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11/23に今池ガスホールでコンサートを行う元ふきのとうの坪さん。 「45周年の一歩手前ということで、ぜひ遊びに来てください!」

2018/10/17 14:00


 ふきのとうのデビューから45周年を目前にした細坪基佳が、今の自分を詰め込んだアルバム「Old Time is Good Time」を6/6リリース。年齢を重ねたからこそ見えてくる景色をていねいに綴った曲は、まるで短編映画を観ているように、聴く者の想いとともに色鮮やかに広がっていく。また、これからのフォークソングを表現した新しいかたちも魅力のひとつだ。

 お待ちかね、MCも楽しい坪さんのライブは11/23、今池ガスホールにて。

 アルバム制作について、歌へのこだわり、コンサートへの想いなどをインタビュー。



アルバム『Old Time is Good Time』をリリース

「この年齢にならないと見えない風景を歌うのも

フォークソングのひとつのありかただなって」


――アルバム「Old Time is Good Time」を聴いていると、自分の生きかたと重ねて希望をもらったり、心の景色がどんどん広がって別世界に連れていってもらえて、音楽に秘められたミラクルを感じずにはいられませんでした。

60代になってはじめてのオリジナルアルバムなんですよ。アルバムのコンセプトを考えているときに、今僕は65歳だから、初恋の歌でも恋愛に夢中になっているころの歌でも、社会批判をする歌でもなくて、いちばんのテーマは「年齢」だと思ったんです。同じ年代の人たちは会社を辞めて悠々自適に暮らす人もいれば、新しい夢に向かってもう一度立ち上がって進んでいく人もいるし、「やっと自分の好きなことができる」と思って楽しみを見つける人、伴侶が天国にいっちゃって「この歳でひとりかよ」っていう人もいると思います。そういったこの年齢にならないと見えない風景を歌うのもフォークソングのひとつのありかただなって。フォークソングは昔を懐かしむものではなくて、ずっと自分たちとともにあるんだって。例えば、子どもができて、その子どもに赤ちゃんが産まれてって考えると、自分がこの世に存在したことによって新しい命が授かり、輝かしい太陽に向かって走っていく人たちがいる。それが生きた証になるじゃないですか。そういったひとつひとつのテーマと、45年間歌い続けてきた想いをアルバムに込めました。

――歌詞に「老後」が出てきたのも新鮮で、リアルに響いてきました。とくに最後の曲「うたことば」は細坪さんの今が詰まっていますね。

11曲目まではミュージシャンたちにコーラスやハモりをやってもらっているけど、最後の12曲目だけはコーラスが入っていない、僕の声だけなんです。言葉を本当に伝えたいなと思って。


歌の中の主人公と同化するのではなく、

主人公の世界を取り巻く空気のような立ち位置で歌う


――また、橋真梨子さんの「枯れない花」のカヴァーでは、ピアニストで作曲家の妹尾武さんとのデュエットでびっくり、サプライズでした。

あははは(笑)。たけちゃんとは5〜6年前、鎌倉の居酒屋で出会って、なんだかすごく仲良くなったんですよ。コンサートの打ち上げで呑んでいたときに、イベンターさんが「妹尾さんのピアノは天から降るような素晴らしい音色なんです」って紹介してくれたの。帰りは僕のマネージャーさんの車でたけちゃんをご自宅までお送りしたら、なんと、僕の家から道路をはさんで向かい側。近くてびっくりしました。その翌日……翌々日だったかな、散歩してたら自転車が僕の目の前で止まって、よく見たらたけちゃん! これはもうご縁でしょ。以来、コンサートにゲストで出てもらったり、サポートメンバーになってもらったり、ふたりだけでコンサートをやったりしています。本当にいいピアノなんだ……天から降りてくるの。今回のアルバムでは、たけちゃんの作った曲も歌いたいなと思って探して、ゴスペラーズ、今井美樹さん、平原綾香さん、東方神起とかいろいろ作っていらっしゃる中で、橋真梨子さんの「枯れない花」が大人っぽいし、きれいな曲でね、ちょうどいいなと思って。橋真梨子さんのオリジナルでもあのパートはたけちゃんが歌っているんですよ。

――女性目線の歌の場合、どんなふうに気持ちを作っていくんでしょう?

男だと思って歌っていますよ。ふきのとう時代でも女性が主人公の歌があるけど、女性に置き換えて歌ったことは一度もないですね。あとね、歌の中の主人公と自分とを同化させて歌っていたのが、40代後半からは、僕はそこにはいない、俯瞰している感じになりました。男女の歌だったら僕はふたりを取り巻く空気のようなもの。「主人公はきっと切なそうに絶叫するだろうな」って思う部分も、俯瞰すると「そこまでしなくてもいいね」って、空気のようなトーンで歌います。だから、この年齢になっても昔作った初恋の歌も無理なく歌えるんです。

――曲を聴いていると頭の中で景色が広がる理由がわかった気がします。俯瞰することで、性別も年齢も関係なく歌の世界が表現できる。

そうだと思います。年齢的にもう初恋の男の子の気持ちになって歌えないけど、若い男女を見守っている立ち位置で歌うと、歌いかたもやわらかくなるし、いいなと思って。


11/23に今池ガスホールでコンサート

「名古屋は仲良くしたい街。毎年来られてしあわせ」


――話しは変わりますが、名古屋のファンの印象を聞かせてください。

もう45年やっていますから、僕の歌を聴きたいと思ってコンサートに来てくださる人が大半だから、どこの街でもそうは変わらないけど、名古屋の最初の印象は「よくわからない」です、反応が(笑)。「前回あんなに盛り上がったのに、今回はすごい冷めてる、なんで?」って。MCもふくめて一生懸命にやればやるほど空回りするときがあって、だんだんこっちが腹が立ってきてね、「それでも構いませんけど、別に」ってすねた態度になって(笑)。それを反省して次にまた来ると、思いのほか盛り上がったりする。最近のコンサートでこの話しをしたら、みなさん大爆笑ですよ。ディナーショーでもね、僕はみなさんにたっぷり聴いていただきたいから、ディナータイムの途中で歌いはじめるときもあったんですね。そうすると名古屋のみなさんは気を使ってくれて、食事をやめて、手を膝に置いて聴いてくれるの。まだ料理が残っているから「食べながらでいいんだよ」って言った途端にフォークとナイフとお皿の音がガチャガチャガチャって。僕は思わず「ああもう、うるさい!」って、あはははは!

――長年に渡って名古屋のみなさんとコントを楽しんでいるようで、すてきです。11/23の今池ガスホールはどんなコンサートになりますか?

僕ともうひとりギターとで2人編成です。アルバムの曲を中心に、4曲ぐらいはみなさんが聴きたい昔の曲をやって、新曲も歌うし、季節にあわせた曲もやります。アルバムの曲もギター2本だとちがう雰囲気になるので、お客さんの反応が楽しみですね。意外といい感じ、今んとこ(笑)。

――では最後に、東海地区のみなさんにメッセージをお願いします。

ふきのとうのデビュー曲「白い冬」は、故郷の北海道よりも名古屋のラジオ局でチャートが上がっていきました。そのことがずっと頭にあるから、名古屋は本当に仲良くしたい街だし、毎年来られてしあわせだと思っています。ぜひ、45周年の一歩手前ということで、遊びに来てください!


インタビュー・文/早川ひろみ


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細坪基佳 Official Website https://www.hosotsubo.com/
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ライブ情報

細坪 基佳
細坪基佳LIVE2018〜Old Time Good Time〜

2018/11/23(金)
今池ガスホール
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