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約6年ぶりにフルアルバム「BLACK NEVERLAND」をリリースする松下優也にインタビュー!

2019/02/01 18:00


「歌手、ラッパー、ダンサー、俳優、プロデューサー、
全部を通してアーティストでありたい」


昨年デビュー10周年を迎えた松下優也が、約6年ぶりにフルアルバム「BLACK NEVERLAND」をリリースする。攻めのサウンドにリズミカルなラップ、ますます艶めく歌声で、内容は実にアグレッシヴ。
ソロアーティストとしてだけでなく、朝ドラ「べっぴんさん」の出演で俳優としても広く名前が知られるようになり、ボーカルダンスグループX4のリーダーとしての顔も持つ彼。
パフォーマーとしてどんどんレンジを広げ、一体どこへ羽ばたいていくのだろう。



――昨年11月で、デビューしてから丸10年。思い描いていた自分になれてますか?

こんなに自分がいろいろやるとは思ってなかったですね。デビュー当時は音楽だけでやるんだろうなって思ってました。単純に俳優と音楽に分けると二足のわらじなんですが、こんな風にできるとも思ってなかったですし。

――可能性が広がっていきますね。

10年間の活動で、できるできない関係なく挑戦してきた10年だったなって思うんですよね。できるかな?ギリギリできるかもしれへん、みたいなところをずっと攻めてたし、攻められてたというか(笑)。その分できることも増えたし、心のキャパシティも広がったと思います。

――3/27には約6年ぶりにアルバムがリリースされます。タイトル「BLACK NEVERLAND」に込めた思いは?

ブラックミュージックがずっと好きで、好きな色が黒なんですよ。だから自分を表す色は黒だと思っていて、ブラックにまつわる何かがいいなと思ってたんです。ネバーランドっていうのは、マイケル・ジャクソンが好きなこともあるんですけど、マイケルの存在を見てると、いくつになっても関係ないなって思うんですよ。僕がもっと幼くても年齢を重ねてもたぶん変わらなくて、それぐらいの好奇心で常に音楽をやり続けたいなって思うんです。デビューしたのが18歳で、音楽を始めたのが12歳で、今28だけど、ワクワクする気持ちや好奇心を常に忘れずにやっていきたいし、逆にそういう自分が作る世界にみんなを案内して楽しんでもらいたいという思いを込めました。

――なんだか決意表明みたいですね。先行して3曲聴かせていただいたんですけど、まず「King U-Wingy」。ラップで攻めてますが、こういう曲を歌いたかったんですか?

そうですね。こういう曲がいいっていうのを伝えました。僕の曲を作ってくださっているRoute Aさんにトラックをお願いして、それに対してしてリリックとメロディを自分が書いたって流れです。”King”っていうのは自称でつけてて、”U-Wingy”っていうのは愛称として自分で勝手にずっと思ってたんですよ。

――Wingyの意味としては。”翼のある””迅速な”。

松下優也のロゴって翼なんですけど、最近バタフライが自分の中でしっくりきてて、グッズのデザインも蝶にしたんですけど、自分が羽ばたくことによって、バタフライエフェクトみたいな、いろんな人にちょっとずつ人生に変化をもたらせる存在になれるといいなと。

――なるほど。

"U-Wingy”っていうのは、いわゆるaka(also known asの略)みたいなもんです。よくラッパーが、またの名を、みたいな感じで付けてて、それをタイトルにした曲がやりたかったんです。名刺代わりになるような、自分のことを歌ってるような曲が欲しいと思って。

――「OOAK(One Of A Kind)」の歌詞にも”King”や”Wingy”といったワードが出てきますが、繋がってますか?

繋がってますね。自分の言いたいことというか、アティテュードというか、姿勢みたいなものを歌ってる曲なんで。

――2曲ともすでにライブで披露されてますが、どんな反応が返ってきていますか?

「OOAK(One Of A Kind)」は盛り上がりますね。一緒にやってるSHUN(Beat Buddy Boi)ってやつが、小学校の頃から知ってて、一番の親友なんで、一緒に曲やりたいってずっと思ってたんです。

――詞と曲はSHUNさんとの共作ですね。作る上でどういう話をされたんですか?

ほんとに親友なんですよ。誰よりも全部知ってるし、そんな内容でする?みたいなちょっとしたことでLINEするくらいの仲で、俺的には普通やねんけど(笑)。それくらいリアル親友で、昔から音楽の趣味や見て来たものや好きなものが一緒だったんで、俺ら二人はヤバイものができると思っていたんです。それが今回ようやく叶って、だったら唯一無二の俺らのことを歌おうってなって、それぞれリリック書いて、フック一緒に作ったんです。

――「Midnight Party」はデビューからお世話になっているプロデューサーJin Nakamuraさんが作曲、編曲に携わってます。この曲はまた他の2曲とテイストが違いますね。

Nakamuraさんに対してもこういう曲がやりたいってリクエストしたんですよ。AメロとかBメロはちょっといい感じで歌い、フックでがっつり踊れる曲が欲しいと投げて、返ってきたのがこの曲だったんです。「Midnight Party」は特定の女性だったり、ある人との二人だけの世界の曲という感じですね。

――ちょっと甘いテイスト。

サビでは、君のすべてを見せて、じゃないですけど、お手並み拝見みたいなこと言ってるんですけど。君から抜け出せないよ、チョコレートみたいに溶けようよみたいな(笑)。でも焦げないようにね、みたいな。

――Nakamuraさんは見い出してもらった方ですよね。

はい、そういう意味では僕の成長をずっと見てくださってて、14歳の頃に出会って、今もずっとやってくださってるのは有り難いですし、僕もちゃんと恩を返していきたいし、そうしなければいけないと思ってます。

――アルバムには「SEE YOU」「君へのラブソング〜10年先も〜」のようなラブバラードは収録されるんですか?

ああ〜〜(考え事をするような目つき)、ないですね。

――今回はガラリと方向性が変わるんですね。

でもここまで尖ってるものばっかりではないです。ただ自分の内面を歌ってる曲が多いかもしれないですね。「Midnight Party」とかはライブでこういう曲欲しいなと思ってそれに対して書いた曲なんですけど、それ以外は割と自分の内面的な部分を書いてるものが多いんで。ラブソングももちろんありますけど、「SEE YOU」「君へのラブソング〜10年先も〜」のような曲ではないですね。

――普段ならアルバムをリリースしてからツアーが始まりますが、今回はアルバムの発売がツアー終了後です。ライブはアルバムを予感させる内容になるんでしょうか。

結果としてこうなりましたが、アルバムの曲もツアーでやると思いますので、ライブで曲を成長させていって、アルバムを出した後、みんなが「あの時の曲や」って、ライブで聴いた曲を今度はアルバムで聴いてもらって好きになってもらえたらなと。いろんなパターンがあると思うんですけど、曲だけ聴いて好きになるパターンと、映像から入って好きになるパターンと、ライブを観てから好きになるパターンと。

――ありますね。

だからそのパターンかもしれないですね。ライブを観て曲を好きになって、アルバムでようやく自分の耳で聴けるという感じですかね。

――昨年の10周年記念ライブでは、派手な椅子に座って俺様キャラ的に観客を酔わせてましたけど。

(笑)。

――今までになくアグレッシブなナンバーがあるので、ステージでもその世界を体現するのかと。

今までのライブもそんな雰囲気といえば、そんな雰囲気なんですけど、決して俺様がやりたいわけじゃなく、俺は俺なんだぞって、それを見せたいというか。去年のライブは世界としてちゃんと創り上げたものをみんなに見せたかったんですよね。なんとなく曲をやるだけじゃなくって、僕もアイデアを詰め込ませてもらって、あの椅子も玉座を作りたかったからお願いして、デザインもいろいろ考えたんです。

――ドレスコードも設けてましたね。

そうですね。ドレスコードも黒にして、10年くらい前からそこから創り上げていく世界観が好きだったんですよ。それこそディズニーランドは世界が出来上がってるじゃないですか。園内に入ったら外界が見えない。入った瞬間からキャストも出来上がってて、そういう世界が好きだったんで。だからファンのみんなにも手伝ってもらってドレスコードを設けたんです。

――当日の空気感はいかがでしたか?

すごいですね。黒ばっかです(笑)。外で並んでる時も黒い人たちが並んでて、カッコイイと僕は思うんですよ。

――ファンの人たちも一体感が生まれるのでは? 今回のドレスコードは?

今回は設けないかもしれない。あ、でも、まだわからないな。

――15歳でニューヨークに行き、本場の音楽に触れた影響は今生かされてますか?

生かされてますよ。今でも海外アーティストのライブとかはアメリカで観たくて、ライブはやっぱお客さんと作るものだと思ってて、向こうってやっぱスゴイんすよね。もちろんアーティスト本人のパワーもスゴイですけど、お客さんのノリも素晴らしいんです。日本には日本の良さがあると思うんですけど、海外アーティストのライブは向こうで観たいなって思います。

――違いますか。

正直、全然違いますね。ちなみに去年ニューヨークに行った時、ブルーノ・マーズさんのライブを観に行ったんですよ。東京は行けなかったんで、ブルックリンにあるバークレーセンターで観てきました。でもブルーノ・マーズも楽しかったんですけど、僕が今までで一番くらったのは、カニエ・ウェストというラッパーのイーザスツアーで、同じくバークレーセンターだったんですけど、一人でチケット買って行ったらけっこう近い距離で観られてカニエとハイタッチできて。

――それはすごい!

ラッキー!みたいな。ちょうどその時、ケンドリック・ラマーがオープニングアクトで出てたんですよ。彼もすごい好きだったんで超興奮しましたね。ラップとかみんな大合唱なんですよ。正直、今日本でもラップの文化出てきましたけど、あ、これをみんなが歌うんだって。その感じがカッコイイんですよ。

――優也さんが日本で是非それを先駆けてください。

そうですね。だからけっこう僕もそういうものを求めちゃうし、ファンはそれで盛り上がってくれたりするんで、すごい嬉しいです。やっぱりそこから作り上げていかないと、そもそも音楽自体の成長が全体的に上がっていかないし、ライブをそうやって作っていかないとダメだと思うんで。もちろん自分が一番頑張らなきゃいけないですけど。

――ダンスヴォーカルグループ X4の活動もされていますが、棲み分けはどのように?

ソロは松下優也オンリーの世界観、純度100%みたいな感じですけど、X4やってて僕がいいなと思うのは、僕が持ってない引き出しだったり、僕が持ってない価値感だったりがあるので、そこで僕は刺激をもらってるし影響されてる部分はありますかね。こういう良さもあるんだとか僕の知らないものを知ることができたりとか、空間的なものをものすごく考えるようになりましたね。

――空間?

サッカーとかやってるスポーツ選手にはもしかしたら重要なのかもしれないですけど、空間の把握能力みたいな。舞台とかやっててもそうなんですけど、誰もこっちに出ないからこっちに行こうとか。ちょっとした空気感が少しずつわかるようになった気がしますね。とくにこれと言って教えられることはないけど、3人から俺が教えられるこもあるし。

――俳優業も音楽にいい影響を与えますか?

ありますね。お芝居はちゃんとその話に入って役になるべく近づきたいって思いがあって、すると役として体験することが疑似体験みたいで、その時の感情って、松下優也として普段生きてると感じることのない人生を感じられるじゃないですか。そこで芽生えてくる感情だったり気持ちが曲に生かされたりはありますね。

――新しい自分を発見するとか。

しますします。その時はすごい面白いなって思いますね。俺ってこんな表現するんだみたいな。自分なんだけど自分じゃないみたい。ちょっと前の作品とかたまたま観たりすると、俺ってこんなんやってたんだって、人ごとみたいに思うんですよね。

――昨年はミュージカル「ロマーレ」でホセ役を演じていましたが、今年もそういうチャレンジは?

無理に止めてることはないんですけど、お話があればやるかもしれないですし、まだわからないですね。

――発声の仕方が、ミュージシャン松下優也とは違いますね。

全然違いますね。教えてもらいながらやりましたね。

――これだけやれることが増えると選択肢も広がると思いますが、一体どこに向かっているのでしょう。

芝居でもそうですし、音楽でもそうなんですけど、結局は自分の頭の中で描いているものを、音楽やお芝居というものを使って、それをカタチとして表現したいだけなんで。歌手だし、ラッパーだし、ダンサーだし、俳優だし、プロデューサーでもあるし、いろんな面がありますけど、アーティストでありたいと思います。

――すべてにおいてアーティストでありたい、と。

全部を通して。やりたいことは細かくいっぱいあるんですよ、こういう曲でこういう映像録りたいとか、こういうライブやりたいとか。僕の活動を見てくれてる人に、生きてる間には忘れることのないずっと残る何かを作れるようになりたいんです。一瞬で消化される、消耗されていくものではなくて、その曲があるからとか、僕の存在があるだけでちょっとした支えになってるとか。今回のアルバムで、”永遠の一滴”っていうフレーズを入れた曲があるんですけど、液体って一滴でも入っちゃったら混ざっちゃうじゃないですか。その永遠の一滴を、なるべく自分を見てる人たちに落としていきたいんですよね。

――俄然、気になりますね、その曲が。

素通りされるのではなく、永遠に残るもの。ずっとメインとして残るものじゃなくてもいいんですよ。どこか片隅でいいんです。ずっと残せるものを作れるようになることが理想ですね。

――今年の目標は?

とりあえず「BLACK NEVERLAND」でできることは、ツアーがあって、アルバムを出すことで、リリースされたらもう僕の手から離れるものなんで、どうやって聴いてもらえるかはみんなそれぞれにまかせたいと思ってます。X4のライブもあるし、まだ曲を増やしたいし、映像の作品もいくつか作りたいなって自分の中では思ってます。

――先ほどこんなライブがしたいという構想があるとおっしゃってましたが、具体的に教えてください。

いろいろ思うのは細かい演出ですね。去年の『BLACK NEVERLAND』でも、たとえばレーザーで自分が囲まれてる真ん中で歌いたいとか、アイデアを出せてもらったんですけど、いつか車で入場したいですね。ランボルギーニとかで(笑)。そういう構想はあるんですけど、漠然とした夢はなくなりましたね。子どもの頃に持ってたような。でっかいところでライブやりたいとかじゃなくて、ちっちゃい目標みたいなものを自分の中で立てて、今日はこうしようとか、人に対してこうするようにしようとか、そういう目標を一個一個たてることによって未来ができていくと思うんで。先のことばかり考えて逆算できてないと意味ないんで。

――そのうち歌手としての優也さんを見て、この人が朝ドラ「べっぴんさん」で栄輔役をやってた人なの!と驚かれるのでは?

今でも朝ドラのことは言われますよ。影響は大きいですね。だから逆にね。そうなれば面白いですね。


インタビュー・文/深見恵美子



New Album 「BLACK NEVERLAND」 2019.3.27 Release
[初回盤]

[通常盤]

松下優也 Official Website http://www.matsushitayuya.com
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