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圧倒的個性を放つ歌声とメロディーセンスで注目のロザリーナにインタビュー!

2018/12/21 15:30

「自分の中から出てきた気持ちしか歌いたくない」まっすぐなポリシーを貫くロザリーナに、アニメのEDテーマとして書き下ろした楽曲についてインタビュー


 圧倒的個性を放つ歌声とメロディーセンスで注目を集めている新進気鋭のシンガーソングライター、ロザリーナ。そんな彼女が今回、少年サンデーにおいて“伝説の名作”と呼ばれる漫画『からくりサーカス』(原作・藤田和日郎)のアニメ化に伴い、エンディングテーマ曲の書き下ろしを担当した。ファンタジックでどこかミステリアス――ロザリーナ独自の世界観と、『からくりサーカス』のストーリーがどういった形で融合するのかはとても興味深かったが、嘘偽りのない自分自身の言葉で歌うことに彼女はこだわった。ただストーリーの一部や延長線上ではなくて、ロザリーナの言葉で改めて産み落とした書き下ろし曲「マリオネット」を含む2ndシングルについて話を聞いた。



誰もマリオネットなんかじゃない


――11月28日に2ndシングル「マリオネット」がリリースされました。表題曲はアニメ『からくりサーカス』のエンディングテーマになっていますね。書き下ろしは初めてだとのことですが、いかがでしたか?

今回、『からくりサーカス』の他にも『うしおととら』(同作者の漫画作品)などを読んで、藤田先生の“まっすぐな言葉”が印象的だったんです。よく知ってる言葉なんだけど、まっすぐさにすごく感動させられたから、「マリオネット」もストレートな言葉で書きたい!と思っていました。

――『からくりサーカス』は人間と懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形使いらが登場し、戦いを繰り広げていく話で、「マリオネット」は作中に登場する超人的な人形使い・しろがね(エレオノール)の歌ですよね。普段はご自身の思いや考えを歌詞にしていくと思うんですが、今回はしろがねの気持ちになりきって歌詞を書いた感じでしょうか?

そういうわけではないんです。しろがね目線で歌詞を書くことは決めていたけど嘘は嫌で、作品を読みながらしろがねに対して共感できるポイントを探しました。

――例えば?

しろがねは感情表現があんまり得意じゃなくて、心から笑ったことがない人形みたいなところがあるんです。「人形を操る人形になりなさい」って言われたりもするんですけど、それって私たちでいう、学校とか会社とかルールがたくさんある場所で、思い通りに振る舞えずに上の人の言うことを聞かなきゃいけないって状況と重なると思ったんです。

――そこを掘り下げていったんですね。

マリオネット(操り人形)みたいに社会に操られているような感覚になったこと、私はあるし、他の人もあるかなと思って。でもそうやって世界が嫌になっても、しろがねが鳴海という登場人物に出会って変わったように、私たちも何か一つ、誰か一人との出会いで一変することもある。そういうときって「何かがしたい!」とかすごくwantな気持ちを持っているはずで、本当は誰もマリオネットなんかじゃないんです。

――しろがねの歌だけど、しろがねになりきったわけではなく、あくまで共感できる部分を自分の中に一度落としこんでから、改めて自分の言葉として歌詞にしていったんですね。

そうですね。自分の中から出てきたことしか書きたくないって思いがあったので。


人間の心の光と闇は表裏一体、両方あって成り立っている


――カップリング曲「タナトス」のタイトルが示す意味を教えてください。

“タナトス”は語源がギリシャ神話での“死”を象徴する神様が語源の、精神分析用語でも“自己破壊”とか“死への欲望”という意味で使われる言葉だそうです。今回はその意味合いから、総じて“ネガティブシンキング”や、人間の闇の部分という意味で使っています。

――なるほど。歌詞の中で「お前は誰だ」とか「今更何をしてくれるんだ」という誰かから誰かへの訴えのようなフレーズがあるのが気になりました。

タナトスが「ネガティブシンキング」だとすると、対するポジティブという存在もあるように、人間の中には光と闇があると思ってるんです。人って何かをネガティブに考えれば考えるほどマイナス思考にハマっていってしまいますよね。だから闇であるタナトスが「人間なんて簡単だ」「闇にとらわれやすい」と言って一人の人間を支配しようとするんですけど、でもどこかで光がちらつく。で、タナトスは気付くんです。「僕1人じゃ回せない / その意味は世界が僕をも消せない」って。

――闇だけにも、光だけにもなれないと?

光と闇は表裏一体というか、両方あって成り立っていると思うんです。ということは、闇も消してしまうことはできないと、そういう意味の曲です。何年も前から完成してた曲なんですけどね。

――このタイミングで収録された理由はなんですか?

実は『からくりサーカス』用には、4つ曲を作りました。私のイチオシは「マリオネット」だったんですけど、『からくりサーカス』の1番悪役のキャラが「タナトス」にすごい合ってると思ったので「タナトス」も入れて提出したんです。そのタイミングで初めてアレンジしてもらったら、すごく良くなったんで、今回リリースすることにしました。


長く付き合っている恋人の曲を書きたかった。「愛してるよ」って聞こえたらいいな


――3曲目の「Stereo」はどういったテーマの曲ですか?

私まず歌詞を書くときに知っていそうな言葉でもあえて意味を調べてみたりするんですけど、今回「ステレオ」って検索したら「LとRに振り分けることで作り出される立体感や臨場感」って書いてあったんです。だから、LとRを2人の長く付き合っている恋人に見立てて、2人で1つになれないとこの当たり前に居心地の良い環境はないっていうこと歌ってます。失恋とか片思いの曲って多いけど、長く付き合っている恋人の曲ってわりと少ないから作りたいなと思って。

――ステレオ感はアレンジでも意識されたり?

そうですね、左右に音が振ってあって、右と左でそれぞれ違う音が入ってます。2人で1つなんで、イヤホン1個だけだと曲として完成しないようになっています。

――是非リスナーの方には意識して聴いてみてほしいですね。ところでこの曲は英語詞が多いですが、ロザリーナさんは日本語においても独特の発音をされているように感じます。

日本語もですか!? 特に意識はしてないんですけど…。

――どことなく異国語を聞いているような心地で引き寄せられるというか、たまに「ん、今なんて歌ったかな?」となって意識的に聴かせるフックにもなっているかと思います。

そういえば、「Stereo」に関しては少し歌い方を意識しているところがあります。前に、洋楽をぼーっと聴いていたら、全部英語の歌詞なはずなのにふと「愛してるよ」って聴こえたことがあって。調べたら、本当は「I’m still here.」って言ってたんですけど。

――あ、それってこの曲も!

「like stereo」の部分が「愛してるよ」に聞こえたらいいなと思って書きました。

――聴こえました!

正しくは「当たり前のlike stereo」なんですけど、「当たり前の愛してるよ」でも意味は通じるし。そう聞こえたなら成功、やったー!(笑)

――作為的にでなく、さりげなくやれてしまうところが素敵です。

隠れたメッセージなので、まずは聴いてもらってからネタバラシしたいですね。


自分が作ったものに対して何かをしてもらえるのがすごく嬉しい


――内容の濃い3曲が収録された2ndシングル。改めて、完成したものをご自身でどう感じられますか?

「タナトス」と「Stereo」は、こうしたい!というイメージをアレンジャーさんに形にしてもらって、もう本当に思っていたとおりの良いものになりました。

――「マリオネット」はどうですか?

「マリオネット」はデモの段階では、ボーカルとピアノとギターだけの曲で、もっとテンポも遅いバラードっぽい曲だったんですけど、アニメで流れるとなると尺の都合があったりするのでテンポが速くなったりと、色々変わりました。

――当初イメージしていたものとは変わったものが出来上がってみて、どう思われましたか?

「マリオネット」をアレンジしてくださったTeddyLoidさんのことは元からすごい好きだったので、イメージがどうこうというよりも、音源が上がってくるのがただ楽しみでした。「お任せします!好きなように料理してください!」って言える人なんです。実際にTeddyLoidさんのアレンジですごくノリが良くなりました。特にドロップという、間奏やアウトロでの私の声が機械音のようになっているあれはもう最高!

――機械音のようなエフェクトは生身の人間ではないという意味で、マリオネットの世界観にも合っていますね。すごくいいエッセンスだと私も感じます。

尺的に、ドロップ部分を削ってもう少しテンポを落とす案とかもあったんですけど、どうしてもあれは無くしたくなくて、今の形になりました。すごくかっこよくなって、いい刺激になりました。やっぱりもとの曲は1人で作ってるから、自分が作ったものに対して何かをしてもらえるっていうのがすごく嬉しいんで、アレンジしてもらうのも嬉しいです。まだまだ生まれたてのベイビー(曲)たちがたくさんいるんで、その子達に早く服を着させてあげたいです。

――ベイビーがたくさん(笑)

はい、子だくさんなんで(笑)


目標は沖縄ファイナルの全国縦断ツアー


――2018年4月のメジャーデビューから半年ちょっと経ちますが、デビュー前と比べて感じることはありますか?

すごい変わったということはないんですけど、アレンジャーさんとか関わる人が増えたり、いろんな場所に行く機会が増えました。曲を聴いてくれる人も、ライブに来てくれる人だけじゃなくて、会ったことのない人たちにも届いてる気がして、モチベーションにも繋がってます。

――春には初めてのワンマンライブも東京・大阪で決まっています。意気込みをどうぞ。

意気込みか…えっと私、ギターのコードを覚えるのが苦手で。曲を作るときは楽しいんですけど、アレンジで少しコードが変わったりもするし、完成したコードを暗記するのがなかなかできなくて。だからライブ前はいつも必死で他のことに集中できなくて、スタッフさんとかにも「今は何も言わないでください!」みたいになるんですよね。

――それだけ一つ一つのライブにエネルギーを費やされてるんですね。

せっかくお客さんが時間を作ってきてくれるんだから、それに絶対応えないといけないし、失礼がないようにしなきゃと思ってます。だから、「もっと練習しておけばよかったなー」って後悔しないように、ワンマンに向けても定期的に練習しないといけないですね。(苦笑)

――ロザリーナさんにとって、今の目標ってなんですか?

全国ツアーしたいなって思ってます。北海道から始めて、全国回っていろんな場所でライブして、最後に沖縄で打ち上げします! とりあえず今はそれが目標です!


インタビュー・文/岡部瑞希


New Single 「マリオネット」 Now on sale

ロザリーナ Official Website http://lozareena.com
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