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代表曲が網羅された初のベストアルバムが完成した春奈るなにインタビュー!

2018/12/10 19:00

2012年にシングル「空は高く風は歌う」でデビューして6年7ヶ月目。
これまで「ソードアート・オンライン」「<物語>シリーズ」「冴えない彼女の育てかた」など、数々のテーマソングを担当してきた春奈るなの初ベストアルバムは「LUNA JOULE」(11/7発売)。
アジア諸国や欧米諸国でのライブイベントにも数多く招聘され、その人気は日本国内に止まらず、キュートなルックスと、深く芯のある歌声で多くの人を魅了している春奈るなさんにインタビュー!



――まさに集大成と呼ぶに相応しいベストアルバムが完成しました。まず、アルバムタイトル「LUNA JOULE」への想いをお聞かせください。

“JOULE”はエネルギーの単位なんです。音楽はエネルギーが発生するものだし、私を支えてくれている人達みんなからエネルギーをもらうので、エネルギーの集合体という意味でつけました。私のファン=“るな充”はリア充に対抗する言葉でもあって、るな充はリア充より充実していて楽しいよ!っていうことをずっと言っているので、アルバムタイトルには略すと“るな充”になる言葉がいいなと探していたんです。色々候補があった中“JOULE”がすごくシンプルで、しかもエネルギーの単位。これはすごくいいタイトルになるんじゃないかということでつけさせていただきました。

――完全生産限定盤と初回生産限定盤はCD2枚とBlu-ray Disc付き、通常盤はCD1枚。楽曲はどんなふうに選んでいったものですか?

共通のDISC-1はシングルをリリースした順番なんです。デビュー曲の「空は高く風は歌う」から始まって、最新の「Overfly -orchestra ver.-」まで並んでいて、この盤で春奈るなの歴史をたどったり、表現力やテクニックなどの成長も楽しんでもらえるかなと思います。DISC-2はライブだったりファンの間での人気曲などが収録されていて、いつもライブに来てくれている人にはおなじみで、アニメの楽曲だけ知っている人にとっては「るなちゃん、こんな曲を歌っていたの?」って発見してもらえるような盤。このアルバムはある意味私の名刺代わりになっていますね。

――新録曲として注目されているのは、代表曲「Overfly」をオーケストラアレンジにした「Overfly ?orchestra ver.-」。

6年ぶりにスタジオ作業でこの楽曲にふれて、しかも違う表情を見られて感慨深い気持ちになりました。時の流れもすごく感じましたし。この楽曲はTVアニメ『ソードアート・オンライン』フェアリィ・ダンス編エンディングテーマとして何回も歌わせてもらって、この作品がきっかけで海外に呼んでいただくことも増えて、海外に行くとみんなこの楽曲を口ずさんでくれたりするので、自分にとっても大切な一曲でもあるんです。だからいっそうオーストラバージョンという一面も得られて嬉しかったです。

――公式サイトには、るな充による、るな充のための「LUNA JOULE」特設ページが開設され、全29曲るなさんによる楽曲解説を掲載。一曲一曲ていねいに書かれた解説に、楽曲への愛があふれていますね。ここでその中からDISC-1とDISC-2それぞれ3曲選んで想いを聞かせてください。

3曲ずつですか? うわー、難しい…全曲思い入れがあるんですけど…うーん、でもやはり、さっきお話したオーケストラバージョンの原曲「Overfly」は、春奈るなを海外に連れて行ってくれた楽曲でもありますし、音楽や歌詞で言葉の壁を乗り越えて心と心がつながりあう、そういうシーンを生み出してくれる楽曲なので想いが深いですね。もう1曲は「君がくれた世界」。これは等身大の私を歌詞の中で描いていただいているんです。生きていることは尊くて素晴らしいと、いろんなものに感謝を込めた楽曲でもあって、ファンの間でも人気があるんです。

――“新しい世界で まだまだ変わっていけるよね”というフレーズが背中を押してくれますね。

自分の世界にふさぎこんでしまわないで、いろんな所に目を向ければ仲間がいる。好きなものがきっかけになって、いろんなものを連れて来てくれる。そういう世界があるから、目をそらさずにもっと前を向いていこうっていうメッセージがこの曲にはあって、それは私自身が伝えたいことでもあるんです。だからこの曲も大切ですね。そしてもう1曲は「JUSTICE」(PS4/PSVita用ソフト『Fate/EXTELLA-LINK』オープニングテーマ)ですね。これは「Overfly」や「君がくれた世界」とは打って変わって、ハードでクールなロック。「るなちゃん、こういう声が出せるの?」と、ギャップに反響があった楽曲で、そのギャップをスパイスに出来るなって個人的に思っているんです。なので、この曲から「桃色タイフーン」(TVアニメ『ゆらぎ荘の幽奈さん』オープニングテーマ)への曲の世界観の変わり具合が聴きどころ。いきなりかわいらしい世界観になるので、それもアニソンの魅力のひとつだと思うんです。ひとつのジャンルではなく、いろんなところに派生していける。作品ごとの世界観に合わせた新しい表現に出合えていくので広がります。

――るなさんは作詞もされていますが、どんな風に作っていくのでしょうか。

原作があるものはそれを読んだり、原作が無い時も台本をいただくので、ある程度その世界を把握して、イメージしたりキャラクターになりきったり。イメージソングに近い世界に書きたいと思いつつ、一か所だけどの世代にもささるワードを入れようと心掛けています。アニメファンだけじゃなくてグレーゾーンとか、私をまだ知らない人でも、「アニソンだけど共感できる」って思ってもらえるワードを散りばめるように考えていますね。

――Sakuさんとの共作で、アニメの楽曲として初めて作詞をした「Startear」(TVアニメ『ソードアート・オンラインU』ファントム・バレット編エンディングテーマ)は、素敵なタイトルですね。

ありがとうございます。このタイトルはもうなかなかの難産で…。星、スタート、涙を合わせた造語なんですが、ずっと決まらなかったんです。レコーディングの当日にSakuさんと考えて作ったので後付けなんですが、このタイトルが生まれた時は本当に気持ちが輝きました。

――ではDISC-2からも選曲をお願いします。

注目していただきたいのは、1曲目「キミノテ」。私が12年前に伊藤彩という名義で歌った楽曲なんです。今回人生初のベストということで、強い思い入れがある楽曲を入れたくて、Sakuさんにアレンジをしていただき、セルフカバーしました。かなり激しめなロックな曲に生まれ変わっています。12年経って、伊藤彩さんが春奈るなさんになって、こうやってまたこの曲を歌う時が来たのかと嬉しくなりましたね。と同時に、ちゃんと自分の夢が叶ったんだとあらためて実感できました。

――12年前の伊藤彩さんはレコーディングで緊張したでしょうね。

それが、その時は中二病まっただ中で。レコーディングも緊張というより、入り込んでメチャメチャノリノリでした。自分のイメージを歌詞カードに書いたりもしてましたし。感覚で歌っていたんだと思います。今は、この楽曲はどういう風に表現したらいいかなとか、考えが生まれてしまってますね。でもそれはある意味、必要なプレッシャーですし、聴いてくれる人に届いてほしいという気持ちが強くなったからこその想いだと思うんです。あの頃はあの頃で、伊藤彩さんには後ろをかえりみないまっすぐさが、歌声にしてもあったと思います。だいぶ生まれ変わりましたね。

――原曲は原曲で、その頃だからこそ表現できる歌として完成されているんですね。

はい。やはりいつも、今しか表現できないものはあると思いますね。「ぼくというきみへ」は、初めて自分で全部作詞をした楽曲なんです。ある意味、実体験を元にして書いた詞。私は元々アニメが好きで、もちろん今も好きなんですけど、中学の頃はアニメ好きってまだ引かれちゃう時代でした。今でこそアニメは世界で認められて、オタクとしても生きやすい世界になってきたんですけど、昔は傷つくこともあったんですね。だけど好きっていう気持ちをあきらめなかったから今アニソンアーティストになることが出来た。好きなものに出合えたことは全然恥ずかしいことじゃなくて、どんな形であっても出合えたことが素晴らしくて、素敵なこと。それをこれからも貫き通していけば、素敵な未来が待っているよっていうことを想像しながら、書かせていただきました。

――傷つきながらも、貫き通して今、ここにいらっしゃるんですね。揺るぎなさはどこから来たのでしょう。

やっぱり“好きな気持ち”ですね。小さな頃から歌もアニメも好きで、それが今の仕事を結び付けてくれたと思うので、アニメにもとても感謝しているんです。これからも音楽を通じて、アニメの魅力というものをもっといろんな国にも伝えていきたいなと思いますね。

――では、もう1曲選ぶとしたら。

「恋の期限は3年、愛の期限は何年?」ですね。なんだこれは!って思いながらも、ボカロ的に中毒性のある楽曲だと私は思っていて。これはアルバムに絶対入れて下さい!って熱望したんです。

――かなり言葉数が多い楽曲ですが、ライブでも歌うのですか?

はい。全部歌います。大変ですけど歌い終わった後の爽快感はすごいですね。ファンの人から不思議がられてます。MCの時は噛んだりするのに、歌だと噛まないの?って。私もすごく疑問なところですけど、歌詞の量が膨大すぎてわからなくなりそうなのに、ドーパミンとかセロトニンとか、カタカナが並べられるとアガるんです。私の中にまだ残っている“中二ゴコロ”がくすぐられて(笑)。言葉の羅列に対して、ああ、ここはこう表現したいとか、すごく明確に見えてくるんです。

――サイトの楽曲解説に「るな充への思いを綴った、るな充へ送る、るな充のための楽曲」と書かれていた「るなティックワード」も、いい曲ですね。

ありがとうございます。今はリニューアルしたんですが、当時のモバイルファンクラブ「るなティックプラネット」のテーマソングで、私が日ごろファンのみんなに対して思っていることが全部書かれていますね。みんなと出会ったこともいつまでもずっと憶えていたいし、そういうものをあますことなく書き綴ることが出来たなと思っています。

――“眩しすぎる太陽に目を細める日もあるけど”というフレーズがありますが、そこにはどんな想いがありますか。

人生、どうしてもつまずいちゃう時もあるし、明日が来ることが怖いと思うこともありますよね。でもそのフレーズは“この声とぼくの歌は いつも君の涙拭うためにあるから”と続くように、いつも私の心を奮い立たせてくれるのは、ファンの存在。助けられているし、乗り越えられているんだよってやっぱり言葉にしたい。感謝の気持ちとかを歌にして伝えられたらいいなと書きました。

――そしてDISC-3となるBlu-ray Discにはミュージックビデオが収録。撮影や仕上がりなど、一番印象に残ったものはなんですか?

どれも素敵な作品なんですが、撮影に時間がかかった曲は「君色シグナル」ですね。理系女子の恰好をしていたり、4人の女子に扮してひとつの画面に出演しているんですけど、同じ振り付けではなく、動きをずらす振りなので難しくて。私Aが立っている時、私Bは座っているとか、それぞれ動きがまったく違って、しかも定点カメラで撮っていたから、机は絶対動かしてはいけないと。4つの構成を崩さないようにするのが大変でした。でも苦労した分、完成度はすごくて自分のミュージックビデオなのにその世界観に惹きこまれるんです。この曲はライブでも盛り上がりますが、ミュージックビデオの振り付けはライブバージョンとは違うので、そのあたりもぜひ見てほしいです。

――デビューする時に、抱いた夢・目標は何ですか。

ずっと思っているのは、アニメと寄り添っていけるアーティストになりたいということで、それは今も変わらないですね。アニメの一部になって音楽を発信できるアーティストになりたいです。

――現時点で、その目標に足されたものはありますか。

「継続させること」ですね。もっともっといろんな音楽を歌いたい。まだ行けていない国ももちろんありますし、日本でもワンマンライブを出来ていない場所もありますので、多くの人に自分の楽曲を届けられるようになるためにも、続けることが大事で。続けるって、すごくむずかしいこと。いろんなことがありますし…。そういうものに負けずにやっていきたいと思いますね。

――想いは世界中に向かいますね。

海外のライブでは毎回、音楽に国境はないとすごく感動します。それこそ本当にアニソンを歌ってきて良かったと思うし、アニメと出会えたことも嬉しいし誇らしい気持ちになるんです。自分が初めて行く場所なのに、自分のことも音楽のことも知っていてくれてしかも大合唱してくれる。人生でそんなこと、何度も経験できることではないので尊い経験だと行くたびに思いますね。小中学生の頃は「アニメなんて」と言われていたのに、今では世界がつながりあえるコンテンツにもなっているので、アニメの素晴らしさがいろんな人に伝わっているんだなと感じています。微力かもしれませんが、自分も力になれたらとアニメ界に対して思います。

――では最後にメッセージをお願いします。

この「LUNA JOULE」を通じて、春奈るなの世界観を知ってもらいたいですし、アニソンの持っている魅力もこの一枚に詰まっていて、いろいろな層に届くといいなと願っています。今年ももうすぐ終わってしまいますが、まだまだ12月もイベントが残っていますのでみんなと楽しい時間を過ごせたらと思います。そして来年も“るな充”しましょう!


インタビュー・文/早川矢寿子


Best Album 「LUNA JOULE」 Now on sale

春奈るな Official Website http://www.harunaluna.jp/
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