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元ヒスブルのTamaとタクヤのユニット「Sabao」が9/1にハートランドに登場! みんなの大切な曲たちが胸にあったかく届く奇跡の瞬間を見逃さないで。

2018/08/29 18:00


元ヒスブルのTamaとタクヤのユニット「Sabao」が9/1にハートランドに登場!

みんなの大切な曲たちが胸にあったかく届く奇跡の瞬間を見逃さないで。



 元Hysteric BlueのTama(Vo)と楠瀬タクヤ(Dr)が結成したユニット、Sabao(シャボン)。1998年のHysteric Blue(以下、ヒスブル)のデビューから20周年を記念して、ヒスブルのセルフカヴァー、Sabaoの現在・未来を表現したアルバム「MeRISE」を8/22にリリース。

 メンバーそれぞれが個々に音楽活動をする中で、Sabaoになったときにだけ繰り広げられる歌の世界は、変わらない部分と彼らがこれまで培ってきた経験が音楽愛とともに生き生きとのびのびと聴き手の耳に響く。それは懐かしさとも奇をてらった新しさともちがう、気持ち良くて、ほっとして、わくわくさせてくれる温かな時間……。若手によるリミックス作品も秀悦だ。

 『Sabao LIVE TOUR 2018 LASTING HOPE』と題した初の全国ツアーは、9/1(土) 名古屋ハートランドにて。ユニット名の通りシャボン玉のようなふんわりとした活動を展開しているふたり。次はいつ会えるかわからないだけに、今回のライブはぜったいに見逃せない!

 「春〜spring〜」への想い、アルバムについて、ライブについてなどをTamaとタクヤにじっくりインタビュー。



「『春〜spring〜』を歌い続けるのは僕たちの使命。
過去にすがりたくはない、でも歌い続けなければいけない。
この矛盾を抱えながらは、ずっとあると思う」(タクヤ)


――「春〜spring〜」をはじめ、ヒスブルの楽曲のほとんどをタクヤさんが作っていたこと、今回の取材の下調べをしているときにはじめて知りました。

タクヤ:詞が女性目線だったりするので「Tamaちゃんが書いてたと思った」ってよく言われます。僕は乙女な側面も持ち合わせています(笑)。

――アルバム「MeRISE」は、おふたりの過去・現在・未来を表現した構成になっていて、ヒスブルからSabao(シャボン)までの20年、しっかりとひとつの道でつながっているのを感じました。

タクヤ:20年前にデビューさせてもらって、「春〜spring〜」をすごいたくさんの人たちに聴いていただいたことが原点であり、頂点であると自分では思っていて。これから先、ふたりが音楽家としてどう歩んでいけるか、未来のことはわからないけど、ここまでの20年をふり返ると、最初にビッグバンみたいなことが起こって、一気に人生が変わって、それを大事にふり返るのがこのアルバムの企画意図でした。ヒスブルのデビューから今年で20年、ミュージシャンになって成人を迎えるにあたっての、自分たちの足跡を図示してみたいというのがコンセプトになっています。

――「春〜spring〜」「なぜ…」「ふたりぼっち」など、ヒスブルのセルフカヴァー曲はアレンジが当時のままになっていて。

タクヤ:そうです。序盤5曲はセルフカヴァーで完コピを目指して、フレーズの位置まで忠実に再現するのが狙いでした。当時と同じものを作ろうとしても録音技術や参加ミュージシャンが変わっていたりして、まったく同じにはならないけど。親子が昔撮った写真と同じ構図で20年後に撮る、みたいな、それの音楽バージョンというか。

Tama:うちらも20年という時を経ているから、同じことをやってもちがう作品になってたりするよね。

タクヤ:うん。「この5曲は丸コピするぞ!」っていうのを目指しています。

――ときに大御所歌手が長年歌い続けている持ち曲に、フェイクを入れたり自己流アレンジを加えているのをテレビで観て、原曲のまま聴きたかったなと思うことがありますが、このアルバムのセルフカヴァーにはそれがまったくない。当時のままに丁寧に演奏して歌っていて変なこなれ感がなくて、曲を大切にしている想いが伝わってきて感動しました。

Tama:敢えてそういう変化はつけないようにしました。わたしもほかのアーティストのさんの昔の作品を聴いて変わっちゃってると……その人の歴史やし、今のその人の姿だからそれはそれでありだけど……やっぱりもともとあった好きだった形で聴きたい気持ちがあるので、ヒスブルに関してはなるべく崩さないように、崩すのであればアレンジごと変えてしまわないと変な感じがしちゃうんですよね、わたし自身が。過去のものはその作品の形で成立しているから、歌を変えてしまうんだったら作品自体を変えてしまったほうが潔い。13曲めに収録された「春〜spring〜」のジャズピアノ・リミックスはアレンジ自体が変わっているから、そこに寄り添う形で自然に歌いかたを変えることが出来ました。

――曲に味つけして20年間培ってきたスキルを見せつけたくなったりしない?

Tama:ないない。

タクヤ:ヒスブル時代に作った曲は、最初のインパクトでひとつ芯の太い大正解みたいなところがドーーーンとあるので、あまりそこから離れていないですね。

Tama:むしろ、昔のほうがあがきまくっていた感じ。20年前とか15年前は若かったし、経験もなかったし、知識もなかったし、まわりは先輩ばっかりやし、「この中に自分がいていいのか」みたいな感じで。

――正直、収録曲だけを見て、いつまで「春〜spring〜」やねんって、意地悪く思ってしまいました(ごめんなさい)。だけど、曲を聴いて、アルバム全体を聴いて、そうじゃない、今を生きているし、未来に向かっているし、なによりも、この曲がとても大切で、感謝がいっぱい詰まっていることが伝わってきました。

タクヤ:いつまで「春〜spring〜」やねん、一生か〜いみたいなね(笑)。「春〜spring〜」を歌い続けるのは、多分、僕たちの使命。キャリアが途絶えるまで僕たちの代表曲として歌い続けるでしょうし、それくらいインパクトのデカい曲だと思います。だけど、“昔は良かったねおじさん”になるのはすごいいやで、今も楽しく音楽が出来ているから過去にすがりたくはない、でも、歌い続けなければいけないという矛盾を抱えながらはずっとあると思う。だからこそ、僕たちがこの曲を大事にしていることをしめさないと、僕たちにとってもファンにとっても昔の古い曲になっていってしまう。そうじゃなくて、みんながいつまでも好きな曲でいるためには、僕たちが好きでいないとダメなんじゃないかって。


ヒスブルのセルフカヴァーをしてみて、
時を経ても変わらない、それが自分たちらしさだと気づいた


――ヒスブル時代の5曲を改めて演奏して、歌ってみて、感じたことはありますか。

Tama:当時のプロデューサーの佐久間正英さんが亡くなったし、うちらも環境が変わったり、昔録ってたスタジオももうなかったりするので、いろいろと思い出しますね。このときこんな気持ちで録ってたな、この仕事とこの仕事の間に詰め詰めで録ってたな、みんなで出前とってこんなん食べたなとか。とくに「dear」はうちらが19歳のときに?もうすぐ二十歳〜って歌っていたけど、今は年齢の二十歳ではなく、20周年の二十歳っていう気持ちになったので、「お父さん、お母さん、ありがとう」への気持ちがまた別の形になりました。昔はホームシックな中ですがるようにお父さん、お母さんに歌っていたのが、今は感謝というか、おっきな気持ちで歌えるというか、そういう心境の変化はありましたね。あのころの自分を懐かしく思いながら歌うみたいな。

タクヤ:ヒスブルのカヴァー「ふたりぼっち」、新曲「未RISE」をレコーディングしたのが直近で、「20年分の培ってきたものを見せようぜ」って意気込んではいたけど、「そんな変わんねえんだな」って。もちろん、仕事としてミュージシャン活動しているし、毎日が修行で知識を得て、経験を重ねて、取り組みかたも10代のころとはちがうから、正解のさらに正解を出すぞって意気込んでやるんですけど、自分で言うのも変だけど、当時録ったものはやっぱりクオリティーが高い。プロデューサーさんやスタッフさんにそういうふうに仕立てていただいて、当時からちゃんと音楽を作る環境でやれていたことを再確認しました。インスタントに「はい、作って」「はい、出して」ではなく、音楽を大事に、録れるまでたっぷり時間をかけてやらせてもらったし、それはただ単純に音楽業界の羽振りが良かったわけじゃなくて、まわりの人たちが僕たちを育ててくれたんだなって思います。

Tama:なんテイクも重ねて、悪い点とかやらなきゃいけないことを自分自身で見つけられるように、時間をかけてやってくれていたと思うんですよね。自分で気づくことが大事で、それを教えてくれたんだなって。なにも言わないんですよ、佐久間さんって、レコーディング中。

タクヤ:「録れなかったねー、また明日」っていう感じで、次の日の朝にもう1回やらせてもらうこともあって。スタジオ代のことを考えたら1時間でも早く切り上げなきゃいけないのに。「こうしなさい」って言われた通りにやっていたら、すぐにゴールに行けてたと思う。でも、見守ってくれました。

Tama:今ではありえないやりかたをさせていただいたから、それもすごい財産です。

タクヤ:うん。さっきの「意気込んでレコーディングしたけど、当時録ったものがやっぱりクオリティーが高い」って言ったのは、今回のセルフカヴァーに対して、「パッと聴くぐらいだったら当時録ったものと大差なかった」っていううれしい気づきがあったんです。20年分の細かいこだわりや音の良さとかはあるけど、本質の部分で僕とTamaは背伸びして、奇をてらってやってもうまくいかないっていうかね、その変わらない部分こそが僕たちっぽさなんだなって。逆に12、13曲めのリミックス・シリーズは僕たちには出来ないです。


アルバム「MeRISE」は本を読み進めるみたいな感じで、
聴き進めていけるように曲順にもこだわった作品


――「なぜ…」のエレクトロ・リミックスは、斬新なアレンジをされているのにもかかわらず、違和感がありませんでした。曲の世界観を理解した上での自由な表現に、リミックスをされたアサキさんの感覚の鋭さに、拍手を贈りたくなりました。

タクヤ:彼女はまだ二十歳になりたての「もしかして、僕たちがデビューしたときに生まれた?」みたいなまだ若い世代のラップシンガーで、エレクトロな感じの曲調を自分で全部作って歌うっていう、「すごい才能が出てきた!」って思わせてくれる女の子なんです。原曲を聴いていない世代だから、「好きにやってみて」ってヴォーカル・トラックだけお渡ししました。感覚自体が僕らとちがうので、なかなか面白い経験でした。

Tama:思い切ったアレンジをしてくれたから、逆に振り切ってくれて良かったよね。

――ジャズピアノ・リミックスはどういった経緯で?

タクヤ:2018年の僕たちが「春〜spring〜」に向き合うにあたって、さっきTamaも言ってたけど、変にアレンジしたり、正解から外れた方向に行ってしまいたくないし、小手先でちょっとなにかを変えてみただけなのもいやなので、「どうやって今の僕らを見せればいいんだろう」って考えて、ジャズピアノ・リミックスはござさんにお願いすることにしました。知り合いじゃなかったけど、彼はJ-POPをピアノひとつでジャジーにとか、コードと弾きかたを変えて多彩にアレンジした動画をTwitterに上げているんですね。わかりやすいし面白いし、僕はファンで、週1ぐらいでアップされるのを楽しみにしていて、あるとき、あー!って思って。Tamaも僕もポップでやってきてるから、エレクトロやジャズのような通っていないことを無理してやると痛々しい。だけど、ジャズピアノの人にやってもらったら良さそうだなって。それで、「この曲をピアノだけで好きにアレンジしたらどうなりますか」ってアプローチをして、いくつか作ってもらいました。最初は「インストで成立してるから歌はいらないんじゃない?」ってTamaちゃんが言ってて。

Tama:うん、歌メロも入っていたから、これに合わせて歌うのはちょっと厳しいなーって。むしろ、すごく良かったんですよ、それも。だから、別に歌わんでもいいんじゃないかな、インストバージョンにしてもいいかもって思ったけど、「いやいやそうじゃないんだ、今の歌を聴かせるんだ」ってタクちゃんが。

タクヤ:「18年、20年経ったときのTamaはこう歌ってる」っていうのを録りたいから、アレンジをもうひとひねりしてもらって。

Tama:伴奏に徹するアレンジにしてもらいました。

――ジャズになっても違和感なく、20年分のTamaさんの歌のちからを感じずにはいられませんでした。

Tama:ずっと歌っていて、からだの中に完全に馴染んでいる曲だったからこそ、ジャズのピアノ1本のアレンジでものびのび歌えて、自然にリズムに寄り添っていけたかなって。もうちょっと悩むのかなって思っていたけど、思いのほか自然に歌えましたね。大きく歌いかたを変えるとか声質を変えるとかじゃなくて、体に入っている歌をピアノに合わせて歌う。聴いてても違和感ないなって。

――曲順も良い流れです。

タクヤ:時系列で追っていけるものを目指しました。本を読み進めるみたいに、聴き進めてもらえたらなぁって。16曲ってけっこう多いけど、同じ曲のアレンジちがいだったり、配信でリリースされているものをコンパイルしたものだったりするから、20周年の今の僕たちが作ったアルバムとして良い記念碑が建ったと思います。「春〜spring〜」が不動なので、最初にこの曲があって、あとの曲がしぼんでいってしまう流れだと尻つぼみな20年になっていやだし、1曲めでおなかいっぱいになって途中で飽きてしまうのもいやだから、途中でリミックスバージョンの「春〜spring〜」がきて、最終曲の「未RISE」でエンドロールしていく。「未RISE」は「春〜spring〜」のキーに上げて終わるように作ったので、ループしてアルバムを聴いてもらうと、そのまま1曲めのイントロに自然につながっていく仕掛けになっています。都合「春〜spring〜」を3回聴くことになりますね(笑)。

Tama:あはははは(笑)。

タクヤ:20年も音楽を続けてこられたのは「春〜spring〜」がヒットして、いろんな人に聴いてもらって支えてもらって、いろんな人の人生のシーンに「春〜spring〜」があるから、僕たちがいつ歌っても歓迎してもらえる。そのことに感謝の気持ちを込めて、再び1曲めの「春〜spring〜」へと橋渡しをするために考えた仕掛けです。企画の段階で「いちばん大切なのは『春〜spring〜』だよね。それは強みなんだよ」ってレーベルのスタッフさんと社長が話してくれたことで舵を切れました。

――Tamaさんはこのアルバムでタクヤさんの曲を歌うにあたって、歌詞がしっくりくるとか、メロディが自分の歌声の良い部分を引き出してくれているとか、改めて実感したことはありますか?

Tama:すごいありますね。メロディラインがしっくり入ってきます、馴染みがあるというか、タクちゃんらしさがよくわかる感じです。くせなのかわかんないけど、そういうタクヤ節みたいなのを教えてって言われるとちょっと難しいけど、たくさんあります、どの曲にも。

――「この歌詞、わたしと考えがちがうから変えてほしい」みたいなことは……

Tama:考えちがう歌詞なんてめちゃくちゃありますよ、全くちがいます、「なぜ…」とか考えられないです(笑)。当時、10代のときは「歯が浮くことをよく書けるな、こっちが恥ずかしいわ」っていう感じでした。今は表現者として割り切って……割り切ってっていうか、表現する楽しさがわかってきて、役者さんに近いんだと思います、その役を演じるみたいな感じでその気持ちになる。お母さんになったことないけど、子どものことを考えて作った歌やったら、子どもがいたとして温かい気持ちで歌うとか。


「ちょっとでも悩んでいるのであれば来てほしいです!」(Tama)
ユニット初の全国ツアーは9/1、ハートランドにて


――いよいよ名古屋でライブ! 待っている人たちもたくさんいると思います。

Tama:6月のライブサーキット「SAKAE SP-RING」でSabaoとしては名古屋ではじめてライブを演ったけど、すごい熱かったね! あんなに歓迎してくれるとは思わへんかった!

タクヤ:うん! ヒスブル好きやった人が「また観れて良かった」って思ってもらえるように活動してるけど、配信やネットラジオでは反応がわからなくて。十何年ぶりに名古屋でライブして、いきなり最前列で女の子が泣いてて、そういう人がちらほらいるのを目の当たりにすると、ただごとではないなぁって。待っててくれてる、楽しみにしてくれてる、期待してくれてる想いにふれられて、こっちが感動しました。30分のあっという間のライブやったけど、壮大なものを僕は客席からもらいました。

Tama:手応えはあったよね。9月もぜったい楽しいライブに出来る感じでいますよ。名古屋は大丈夫(笑)!

――わあ! 楽しみです!

Tama:6月のライブでみんなとグッと距離が近くなった感じがしています。名古屋のパチンコメーカー、豊丸産業さんとのタイアップで「BIG VENUS」と「||:Repeat:||」を作って、けっこう名古屋方面にはキャンペーンで来させてもらってて、うちらは深い縁を感じていたけど、実際にお客さんに届ける機会が今までなかったので、やっと今年、出来るようになってうれしいです。9月はベース、ギター、キーボードのサポートが入って5人体制で演ります。変わらず大事にしたいところは大事にして、20年経ったからこそ……っていうものも入れつつ、お客さんも年齢層が上がっているから、そこにも寄り添いながら。

タクヤ:アコースティックのアレンジを楽しむコーナーとか、パッと聴いてすぐに踊れて盛り上がれる、初見にやさしい構成になっています。Sabaoを7年やってきたけど、こんなに連発でライブして、ぐいぐい上げていけるのははじめてなんで、ゴリゴリにパワーアップさせて、ベストを更新する勢いで。

Tama:ライブはもしかしたら「もうないかも」っていうこともありうるので……

――え!? 本当にシャボン玉みたい。

Tama:「ぜったいまた来るね」って言えないくらいSabaoは活発に活動しているわけではないので、一期一会。会場も自分たちのコンデションも毎回ちがうし、ライブって天気と同じでその日によってちがってくるので、ちょっとでも悩んでいるのであれば来てほしいです!

タクヤ:Hysteric BlueとしてもSabaoとしても、活動しているときもしていないときも、曲を聴いてくれたり、愛着を持ってくださっているみなさんに感謝を込めて。ヒスブルの曲はもうみんなの曲になっていると思うので、みんなの大切な曲をしっかり演奏して、いいものをお届けしたい。月並みな言葉だけど、ずっと好きでいてくれてありがとう!


インタビュー・文/早川ひろみ

1st Album 「MeRISE」 2018.8.22 Release


Sabao Official Site https://sabao.jimdo.com/
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