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「次に向けてのモチベーションがたくさん出てきている」

2019/08/09 15:00

6月26日に3rd E.P「at THREE」をリリースした竹内アンナ。アメリカ・ロサンゼルス生まれ、京都在住の現役女子大生シンガーソングライターであり、幼少より親の影響で1970〜80年代の音楽に触れ、中学1年生のときにギターを始めた。2018年3月にアメリカの大型フェス『SXSW 2018』に出演した後に、全米7都市を回る『Japan Nite US tour 2018』に参加し、同年8月にテイチクエンタテインメントよりメジャーデビューを果たした。E.P シリーズ第3弾となる今作は夏をテーマにしつつ、様々なテイストの楽曲が揃っている。彼女の特長であるアコースティック・ギターにスラッピングを取り入れたプレイスタイルと、透明感のある歌声に磨きを上げるだけでなく、新たな挑戦もした今作について話を聞いた。



「自分自身に決めつけずに何でもやっていきたい」


――今作はデビューして3枚目のEPとなりました。

初夏にリリースすることが決まっていたので、デモを作っている時から自分ならこれを夏に聴きたいと思えるものを意識しながら、これまでとは作り方をちょっと変えてみたんです。普段はひとりでアコースティックギターを弾いて歌うことが多いので、どうしてもライブでギターが弾きやすいかを意識して作っていました。でも今回はアコースティックギターを一旦忘れて、先にトラックを全部作ってから歌をのせてみたんですよね。そうやってほぼベースが完成した状態にして、一番最後にアコギをアプローチしてみたらどうなるかなって、実験的に制作を始めてみました。

――トラックから作ろうと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?

デモを作り始めた頃に、ちょうど楽曲制作ソフトを使い始めていたんです。ただトラックの作り方が分からなかったから、曲を聴いたり使用動画を観たりしてそのまま真似して覚えて。見よう見まねで作りながらも純粋に楽しかったので「一回全部これで作ってみよう!」と思えたんです。でもアコースティックギターのことを一切考えずに作ったトラックたちだからこそ、今までとちょっと違う角度や発想からのギターのアプローチもできたかなと思っています。

――新しい方法を取り入れるとなると制作に時間もかかったかと思います。その点に関してはどうでしたか?

慣れるまでは大変だったんですけど、ちょっと覚えたらそんなに時間は……いや、時間はかかったかも(笑)。でもあれこれ試行錯誤していくのは楽しいので「私の作り方はこうだ!」って決めてしまうと、どうしても偏りが出てきてしまうような気がして。だから一つの選択肢として、こうやって作り方が増えたのは良かったなと思います。いろんな選択肢は持っておいて、困った時にはその中から時と場合に応じて選んでいけたら、より良い制作にしていけるんじゃないかなと考えています。

――これからのことも考えての方法だったんですね。

デビューしてこの一年はあっという間でした。たくさんライブをしてきて、たくさんライブも見てきて。そういう中でやりたいこともたくさん増えました。“今後どういうアーティストに自分がなっていきたいのか”ということも固まってきたんです。私はギター1本を持って歌うシンガーソングライターではありますけど、それに囚われずにいたい。いろんなジャンルの音楽をやったり、演奏方法も変えたりするなど、自分自身で決めつけずに何でもやるようなアーティストになりたいと思うようになりました。そして自分もだけでなく、聴いてくれる人にも常にワクワクしてもらえたら嬉しいです。


「伝えたいことを詰め込んだ」


――M1「SUNKISSed GIRL」はまさしく夏にピッタリな爽快感がある中で、個性にフォーカスした歌詞となりました。

私も含めて周りの子もその自分の個性に気づいてない人がきっと多いじゃないかなと思っているんですよね。人から見るとあなたのそこが素敵なのに、でも本人はそれを逆にコンプレックスと捉えてしまったりしていて、自分にしかないものに気付けていないことがすごい勿体無いなと感じたんです。みんなそれぞれ個性は持ってるから、それに気付けるか気付けないかの違いで、気付けた時点であなたは魅力的な人になる。

――そういう経験をされたことはありますか?

私は今21歳になって仕事でいろんな土地に行くようになって、学校でもたくさんの人に会うようになったけど、自分の好きなものは好きで変わりないし、何も恥ずかしいことじゃないんですよね。好きなものを好きだって言える勇気があれば、またそれであなたはさらに魅力的になる。そういう些細なことに気付けばもっと素敵になるよという、トンとちょっと背中を押せるような一曲になればいいなという気持ちを込めました。

――その“ちょっと背中を押せるような”というのは、自分の背中も押せたらいいなという感覚もありますか?

私はこのアーティストめっちゃいいなぁって思ったのに知人から「微妙じゃない?」って言われたことで、「好き」って言えなくなってしまったことがあったんです。今思えば何も別に悪いことじゃないから、「私は好きだよ」って言えばよかったって(笑)。だから自分もこの曲をきっかけに、みんなと同じように気付くことができたら……と作りました。

――M2「20 -TWENTY-」は20歳での一年を通して感じたことを表現したそうですね。

自分の意志さえあれば、行きたい場所に行けるし、会いたい人に会いに行ける。何かしたいと思えばできることが20歳になって増えたんです。フットワークの軽さが大人になっていいなと感じたことの一つでした。さらに私は20歳の時にデビューをしたことで世界が広がりました。人との出会いが一番自分にとっては今までの中で大きかったなと思っていて、たくさんの出会いを経験した濃い一年を書いた曲になります。またこの曲はデモの段階から「20」と仮タイトルとして付けていたんですよね。2nd EP「at TWO」をリリースした直後から、事務所の一室を借りて2週間くらいプロデューサーの方と缶詰になってデモ曲を作り続けていて、その“20個目”という意味でした。

――濃い一年を凝縮させて曲としてアウトプットした「20 -TWENTY-」を今聴くと、どう感じられますか?

出した作品に関してはその時の自分の120%を出してるので、もっとこうしたら良かったのになぁ……という気持ちは全然ないです。むしろこの曲を作ったことによって、“もっとこういうことがしたい”という次に向けてのモチベーションがたくさん出てきます。

――M3「Lovin' Drivin' Darlin'」はドライブのお供として意識された曲なんですね。

周りの友達が免許を持ち出し始めて、友達の運転でドライブに連れてってもらうようになったことがきっかけで作りました。まだ私は免許を持ってないので座席を温めてるだけなんですけど(笑)、そうやっていつも助手席に座っていた時に、運転席と助手席のこの絶妙な距離を感じるようになったんです。今は友達だけど、もしドライブの相手が自分の好きな人だったら、すごいもどかしいんだろうなって。それから実際に実家の車の運転席と助手席の距離を測ったりもしたんです。何してるんだろう……と思いましたけど(笑)、「15cmか……」って確認しました。

――だから〈泣きたいくらい もどかしい15cmも〉と具体的な数字が歌詞に書かれていたんですね。

15cmって絶妙だなって実感したんです。数字で見ると15cmは短いと感じてしまう。でも、その時のその相手との関係性で近くも感じるし、すごく遠くも感じるんだろうなって。そういうもどかしさをこの曲に詰め込みました。

――竹内さんの作る曲は様々なメッセージが詰め込まれた曲なんですね。普段において音楽からメッセージを受け取ることが多いんですか?

歌詞をしっかり聴くこともありますし、逆に歌詞を気にせずに「もうこのメロディーが好き」という聴き方もします。聴き方は人それぞれだから、歌詞が好きでも、メロディーが好きでも、どちらでも全然いいんです。ただ私には伝えたいことがある。それを詰め込んでいるので、感じ取ってもらえる部分があれば……と思ってます。


「最新のサウンドを体験してもらえたら」


――9月よりツアーが控えています。

今回もバンド編成のツアーになります。2nd EP「at TWO」を携えたツアーもバンドでやって、めちゃくちゃ楽しかったんです。またバンドの中で表現することにおいて、自分にとってやりたいこともたくさん増えてきました。だから今回のツアーは、現時点での最新のサウンドをライブで見ていただけたらなと思っています。

――今作を作った時のように、いろんな挑戦が見られそうですね。

したいことはたくさんあります。例えば、エレキギターをずっと持ってはいるんですけど、人前で弾いたことはないので、そろそろ本腰入れてエレキギターもちゃんとやれたらなと思っていたり。でもこれはツアーで出来るか分からなくて、できるかなぁ……というぐらい(笑)。名古屋は初めてのワンマンなので、たくさんの人と出会えることを楽しみにしています。


インタビュー・文/笠原幸乃



3rd E.P 「at THREE」 Now on sale

竹内アンナ Official Website >> https://takeuchianna.com
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ライブ情報

竹内アンナ
3rd E.P Release TOUR 『at THREE』

2019/09/16(月)
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