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「え!これが平川のおじさん?」 平川美香の魅力がいっぱい詰まった2ndミニアルバム『Meekaa Holic』を5/22にリリース!

2019/06/17 15:00


「つらいことがあったとき、あなたの心をそっと抱きしめるような作品になっているので、ぜひ、聴いてほしいな!」


 いとこでHYの仲宗根泉と中学生のころからユニットを組んで音楽活動をしてきた、沖縄県うるま市出身の平川美香が2ndミニアルバム「Meekaa Holic」を5/22にリリース。カヴァー曲「ダイナミック琉球」をはじめ、クール、キャッチー、ハートフルと曲ごとにちがう表情をちらつかせて魅了する歌声は平川のおじさんを忘れるほど。サウンドもソウル、スカ、ロックとさまざまで、いちど食べたらやみつきになる具だくさんで美味しいゴーヤチャンプルーのような作品に仕上がった。
(ちなみにゴーヤは平川美香で、くせになる苦味がそれぞれの具とあわさったハーモニーを楽しむようなイメージ)

現在、はじめてのツアー『ドタバタ劇場一丁目』を開演中。福岡、札幌、沖縄公演を残すため内容の詳細は控えるが、5/6に行われた名古屋ell.SIZEでのライブは大盛り上がり! 平川のおじさんやレディーブブはもちろん、生着替え、ダンスなどハプニングを味方につけた見どころ満載のステージに大爆笑!
ハートを揺さぶる生歌のバイブレーションとともに、すべてをさらけ出して正直に楽しく生きることの美しさ、強さ、深いやさしさのたねを空間にまいてくれた。その場にいたお客さんは、各自でそのたねを大切に育てているはず。

インタビューはまさに平川美香ものがたり。
取材当日、ビルの1階で釣り道具を持った平川のおじさんに遭遇。聞けば東京からおじさん姿でひとりで名古屋に来たのだとか!
「人生なんだかうまくいってないな」と感じているひとは、ぜひ、最後まで目を通してほしい。



曲ごとに平川美香のさまざまな表情とポテンシャルの高さが楽しめる2ndミニアルバム「Meekaa Holic」を5/22にリリース!


――昨年リリースしたミニアルバム「平川のおじさんです。」は、コミカルな要素がちりばめられた作品でしたが、今回の「Meekaa Holic」は本領発揮で、曲ごとにちがうテイストで豊かに表現するアーティスト・平川美香を感じずにはいられませんでした。まず最初に、アルバムタイトルの意味を聞かせてください。

おじさんからのギャップで、新たな平川美香の魅力を知ってもらって、ハマって中毒になってもらおうっていう。

――クールな女、シャウトが効いたパワフルな歌声、あと、おしゃれだったり背中を押してくれるハートフルな曲があったり。サウンドもソウル、スカ、テクノと幅広い。

「これを入れたい」「あれを入れたい」って収録曲を選んでいるうちに、ジャンルがいろいろになっちゃって、プロデューサーに「ジャンルをひとつに決めなきゃいけないですか?」って聞いたら、「そんなことはないよ。1曲1曲ちがうジャンルだけど、みーか(美香)が表現することでひとつのジャンルになるから」って。「ジャンルはばらばらだけど、平川美香が表現すればひとつのブランドになる」がコンセプトのようになっています。

――半分がご自身で、半分がほかのアーティストによる作詞・曲ですが、ほかのアーティストが作った曲を表現するとき、むずかしくなかったですか?

知らなかった自分の一面を引き出してもらえるし、挑戦でもありました。現在ツアー中の『ドタバタ劇場一丁目』では、「Real Love」と「Can you call me?」を歌うとき、ダンサーを入れてはじめて自分もダンスにチャレンジしてて、おじさん姿のライブしか観たことがないひとは、ナチュラルな、ばちっとキメた平川美香が観られて面白いんじゃないかな。「え!これ、おじさん?」「これ、平川美香なの?」って。それから、「口笛」という曲は、昔から親しくさせていただいている音楽家のGajinさんが「平川美香の曲を作りたい」って言ってくれて、みーかの生い立ちとか、挫折とか、がんばって乗り越えていく過程を曲にしてくれて。昔から歌っている曲をやっとCDに出来ました。

――美香さんが学校の先生をしているとき、「夢を持ちなさい」って生徒たちに言ってるのに自分は夢をあきらめていることに違和感を覚えて上京したことが書いてあるネットの記事を読んだのですが、「口笛」を聴きながらそのエピソードとリンクして胸が熱くなりました。東京での貧乏っぷりはすごくて、草を食べたり服が買えないから自分で作ったり……。

貧乏っぷりね(笑)。

――そこから這い上がってきた美香さんは怖いものなしだなって。

どんとこい!みたいなね(笑)。もちろん、どん底に落ちることもたくさんあるけど、たいていのことは「これを超えたら面白いんじゃないか」って、発想の転換、わくわくに変えるから、なんでも楽しくやれてる。

――わくわくに変えるのは子どものころから?

そうです、昔からです。「これをやったら、だれかがよろこぶんじゃないか」「これをやったら、あのひとが笑ってくれるかも」って思うともうわくわくしちゃって、やらずにはいられなくて。両親がまた面白いんです。結婚式の余興とか、いろんな舞台でお父さんが体張って面白いことをしているのをちっちゃいときから見てたから、舞台度胸みたいなものは昔からありましたね。もうすごいですよ、お父さん、ほんと面白いから!大学生のときに近くのスナックのママから電話があって、「お父さん迎えに来てー、酔っ払ってるからー」って言うから迎えに行ったら、全裸で横たわって女体盛りしてて(笑)。「なにやってんの!」「女体盛りだよぉ」って。「いや、男盛りやないかいっ!」ってツッコんだりして、引き連れて帰って。

――あはははははは!「もうお父さんイヤだ」じゃないんですね。

昔は「なんでこんな親なんだろう」って思うときもありました。高校ではバスケ部だったんですけど、先生をまじえての父母会で親同士が飲んだとき、むちゃしすぎてほかのかたにご迷惑をかけたことを後日聞いて、自分が先生のところへ泣きながら頭下げに行ったときは「なんで子どもに頭を下げさせるようなことをするんだ」って。本人は面白いと思ってやってて、みんなも「楽しかったからいいよ」って言うけど、子どものわたしとしては恥ずかしいし、みっともないじゃないですか。でも、過ぎ去ってしまえば「面白い親!最高やないかい!」って思えるようになった。高校を卒業して岡山県の大学に行ったとき、はなれて知る親のありがたみというか、面白さっていうかね。


「大学のとき、音楽番組が観れなかった。

心から音楽がしたいのに、それにふたをしているから、気持ちのバランスがくずれて気分が悪くなって吐いてた」


――学校の先生をされていたとき、どんな教科を教えていましたか?

高校の福祉の選択教科です。当時は福祉に力を入れようっていう時代だったので、福祉専門のコースで教えていました。歌がだめだったから高校のときにバスケに打ち込んで、将来はバスケの監督になるために高校の先生になろうって。

――歌をはじめたのはいつから?

中学生のときから泉(HY/仲宗根泉)と「first」っていうコンビを組んで、デビュー目指して「ナンバーワンになろうぜー!」みたいな感じでやってました。

――歌をあきらめない美香さんの強い気持ちの源はなんでしょう?

学校の先生を辞めるときに親からすごい反対されて、「そんな簡単にいく世界じゃないんだよ」「泉たちも苦労してるし」って。でも、自分は「どうしても」ってゆずれなくて。なんでかって言ったら、大学のとき、音楽番組が観れなかったんです、観たら吐き気がして、トイレで吐いたりとか。そのときは「なんでだろう」って考えずにスルーしていたけど、先生をしているときに「音楽番組が観れないのは、自分は心から音楽がしたいのに、それにふたをしているから、矛盾が生じて気持ちのバランスがくずれて、気分が悪くなって吐いてたんだ」って気づいたんです。Keycoさんのライブを観て、涙が止まらなくて。「自分はなんでこのひとみたいにステージに立って歌えてないんだろう」って。わーっていろんな感情が出てきたから「これはもう自分の声をちゃんと聞かないと」「自分の気持ちを抱きしめないと」って思って。

――素直な気持ちがあふれ出したんですね。

いちばんのどん底は、親の反対を押し切って東京に来て、2〜3年オーディションをがんばって受けて、全部落ちて、「歌はうまいけど見た目はそんなにきれいじゃないし、むりだよ、ビジュアルも大事だよ」って言われて、「もし歌だけでいきたいなら、突き抜けたスキルがないと」って。それでもめげずにがんばったんですよ、プラス思考なんで。そんなとき、「デビューしませんか?」って大手事務所から連絡をもらって、願ってもない、しかも、すごい大御所がいらっしゃる事務所だったし、今までわざわざ連絡をもらうこともなかったから「ぜひ、お願いします」ってなったんですけど……ひとつだけ条件があって、「アルバムの帯に小さく“HYのいとこ”って書かせてください。その承諾をもらえませんか? ただそれだけで、デビュー、アルバムのリリース、テレビ出演、いろんなことができますよ、うちの事務所強いから」って。それで、悩みました、いとこの名前を使って、コネでやるのいやだなーって。相談した音楽仲間の「事実なんだからいいじゃないか。“HYのいとこ平川美香”のほうがみんな聴いてくれるよ」の言葉に「そっかー」って思い直して、しぶしぶHY側に言ったら「それはできない」と。もちろん、そうなんですよね。泉も「おまえ、ぜったい歌だけでもいける。HYの名前を使わずに這い上がってこい」って泣いて、背中を押してくれたんです。

――愛ですね。

泉の言葉に愛があるし、手を差し伸べることは簡単だけど、それに甘えたらだめなのはわかっていたから、冷たいとは思わなかったです。それで、その大手事務所に「HYから承諾はもらえませんでしたが、平川美香として熱い想いでがんばるのでお願いします!」って言ったら、2秒も経たないうちに「この話はなかったことに」「この世界きびしいから、それがなかったらむり、ごめんなさい」って。夜11時にJR渋谷駅の改札のはしっこでタオルを歯でぐっとかみながら号泣しました。「この世界は歌がうまいとか、そういうのじゃないんだな。コネだったりタイミングだったり、上のひとに媚び売ってやっていかないとだめなんだ。これはちょっと限界がある、もうむりだ」って。それが11月ぐらいで、アパートの契約があったから、翌年の3月か4月には沖縄へ帰ろうと思ったんですね。そうしたら、2月に高校時代の友人から電話があって、その友人は病気をしてリハビリをがんばっているのを聞いてたから、まさか電話をもらうとは思ってなくて、声を聞くのは2年ぶりぐらいで。まだ言語障害が残っていてうまく言葉が出てこない友人が、「えーっとね、あのね、HYのあの……」「『あなた』っていう歌?」「うん『あなた』歌ってー」って。「自分は今、リハビリでつらくて逃げ出しそうになるけど、みーかの歌聴いたらがんばれるから歌って」って、めっちゃ時間をかけてふりしぼるように言ってくれたんです。このことを思い出すと今でも泣いてしまうんですけど……2月の寒い冬に耳に押しあてた携帯が凄く冷たくて、でも、胸が熱くなって涙が止まらなくなったんです。あっちも泣きながら「ありがとう」って言ってくれて。「もう歌をあきらめて沖縄に帰ろうと思ってたけど、でも、おまえはこんなにつらい状況で必死にがんばってる。みーかの歌で元気になれる、がんばれるって思ってくれたのすごい嬉しい。だったら、みーか、もっとできること、あるよね、がんばるよ」って電話を切りました。そこからですね、彼女からの電話で、ひとつのことで「だめ」って言われて沖縄に帰ろうと思っていた自分が恥ずかしくなっちゃって。「歌がだめだったら肉付けでほかのアーティストがしないことをしよう」「まずは身近にいるひとに知ってもらおう」「知ってもらうには目立つことだ」じゃあ、なにをやろうかな?って考えて、プライベートでおじさんの格好をしていろいろやってたんで、おじさんの格好で歌いだしたらどうだろうって。

――え! プライベートでおじさんの格好を?

そう、プライベートでやってたんですよ(笑)。で、渋谷のハチ公前で歌ったりとか、ライブやイベントに出て、ダンスもしてみよう、コントみたいなこともしてみよう、芸人さんみたいに体張って面白いことをしてみようって。それをぜんぶひとりで表現できたら、こんなアーティストはいないな、エンターテイメントだなって。そしたら、「おじさんの格好をして歌ってるやついるぞ!」「なんだなんだ!」って少しずつ広がってくれて、ひとがひとを紹介してつながって、TV番組の『アウト×デラックス』(フジテレビ)から「歌ってるんですよね、おじさんで。出てみませんか」って声をかけてもらって出演したんです。だから、彼女の電話がなかったら沖縄に帰ってた。タイミングがほんとうにすごくて、感謝しかないです。



「東京と沖縄以外でライブを演ったのは、名古屋がはじめて。

そのとき、泉が告知してくれたんですよ。少しづつ認めてくれてるのかなぁ、って言う嬉しさがありました」


――あの〜、いい話の途中で恐縮ですが、おじさんの格好をプライベートでもしてることが気になって気になって。

沖縄のひとって海に行くときビキニ着ないんですよ。日焼けをとおり越してやけどするから。それで、上京してはじめて「海行くぞ」ってなったときに「ビキニ着れないしなー、海に行くなら海らしい格好がいいな」と思って考えた結果が釣りをするおじさんだったんです。お家からその格好で行って、偶然にも電車の中に釣り具を持っているかたがいたのでとなりに座ったら、まわりの乗客がくすくす笑ってくれて。海に着いたら着いたでビキニギャルに囲まれて「おじさん?」「え!なんでー!」ってなって、「かわいい子を釣ろうかなと思って、釣れるかな〜」って相手をしてもらったり、針が付いてない竿を海に投げ入れて「釣れたあー!」って転んだりして(笑)。

――あははははは! だからおじさんの格好に違和感がないんですね。

もうふつうすぎて、この格好が。あと、魚もなにもいない公園の池でひたすら釣りをやってるとか、それを見て笑ってもらう、プライベートで(笑)。

――ビジネスじゃなく、ふだんから「みんなに笑ってもらいたい」「楽しい気分になってもらいたい」という想いが核になってる。

みんながHAPPYになるのがいちばん! その笑顔を見て自分がHAPPYになるから。だけど、おじさんの格好は半分大賛成、半分大反対なんですよ。「なんでおじさんの格好をして歌ってるの? 歌が頭に入ってこない」って、もちろん、そうですよね、入ってこないですよ。親からもおばあちゃんからも批判されたし、アーティストからも「おまえ、歌をバカにしてるのか。おちゃらけた見た目で、ほんとうに伝えたい歌、おまえが大事にしている歌、ぜんぜん伝わってないよ」って。それでもなにも言い返さず、ぐっとこらえてやり続けたのがTVに出させてもらうきっかけになったから、反対してたひとも「あのときはこんなこと言ったけど、おまえがブレずにやってたから、こうしていろんなひとに知ってもらえるようになったんだな。がんばったな」って言ってくれて、そのときは号泣で。認めてくれてすごく嬉しかったです。

――わたしも自分を見つめ直そう。むりしてることは勇気を持って手放そう。

手放すことは大事ですよね。捨てることも大事。捨てて後悔したら、そのときに取り戻せばいいし、そのときのほうが行動力がすごいから。ぜんぜん取り戻せます。

――失敗したり後悔して傷つくのが怖いから、なかなかできないけど。

そう、怖いですよね。わたしは落ち込むことも大好きなので……大好きっていうのもおかしいけど、落ち込んでる自分の話しをちゃんと聞いてあげる。大学生のとき苦しかったから、心の声を聞かなかった自分を後悔してるから、もう同じ想いを自分にさせたくないから、ちゃんと話しを聞く、抱きしめる、理解をする。「つらいんだね、じゃあこうしていこうか」って、もうひとりの自分が相談相手になってるっていうか。

――それが歌になったり……。

そう、人間力だったり。

――ここまでの話、ぜんぶすごい。講演料払わなきゃ!

なんでやねん なんでやねん(笑)。

――ところで、名古屋にはどんなイメージがありますか?

どこだったか忘れてしまったけど、ライブ会場で出会った女の子が名古屋の子で、めちゃめちゃファンになってくれて広めてくれて、いろんな県についてきてくれるんです、鹿児島とか福岡とか。それってすごいなと思ってて。だから、その子のためにも、名古屋でライブがしたくて。あと、東京と沖縄以外でライブを演ったのは名古屋がはじめてで、そのとき、泉が告知してくれたんですよ。「みーかがはじめて東京と沖縄以外でライブします! 名古屋でするんです!行けるかたは行ってくださいね」って。その流れでHYのファンのかたがけっこう来てくれて、みんな愛があるんですよ、やさしいんですよ、次に友だちを連れてきてくれたり。「おまえ、這い上がってこい」って言って何年間も平川美香の宣伝をしなかった泉が、みーかのことをちょいちょい取材で言ってくれたり、告知してくれるから、少し認めてくれてるのかな。これもまたよろこびのひとつでもあるんですよね。まだいっしょにステージに立ててませんけど、そのときは観に来てください。

――今日は沁みるお話をたくさんありがとうございました。では、最後に東海地区のみなさんにメッセージをお願いします。

5/22リリースの2ndミニアルバム「Meekaa Holic」は、心をぎゅっとつかむ、そして、つらいことがあったとき、あなたの心をそっと抱きしめるような作品になっているので、ぜひ、聴いてほしいな! 平川美香を知らないかたもたくさんいると思うので、おじさんの格好でびっくりすると思うけど、そのチャーミングさに笑って、歌で癒されてくれたら嬉しいです!


インタビュー・文/早川ひろみ



2nd Mini Album 「Meekaa Holic」 Now on sale

平川美香 Official Website >> https://www.sunmusic.org/profile/hirakawa_mika.html
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