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「もう次は飛ぶしかない。ここからのAmelieのテーマなんだなって思えた」

2019/05/28 15:00


4月24日にニューシングル「ノンフィクション」をリリースした、Amelie。初のDVD付き作品となる今作は、「手と手」「ノンフィクション」「愛とか恋とか君との証」の新曲3曲が収録され、DVDには2018年9月に東京・LIQUIDROOMで行われたツアー『ビューティフルライフ Release Tour 2018』の最終公演から計7曲のライブ映像が収められている。2019年は飛躍の年にすると公言した経緯から、Amelieへの先入観を打ち破く今作に込められた想いまで、mick(Vo./Gt./Piano)と直人(Gt./Cho.)に語ってもらった。



「私が言葉にして発信していくことで、説得力が一番生まれてくる」


――2ndシングル「ノンフィクション」が発売されました。今のお気持ちはいかがですか?

mick:「リリースはもう何回目だろう?」という感覚がありますけど、やっぱり何回経験してもCD屋さんに自分たちの作品が置いてあることが素直に嬉しいです。CD屋さんの方達の想いに対して感激しましたし、特に今回はリリース当日に新宿のタワレコでインストアライブが出来たことで、自分たちは幸せ者だとも思いました。今ここにいる人たちはリリース前日まで今作を聴いてないし、DVDも見てもなかったんだなって思うと、AmelieのCDを買ってくれたお客さんを目の前にしながら歌うことは不思議な気持ちでしたね。表題曲「ノンフィクション」はすでにライブでやってはいました。でも「手と手」や「愛とか恋とか君との証」までも、リリースしたばかりなのにみんな知ってたんです。それを実感できたことも嬉しかったです。

――Amelieにとって2019年は“飛躍の年”と公言されています。その経緯を教えていただけますか?

直人:mickがTwitterで「2019年は飛躍の年にするからね、見逃さないで見ててよね」と書いたことから“公言した”としています。具体的にメンバー4人で“今年は飛躍の年にしよう”って話し合いをしたわけではないんですけど、自然にそういう気持ちになっていたタイミングだったんですよね。

mick:活動全体を通してLIQUIDROOMでのワンマンライブを行えるようになったことで、「じゃあもう次は飛ぶしかねぇよな」という感覚は絶対的に4人の中でありました。その決意の表明として言葉にしたり、1月の東名阪のワンマンツアーの時期に髪を切ったりもしたんです。

――mickさんのトレードマークとなる赤いロングヘアーをバッサリ切られたのは、相当な意思の表れですよね。

mick:実はずっと切りたかったんですよ。一度切ってしまったら長い時間かけないと伸びないので、イメチェンのタイミングを伺っていました。印象がガラッと変わっちゃうからこそ「今だ!」という時に切りたくて、そのタイミングが今年の頭だったんです。30センチぐらい切りましたね。美容師さんにお願いをして、一番最初のカットは自分でハサミを入れさせてもらって。その後は「あー!」ってなりながら髪が短くなっていくのを見てました。終わった時に床を見ると自分の髪の毛がいっぱい落ちていて、何とも言えない気持ちになりました。

――イメチェンというのは新しい自分になりたい願望から生まれるものだと思うのですが、現状に対して何かしらの葛藤があったんでしょうか?

mick:今回はLIQUIDROOMでのワンマンライブを売り切ろうねと言っていたのに、LIQUIDROOMを含む東名阪ワンマンツアーを全部ソールドアウト出来なかったことは大きく関係しています。ただ葛藤もそうだし、まず満たされることはないんだろうなと自分の中で思っていて。例えば自分たちで設定した目標をクリアできたとしても、すぐ「じゃあ次は何を目指す?」となっちゃうんで、前に進んで行きたい気持ちは常にあるんですよね。

――今のように現状を受け止め、言葉を濁さず「ソールドアウトできなかった」と口に出すことが出来るのはAmelieの強さだと思います。その強さはどこから湧き上がってくるものだと思いますか?

直人:4人ともバンドをやりたい意識が強いんでしょうね。だから悔しいと思ってはいても苦労だとは思ってない。「これで成功した方が夢も現実味が生まれていいじゃん」とポジティブに思ってるんです。

mick:私もそうですけど、4人ともバンドが誇りだと思いますよ。

直人:でも「こういうバンドで行こうぜ」って、Amelieのスタンスについての話はメンバー内でほぼしてないんですよね。Amelieはメンバーそれぞれでいろんなバンドを経験して集まってきた4人なので、メンバーが揃ってバンドをやれる喜びをみんな知っている。だから大事にバンドを続けてこられていると思います。

――Twitterで「2019年は飛躍の年にするからね、見逃さないで見ててよね」と公言してから、心境の変化はありましたか?

mick:自分のケツを叩く意味で書いたっていうのもあるんですよね。言っちゃったからには「やんなきゃ!」と日々思いながら暮らしています。

直人:mickの発言を目にした時は「うん、そうだよね」って素直に思えました。僕も言おうとしていたことだったんですよ。それをmickは真っ先に言ったんで、さすがボーカルだなって思いましたね。

mick:歌うことで言葉を放っている立場だから、みんなは私の言葉がAmelieの言葉であると捉えると思うんです。私が言葉にして発信していくことで、説得力が一番生まれてくると理解しているからこそ、プレッシャーはありますよ。でも、他のバンドもみんなそうじゃないですか。それも楽しんでやってます。


「先入観をどうにか打破したかった」


――表題曲「ノンフィクション」はどのように制作を進められたんですか?

直人:女性ボーカルのバンドに対するイメージからAmelieの曲を聴いてもらえていない、Amelieの曲が届いてないと感じることが多くなったんですよね。僕ら的にはこのバンド編成を女性ボーカルだからとは考えることなくやっていたんです。でも続けていくうちに女性ボーカルだからというのをすごい見かけたり、言われたりすることが多くて、それがめちゃくちゃ悔しかった。僕ら男3人からしたらmickが女だからやってるわけではなくて、単純に“この4人でロックバンドやっています”というだけなんですよ。女性ボーカルのバンドへの先入観がAmelieにとって損な状態だったので、そのイメージを変えようと思ったんです。

mick:Amelieが好きな人や、ライブに来てくれたりCDを聴いてくれたりしたことがある人はそんなことないと思うんです。これまでにAmelieを知らなかった人が初めてAmelieを見た時に、女性ボーカルだからという壁が生まれちゃう。こっちは純粋に音楽を作ってやってるだけなのに……。

直人:「普段は女性ボーカルのバンドを聴かないんだけど、Amelieを聴いてみたら良かった」という声があったんですよ。まず見た目でこの編成のバンドの曲を聴かないんだなって感じて、そこをどうにか打破したかった。あとAmelieで今回のシングルみたいな曲ってアルバムには入っていたけど、表立って出してなかったものではなかったかなと思うんです。

――確かに、これまでのAmelieとは違う印象を受けました。

直人:メンバーの中で改めて“自分らの良さって何なんだろう?”って考えたんですよ。僕らのライブに来てくれた人の中で、最後の方には泣いている人たちがいる。そういった感動を生み出すことが出来るところにAmelieの軸があるんじゃないかなと思ったんです。それでこの方向性のシングルを作ることになりました。

mick:これまでとは違うと言われることは多いですけど、自分達でデモを作ってたアルバムも聴いてもらえれば「Amelieってこうだったんだね」と感じてもらえると思います。元々Amelieが持ってたものは私たち4人の中にあったものであるから、違うようで何も変わってないんですよね。

直人:自然に〈ノンフィクションな毎日を ドラマチックに駆け抜けるんだ〉というフレーズが出てきたことも良かったと思っています。レコーディングを進める中で「結局この曲は何?」とエンジニアさんとも話している中で、このフレーズは生まれました。みんなで歌うことで、これがここからのAmelieのテーマなんだなって思えましたね。周りから「アンセムになる曲だ」と言われるんで、やっぱり間違ってなかったなと思っています。


「もっとリアルに自分たちのことも歌っていいと思えるようになった」


――直人さんはもう一曲「愛とか恋とか君との証」も作られました。

直人:「ノンフィクション」の時もそうなんですけど、僕の中で死生観を考えさせられる出来事あったんですよね。実は父親が去年の秋に亡くなって。それから父親と母親が二十歳ぐらいに湘南の海で撮った写真が出てきたりして、自分たちと同じような青春を送ってた人が普通に歳をとって死んじゃうんだなって実感したんです。衝動的に生まれた感情をそのまま曲にしました。

――そのような感情を曲にするのは、あまり抵抗なく出来たんですか?

直人:そうですね。僕もmickも普段の生活が曲に影響するタイプなんですよ。今までAmelieはどちらかというと、ノンフィクションなこともフィクションっぽくオブラートに包んで表現するところがあった。でも改めてAmelieというバンドを考えた時に、等身大と言ってるからにはもっとリアルに自分たちのことも歌っていいんじゃないかなって思えたんです。だからそこに対する抵抗は全然なかったんですよね。

――この曲を歌うことに対して、mickさんはどうでしたか?

mick:直人さんからそういった出来事から生まれた曲だとは直接聞いてはいなかったんですけど、状況を知っていたので言われなくてもこの曲に込められた想いは分かりました。だから最初はもちろん、すごい重荷でしたよ。初めて歌う時は無理でしたね。「お父さん……!」と思いながら歌ってしまうから悲しくて。でも「この曲が生まれたのは父親が亡くなるという出来事がきっかけとしてあったけど、それは一旦置いといて、この曲を聴いてくれた人が勝手に自分の中で解釈して聴いてくれればいいかな」と直人さんが話してくれたので、今はAmelieの曲として歌えるようになりました。

直人:それは大事にしたいなと思っていることなんですよね。もちろん一つのきっかけとして僕の想いがあるんですけど、そこは聴く側にあんまり関係ないし、僕が凹んでいるのをアピールしたいわけじゃない。曲の中で聴く人それぞれの生活の中で重なることがあったら、僕が込めた想いとは関係なく聴いてもらえればいいんです。だからインタビューとかではちょこちょこ話はしてますけど、あまり表だってそういう曲だよっていうのは言わないようにはしてます。


「人の心を動かして感動してもらえるように」


――5月末から全国ツアーが始まります。

mick:今まではライブに来てもらった人に楽しんでもらおう、その上で私も楽しもうとステージに立ってました。それはAmelieの武器でもあります。ただ今回のツアーは歌を歌う人として、表現者として、人の心をどれだけ感動させられるかが大事かなって。ちゃんと人の心を動かして感動してもらえるように、ライブを組み立てて9ヶ所を回りたいなと思います。

――ライブへの向き合い方にも変化が生まれているんですね。

mick:「ノンフィクション」が出来上がってセットリストに入れられるようになってから、考えられるようになりました。

直人:メンバーの共通意識として変わってきたのと同時に、ライブのやり方を少し変えてきていることによって、今の僕らがやろうとしてることを待ってくれてる人はいっぱいたんだなとも感じています。そういったAmelieを好きな人がたくさんいることで、今やっていることへの自信になっている。ファイナルの東京ワンマンライブでは集大成としてどう見せられるかが、めちゃくちゃ楽しみです。


インタビュー・文/笠原幸乃



New Single 「ノンフィクション」 Now on sale

Amelie Official Website https://www.amelie-web.com/
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Amelie

2019/12/13(金)
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