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初の47都道府県ツアーがスタートしたwacci 橋口洋平にインタビュー!

2018/12/14 11:00

初の47都道府県ツアーがスタート!

「wacciがどんな生き様をさらしているのか、ぜひ見に来てやってください」(橋口)


日常を切り取り、どんな人のそばにでも寄り添って歌う。
泣いたあとにちょっと笑えるような、笑ったあとはもっと笑えるような歌を届ける5人組バンドwacciの3rdアルバムは、全力で泣かせにかかる至極の「群青リフレイン」(11/7発売)。
そのアルバムをタイトルに、初の47都道府県ツアーをスタートさせたwacciのボーカル&ギター、橋口洋平さんにインタビュー!



――1stアルバム「日常ドラマチック」、2ndアルバム「感情百景」と来て、3rdアルバムは「群青リフレイン」。いつもまずタイトルに惹かれます。

嬉しいですね。タイトルはいつも悩むんです。大体30パターンくらい考えて、メンバー内で誰が何を選んだかわからないように多数決を取るんですが、共通して選ばれている言葉がいつもあって。今回は「群青リフレイン」がそれだったんです。

――アルバムタイトルにも通じる「群青」という曲は、自分らしく生きればいいというシンプルなエールではなく、孤独を背負って自由になれと、覚悟をも描いた力強い歌。

若い頃のことを“自分は青かった”と表現したり、青春という言葉にも青が使われているけれど、本当はみんな誰もが大人になんかならずに、自分自身を価値のある青に磨いていくものなのかなと。群青は、本来なかなか採れないウルトラマリンから作られていて、昔から価値のある色とされていたんですよね。それっていいなと。アルバムタイトルに“リフレイン”をつけたのは、いくつになってもより濃い青春がリフレインしていくという意味と、CDを何度もリフレインして聴いてくれたらという想いを込めてつけたんです。

――完成した今、どんなアルバムになったと思いますか。

このアルバムはけっこう新しいことに挑戦しているんです。今までは全員でアレンジしていたのを、この曲はギターの村中が、この曲はピアノの因幡がと、それぞれでリーダーシップを取ってアレンジしたことで、各自が持っている音楽性にブレーキをかけずに発揮させた突出したものが出来て。たとえば「タフネス&サバイバー」や「月のむこう側」は村中のアレンジで、すごくブラックミュージックのテイストが出ている。5人で“せーの”でアレンジしたら、なかなかここまで振り切れなかっただろうなと思うんですよね。ああでもない、こうでもないと相談して出し合う形ではなかなか出せないカラー。そういう部分でサウンド的にもバラエティーに富んだものになっているなというのが一番変わったところではありますね。内容的には今までwacciを活動してきて、お客さんに教えてもらった、「wacciってこういう感じの良さがあるよね」というところも引き継ぐ曲もあれば、いい意味で裏切るちょっと攻めた曲もあったりと、今のwacciだからこそ出来た3枚目のアルバムだと思っています。

――攻めた曲というのは「別の人の彼女になったよ」でしょうか。

そうですね、これは今までだったら入れなかったと思うんです。

――タイトルを見たら聴かずにはいられない曲ですね。つきあっていた人に対して語り掛ける口調で、今の彼との違いを並べていくところから始まるわけですが、さまざまなシーンで比べている時点で、主人公の元彼への想いが感じられる。この世界観に対して賛否両論の反響があるそうですね。

共感する人もいれば、そうでない人もいますね。“ちょっとこの気持ち、知っている”っていう、そういう歌になればいいなと思ったんです。

――私はこの主人公に見え隠れする“幸せに対する計算”のようなものが憎めないのですが、橋口さんが女性の複雑な感情を、ここまで見事に描かれることに驚きもしました。

まさにそういう人が周りにいるんです。じゃあ前つきあっていた人に戻りたいのかというと、そうではない人もけっこういる。忘れられない恋愛として、自分の中で大切にしつつ、今の人と幸せになっていく人もいるんですね。

――1番で、今の恋に幸せを感じている、きっぱりした女性だなと思ったら、2番で…。

しっかり後ろ向きですね(笑)。これも今までのwacciらしさでは多分、ない。でも、こういうのも全然歌っていいバンドだと思ったんですね。

――ほかに、攻めた楽曲と言えば。

サウンド的に攻めたなというのは「Answer」や「ヒーロー」ですね。ベースの小野がアレンジしているんですけど、かなりテクニカルなことをやっているので音楽を本当に好きな人も、聴くと楽しめる要素が詰まっていると思いますし、他にも最初に話した、村中が作詞・作曲した「月のむこう側」も今までにないテイストだと思います。歌詞の内容もちょっとセクシーというかロマンティック。「花束にして」もこういうザ・家族というか、親への歌みたいなものは今までになかったので、それも新しいのかな。

――心を素直にしてくれる、届けたい、届けられたい歌ですね。なぜ今、家族に宛てた楽曲を。

僕らはバンドだけれど老若男女問わず、いろんな世代の方に聴いていただける、まっすぐな王道ポップスをやっているつもりなので、ラブソングや応援歌だけでなくて、いつかこういう歌を形にしたいと思っていたんです。

――このアルバムの1曲目を「最上級」にした理由はなんですか?

6年続けてきて、wacciがやっと見つけた僕らのアップテンポというものがこの曲に出たなと。ギターロックではない疾走感、アコースティック中心で、でも全体的にはカントリー要素もある楽曲。あと、「自分でもコントロールが効かないくらいの衝動的な恋の歌」を今まで歌ってこなかったので、こういう覚悟みたいな、このアルバムは一味違うんだぜ!みたいなものが1曲目にいいなと思ったので決めました。

――メンバーで、それぞれの“最上級の恋”について語ったりとかは。

ないですね。男5人でそんな話、気持ち悪いですよ(笑)。でもどうですかね? ギターの村中なんかは、この歌詞ぐらいのストレートな人間なので共感するかもしれないですね。僕自身も自分の中にどこかこういう部分があるんだと思いますし。触れたい、見つめて、塞ぎたいっていう感情は、ほじくらないと出てこないものなので、なんとか自分の中から引っ張り出してきたんだと思います。

――そして“その向こう側の景色を信じよう”という応援歌「ワンセット」へ続きます。

今までのwacciが送ってきた「大丈夫」や「宝物」のような歌の流れにある、今のwacciの応援歌ですね。“応援するよ 頑張れ 負けるな”って歌っているんですけど、なかなかここまで言い切ったことは今まで無かったし、聴く人によっては押しつけがましく聴こえるかもしれないですけど、その他の部分で、この言葉に対する説得力を持たせればいい歌になると思って書き上げたんです。それがうまく書けたので良かったです。

――応援歌って難しいですね。

そうですね。ポジティブな言葉が無くても救われたりすることもあれば、とにかく前向きなだけの歌に救われることもある。応援歌は一番慎重に作りますね。この曲はけっこう間(あいだ)が取れているかな。

――「ヒーロー」も胸に来ますね。誰かに自分の可能性をジャッジなんてされたくないなと。

「ワンセット」もそうですけど、応援歌って同じような内容を、どれだけ違う視点やハッとする言い方で表現するかが大事だと思いますね。「ヒーロー」は“限界なんてないさ”というところですね。限界を自分で決めるな、みたいなことを言いたかったんだと思います。

――「空に笑えば」は、高校球児や若い世代に注目されてTwitterやTik Tokで盛り上がり、LINE MUSICでリアルタイムランキング1位、BGM設定ランキング1位など次々首位を獲得した歌。

この歌は、青春を送るみなさんに、「これまで」と「今」と「これから」を感じられるような曲を作りたかったんです。今どんな青春を送っていて、それがこれからどんなふうに輝いていくのかを、今だから、今の視点から、今、青春を送るみなさんに届けられたらと。そうしたら、夏の甲子園(全国高校野球選手権)に感動した人が動画にこの歌をつけてSNSにあげたことをきっかけに広まって。そういう意味ではちゃんと目指して書いたところに響いてくれたことが嬉しいです。

――YouTubeの再生回数が190万回超え。そのミュージックビデオでは、さまざまな青春のシーンが。

積み重ねたもののほうが、出来上がったものより大事な時期ですよね。曲が一点に集中して歌っているので、ミュージックビデオではいろんな視点から青春を描いています。

――ライブで絶対盛り上がるのは「Have a good day」。

みんなで歌える歌はライブで大事なので。ここまでライブを見据えて作った歌も珍しいかもしれないですね。

――「タフネス&サバイバー」もライブで聴きたいですね。主人公の痛々しさがコミカルに描かれていて、いきなり世界情勢を語る視点の面白さも混ざり、妙な魅力があります。

たかが飲み会の席で、どれだけ背負ってるんだという面白さまで伝えられたらと作ったんです。主人公は存在を忘れられながらも、ちゃんとお金を払って日本の景気にも貢献している!と楽しんでいます(笑)

――「wallflower」も心をギュッ、としてくれますね。

ありがとうございます。春の歌で、普遍的な広いテーマですね。

――「Answer」は遠距離恋愛の歌。でも淋しさよりも、会える日の輝きが描かれて、会えない日々の答え合わせをする物語が暖かい。

僕自身、遠距離恋愛をしたことがあるんですが、いいとこ取りした歌ですね。なかなかここまでうまくいかないものではあると思うんです。あとはお客さんに対する気持ち、ライブで会える気持ちも重ねた歌なので、その想いも感じてもらえたら嬉しいです。

――来年の12月で結成10年。ご自身ではwacciにどんな変化を感じますか。

今までは、みんなでwacciという像を作り上げていた気がするんですけど、もう少しやりたい音楽をやろうというか、やりたいこと、歌いたい言葉を歌おうと少しずつシフトしていってるような気がしますね。だから10年目は、みんなに聴かれたいというのはもちろんなんですけど、そのためにもう少し自分の信じた音楽を、フィルターを通さずちゃんと自分達の言葉で音で伝えていきたい。そういう、いい意味でのエゴが出てきた気がします。

――「群青リフレイン」を引っ提げて、wacci初となる47都道府県ツアーがスタート。

お客さんと一体となって、次に向かって自身を運んでいくバンドだと思うので、47都道府県を巡るのは向いていると思うんです。それぞれの日常を過ごしている場所に自ら届けに行くということが。初日が、お客さんに支えられてかなりいいライブになったんですね。さらにここからどんどん数を重ねるごとに絶対進化していくはずですし、本当に多幸感というか幸せな空間を作れたらいいなと、このライブでは思っています。泣いて笑って、いろんな感情があふれて、その翌日からの日々が思い出を胸に頑張っていけるような、そういう“残るライブ”をしていけるんじゃないかと思うのでぜひ受け取りに来てほしいです。

――では最後にメッセージをお願いします。

「群青リフレイン」という、今だからこその最高傑作が出来ました。とはいえやっぱりみなさんの日々で聴いていただいてこそ曲が輝くというか、進化するので、ご自分の日常をこの楽曲に重ねていただいて一曲一曲を名曲にしていってほしいと思います。そして僕らこの47都道府県ツアー、覚悟を持ってやっている部分があるので、脱サラしてメジャーデビュー7年目を歩き始めたwacciがどんな生き様をさらしているのか、ぜひ見に来てやってほしいと思います。


インタビュー・文/早川矢寿子


New Album 「群青リフレイン」 Now on sale

wacci Official Website http://wacci.jp/
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ライブ情報

wacci
wacci 1府1県ツアー〜静岡リフレイン〜

2019/07/25(木)
Live House浜松 窓枠
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