に入る15分のOFF TIMEを経て、後半戦へ。昨年NOEL STAGEのトリを務めたTHE ORAL CIGARETTESがBLESS STAGEのステージに登場した。山中拓也(ボーカル/ギター)が「メリーロック全員でかかってこいやー!」と強気に煽り立てると、大熱狂が生まれ、肌寒かった会場に熱気が立ち込めていく。「mist…」では演奏が止み、壮大なシンガロングが会場外まで響き渡り、その一体感に鳥肌が立った。
THE ORAL CIGARETTES
全出演者の中で唯一のアイドルでんぱ組.incは、バックバンドとユニット名の電飾を背に、キレのあるダンスやリボンを使ったパフォーマンスを披露。目にも楽しいステージでNOEL STAGEを盛り上げる。
でんぱ組.inc
最後は、映画主題歌やCM起用など2016年も飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける[Alexandros]。勢い任せではなく、実力に裏打ちされたアクトで会場を一つにまとめ上げる。「ムーンソング」や「Starrrrrrr」などライブアンセムを次々と披露し、聖夜にふさわしい煌びやかなステージングで締めくくった。
[Alexandros]
一夜明け、2日目の総合司会であるZIP-FMミュージックナビゲーターの白井奈津と荒戸完が「昨日も来た人ー?」と聞くと、8割近いオーディエンスが元気良く手を挙げた。ぐっすり寝て、充電はフル満タンの様子。
ZIP-FMミュージックナビゲーターの白井奈津と荒戸完。
その証拠に、トップバッターのandropがいきなりシンガロングを投げかけても、朝イチとは思えない声量で応えてみせた。3号館の物販スペースも朝から大賑わい。混雑は避けたい気もするが、オフィシャルグッズは瞬く間にSOLD OUTしてしまうので早めに買っておいたほうがよさそう。特に、Tシャツ、パーカー、タオルが売れ筋だ。
androp
1日目よりパーティーピーポーが多いのか、今日は特にユニークな格好をした人が多い。メリーにちなんで羊の被り物をした人や、氣志團そっくりのリーゼント集団、サンタさんに至っては百人以上いる始末だ(笑)。
04 Limited Sazabysの4人もサンタさんの一味。サンタやトナカイの被り物をしたメンバーがステージに登場すると歓声がわき、人波がギュギュギュっと前へ押し寄せてゆく。遥か後方まで溢れかえる人波に「すげえ粒々してる!(笑)」とご機嫌のGEN(ボーカル/ギター)。「名古屋の04 Limited Sazabysです!」「愛してやまない名古屋に帰ってきました!」「名古屋そんなもんですかー!」と地元への愛を繰り返し、熱くエモーショナルなライブを繰り広げた。
04 Limited Sazabys
「メリロで1番卑猥な時間の始まり」と代表曲「O・P・P・A・I」でNOEL STAGEに「オッパイ」コールを轟かせたのは、感覚ピエロ。横山直弘(ボーカル/ギター)の色っぽい手振りに操られるように、オーディエンスは飛び、跳ね、歌う。昨年、ORB GARDENのトリを務めた若手バンドが今年1年の飛躍を見せつけるステージとなった。
感覚ピエロ
新進気鋭の若手バンドが顔を揃えたORB GARDENで、一際注目を集めたのはヤバイTシャツ屋さんの3人。話題沸騰中の彼らを一目見ようと詰めかけた人々は、ライブエリアに収まりきらず、フードエリアにまで溢れかえった。「喜志駅周辺なんもない」「メロコアバンドのアルバムの3曲目くらいによく収録されている感じの曲」「ウェイウェイ大学生」など、ユニークな歌詞をメロコアサウンドに乗せ熱演。漫談のようなMCも挟みながら、3号館を熱狂させた。
ヤバイTシャツ屋さん
昼間は暖かかった日差しが傾き、気温がぐっと冷え込んでも、各ステージでは熱演が続く。いよいよ最終アクトを残すのみとなった20時、全51組の大トリを務めるBIGMAMAがBLESS STAGEに登場。会場は大歓声に包まれた。金井政人(ボーカル/ギター)が「大切なイベントの大切な場所、大切な時間を任せてもらって、手ぶらでくるわけないでしょ」と新曲「Merry-Go- Round」を披露し、続けて「My Greatest Treasure」や「No.9」など季節感満点のスペシャルなライブを展開。オーディエンスらも肩を組み円を作って盛り上がる。2日間の思い出がまるで走馬灯のように脳裏を駆け巡り、多幸感溢れるフィナーレでもって、冬のロックの祭典が閉幕した。
BIGMAMA
アンコール「until the blouse is buttoned up」の余韻が耳に残る中、会場の外へと出ると、オーディエンスたちは名古屋港の夜景を横目に三三五五帰宅の途についていた。2日間楽しみ倒して、とうに体はヘトヘトなはずなのに、その疲労感さえ心地よく感じてしまうから不思議なものだ。すっかり名古屋の冬の風物詩となったメリーロック。再びクリスマスに開催されるのは6年後だそうだ。来年も、再来年も、6年後も、皆勤賞を目指したい。そんなことを考えながら、家路につくのだった。
取材・文:岡部瑞希 写真:ヤオタケシ
coldrain / 04 Limited Sazabys
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