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12/7(金)ダイアモンドホールにて自主企画『SUPER HIGH』を開催するENTHにインタビュー!

2018/08/31 14:00

「めちゃくちゃ無責任に好き放題に、自分たちがカッコいいと思う音楽をする」


今、名古屋で最も飛躍が期待されているバンド・ENTHが、ニューシングル「だいぽん起きろ」をリリースした。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SATANIC CARNIVAL」「YON FES」など大型フェスへの出演も急増しており、メロディックパンクやラウドシーンにおいて欠かせないバンドともいえる存在だ。今回のインタビューでソングライティングを務めるdaipon(Vo&Ba)が話しているように、ENTHは流行りの音楽や代々受け継がれてきたシーンの音に左右されることなく、自分たちの“カッコいい音楽”を突き詰めている。それがカッコよさとユーモアさが同居したENTHの音楽であり、オーディエンスの心を突き動かすのだろう。daipon 、Naoki(Gt&Cho)、takumi(Dr&Cho)のメンバー全員にENTHの根源にあるものは一体なんなのか語ってもらった。



「“誰々、ちゃんとしろシリーズ”の第二弾」


――ニューシングル「だいぽん起きろ」はENTHらしいカッコよさとユーモアさが混じった内容になりましたね。

daipon:タイトルに関しては完全に冗談だったんですけど、何故か仮タイトルがそのまま本タイトルとして決定したんですよね(笑)。

Naoki:もともとdaiponの遅刻癖がすごくて、それを直したいと思ったのかな?

daipon:直すというよりも、もう誰か俺を起こしてくれよという思いですね(笑)。

――同名の曲が2曲目に収録されていますが、サウンドはとてもカッコいいですよね。

daipon:今回は“誰々、ちゃんとしろシリーズ”の第二弾で、曲ができて歌詞を載せようと思った時にちゃんとしないといかんの俺だったなと気づいたんです(笑)。英語詞なんでどういう意味かは分からないと思うんですけど、歌詞にはアラームがめっちゃ鳴っているとか二度寝してごめんないとか、そういう内容をハードコア調に歌っています。あと「Let it die(t)〜まこっつ走れ〜」という曲もあって、それはLUCCIのまこっちゃんが一時期130キロまで体重が増えてて。さすがに痩せないとヤバイだろと(笑)。それでこのシリーズができたんです。

takumi:だけど最近はメンバー全員遅刻してきますからね(笑)。

Naoki:“ENTHちゃんとしろ!”って曲もそのうち作ることになるかもしれない(笑)。


「ENTHらしいハチャメチャで支離滅裂なMVになった」


――1曲目の「URCHIN PHANTOM」がMVとして公開されていますが、アニメ調の映像になっていて“これぞENTH!”というユーモアさが爆発していますね。

daipon:僕らが普通にカッコいい演奏シーンをMVにするのはサムいというか、イメージが全然沸かなくて。それでアニメーションでやりたいという話をしたらOKがでて、アニメのタッチはもともと『北斗の拳』のような感じでやりたかったのでそれをオーダーしたら完璧なMVができました。僕たちらしいハチャメチャで支離滅裂な感じがでたのですごく満足しています。

――メンバーが全裸になるシーンもありますが、ああいったシーンも細かく指示した訳じゃなかったんですね!

Naoki:監督の方がENTHのバンド像をしっかり掴んでくれているので、自分たちが描いているイメージとバッチリ合ったものに仕上がるんですよね。

daipon:アルバム「HENT」の時に2本MVを作ってくれている方なので、その時にENTHのバカさ加減をしっかり理解してくれたのがデカかったですね。お気に入りのシーンがあってゲーム『ストリートファイター』のコンティニュー画面のようなところがあって、そこも監督さんのアイディアで。アニメのグラフィック的にはリアリティーを追求するとめちゃくちゃ時間がかかったみたいで、本当に大変だったという話を聞きました(笑)。


「めちゃくちゃ無責任に好き放題に、自分たちがカッコいいと思う音楽をする」


――MVを観ながらだとどうしても絵に目がいきますが(笑)、曲はENTH流のメロディックパンクとラウド感が混ざっていて今後のアンセムにもなりそうですね。

daipon:メロディックパンクのシーンで活動していて、バンドサウンドの基盤はファストなメロディックでやりたいというのがあるんですけど、僕らにはメロディックパンクのルーツが一切ないんですよ。影響を受けたメロディックパンクのシーンをカッコよく広げるために活動するという責任からはかけ離れていて、めちゃくちゃ無責任に好き放題に自分たちがカッコいいと思う音楽を作っているんです。

Naoki:ルーツもクソもないというか。

daipon:そう、ENTHにとっては無責任に好き放題やるっていうことがめちゃくちゃ大事で。他のバンドマンはそのシーンへ対する愛がめちゃくちゃすごいんですよ。だけど僕らは全然音楽知らないし、ENTHは探究心がすごい低いんですよね。オタク気質じゃないというか。僕らはメロディックパンクやラウドはこういう音だというのが分からないので、とにかく自分たちのアンテナに引っかかったものをやっています。そうじゃないとオリジナルじゃないですしね。だから今流行ってるシーンとか売れてるバンドのことは一切気にしなくていいと思っています。

――自分たちのやりたい事だけを突き詰めることで、ENTHだけのオリジナリティーに繋がっていく。

daipon:伝統芸能をやるつもりは1mmもないので、とにかく今までになかった新しい刺激を音楽でやりたい中で、ENTHっていう枠組みのギリギリだったり一歩だけ片足でちゃったりっていうのをENTHというバンドが続く限りやっていきたい。それをずっと続けていくと、もしかすると“これがENTHか”というモノが中心にできるかもしれない。それを目指してバンドをしていたんですけど、ただ最近は“そんな所にまとまって落ち着くことあるのかな?”と思っています。まとまらないから続いていくし、完成したら気分良くなってやめちゃうだろうし。

――Naoki さんとtakumi さんもそこは同じ気持ちですか。

Naoki:daiponとバンドをやりはじめて5〜6年経って、同じ時間を多く過ごしてきたのでそうした感覚はすごく同じです。曲に関してもギターリフからドラムの構成までdaiponが作ってくるからtakumiも同じ気持ちだと思いますね。

takumi:同じです。あとdaiponはドラムに対するこだわりはすごいですね(笑)。キックの入れる位置も細かく決めているので。

daipon:将来はバスドラムになりたいぐらいドラムが好きです(笑)。

Naoki:頑張れ〜(笑)。最近は自分でギターリフを作る時もdaiponのリフに似てきてるというか、自然とENTHっぽいギターリフになってるなと感じることが多いですね。

daipon:音楽的な基盤が全くないのでENTHの曲しか作れないし、弾けないです。メンバー全員楽器がうまいっていうよりも、“ENTHはちゃんとできる”っていうのが良いところだと思ってて。そこに関して最近グッと伸びてきているのを自分たちで感じていて、だからミュージシャンとして成長したいというよりかはENTHとしてレベルアップしたいだけなんですよね。その他の事に目を向けてないからこそ、ENTHに懸けられる。


「自由や、人生で一生つきないテーマについて歌っている」


――「URCHIN PHANTOM」は“どこ行けば自由を探し出せるだろう”というフレーズが印象的ですが、歌詞はどのようにできたんですか?

daipon:2014年ぐらいに作ってお蔵入りした曲を作り直したのがこの曲で、その頃にだしたミニアルバム「Never Let Go」がすごく暗い作品なんです。ネガティブなものをネガティブなままだしてる時期の曲で、なので着地点がどこにもないまま曲が完結していて。2015年ぐらいからはネガティブなものをポジティブに変換してアウトプットする意識が強かったんですけど、「HENT」が明るいアルバムだったのでその反動で「URCHIN PHANTOM」のような曲をやりたくなったのかもしれないですね。“明るいENTH良いね”と言われると、“うるせー糞が!”となるので(笑)。

一同爆笑

daipon:それと歌詞に関しては自分の中でこの曲の答えを導き出してあげたかったのもあって、ポジティブな気落ちの時に“こういう考え方もあるじゃん?”というのを書きたかったんです。でも自分の気持ちって1日単位じゃなく、むしろ分刻み、秒刻みで考え方って変わっていく。この歌詞は人生を生きる上での永遠のテーマみたいなものになったなと思いましたね。

Naoki:それ俺もめっちゃ思った。人生の中で自由や自分を見つけることってすごく難しいからこそ、この曲の歌詞を聴いた時にそう感じた。

daipon:近いものほど見つからなかったりするし、自分のことを自分がわかってなかったりもするし。“じゃあ自由ってどこにあるんですか?”“自由ってなんなんですか?”という問は一生つきないと思うし、一生つきないからそういう歌がずっと歌われていると思っていて。だからこの歌詞はどこにも着地させずにいた方が良いかなと思って、その方が僕もずっと歌っていけるし。

――とても分かります。

daipon:だから2014年の時に作った曲は、今はそんな気持ちじゃないからあまり歌いたくないんですよ。その曲たちのことはめちゃくちゃ愛していて今でも好きなんですけど、“今オレそんな暗い気持ちじゃないし、ライブでやるのはちょっと違うかな”と思うところもあって。“あの頃の曲やってください”と言われることも多いんですけどね。でも、その頃の曲を1つ引っ張り上げてきて、今のENTHとして提示できる強いメッセージもあると思って作りました。

――確かにこの歌には着地点がないからこそ、いつまでも聴ける歌になっているのかもしれないですね。

daipon:生きている中で自由を感じられる時って一瞬しかないと思うんです。ライブもそうですけど、お酒飲んで楽しいと思ってる時も何時間かじゃないですか。そういう一瞬一瞬を見落とさずに感じられるかという。でも、実は自由はどこにでもあるんですよ。今、目の前にも絶対あるはずで。インタビュー中だから部屋を出ていっちゃダメだけど、出て行きたかったら出ていけばいいし。でも、それをしないのはENTHのためにならないからしない。そうやって自分たちの自由を掴んだり、良い方向に進んでいくための選択をすることが自由につながるんじゃないかなと。自分のためになる不自由だったらそれを選ぶべきだし、その先に自由があると思ったらそこに行けば良いと思う。

Naoki:daiponすごいね! よく今の言葉にできたね。感覚的にはわかっていたことだけど、それをああやって話せたのはすごいわ(笑)。

daipon:「URCHIN PHANTOM」の歌詞は当時特に何も考えずに書いたんですけど、それから4年が経って曲の意味をちゃんと理解して世にだせるのはバンドをやってて面白いところだなと思いますね。そうしたどこにでもあるようなフィーリングで書いた曲が、2周目になって強いメッセージになっていくというか。自分でハッとする瞬間があるんですよね。


「ENTHのことをかっこ良いと感じられなくなったらそれは人生の終わり」


――ENTHもdaiponさん自身も成長していっているからこそ、近年のバンドとしての飛躍に繋がっているんでしょうね。

daipon:そうですね。フェスでも若手枠の一発目のライブだったのが、同じステージでも後ろの方を任されたりエグい時間帯にENTHをぶちこんでくれることもあって。呼んでくれる先輩のバンドたちと同じステージに立ち続けたいし、同じ現場にいるためにももっと多くの人を巻き込めるようになりたいと思っています。バンドも人生も楽しいのが一番だし、ENTHのことをかっこ良いと感じられなくなったらそれは人生の終わりなので。そうやってENTHとして転がり続けていく中で後悔や失敗もすると思うんですよ。でも、それが進んでいくためのエネルギーになると思うから、今はどんどん失敗してもいいと思っていますね。


インタビュー・文/菊池嘉人


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ENTH Official Site http://enth-nagoya.com/
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