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「自分たちから生まれてきたものに対して素直に向き合った」メジャー1stアルバムをリリースし名古屋初ワンマンライブが決定!FIVE NEW OLDのメンバー全員にインタビュー

2018/02/13 18:00

「自分たちから生まれてきたものに対して素直に向き合った」



1月31日(水)にメジャー1stアルバム『Too Much Is Never Enough』をリリースした、FIVE NEW OLD。ベース・YOSHIAKIが脱退し、3人となった初作品ともなる今作は、全12曲を通して肩の力が抜けた等身大の音像を感じることが出来る。“素直に表現すること”に自然と向くことが出来たという制作過程を中心に、HIROSHI(Vocal&Guitar)・WATARU(Guitar&Keyboard&Chorus)・HAYATO(Drum&Chorus)のメンバー全員に話を聞いた。



「“素直に表現すること”を大事にした」


――今作はメジャー1stアルバムであり、3人体制になってから初の作品となりました。

HIROSHI:自分たちでも自信を持って届けられるアルバムが出来上がりました。それがメジャーで一枚目として出せたことが嬉しいですね。

HAYATO:等身大で嘘偽りない曲を作り、その12曲で1stフルアルバムをメジャーで出せました。この体制になってから出すことにもまた意味があると思っています。

WATARU:作曲のときから“素直に表現すること”を大事にしてアルバムを作り上げたんです。こういうことが自分たちにも出来るんだなって、自信にも繋がっていきましたね。

――“素直に表現すること”が、今作の一つのテーマだったんですね。

HIROSHI:そうですね。アルバムを作る段階で、なるべく自然体に曲を書きたいっていう想いが芽生えていて。今までは生まれてきたメロディーが、例えばファンクやダンスミュージックの方が実は合うと感じることがあっても、“いや、自分はロックな曲を書きたいから”ってあるべき方向へと向かって、なんとか辿り着こうとしてた。でも生み出したものがロックとは別の方向性に行った方がより良くなるのであれば、そちらへ行こうと曲を書き始めるようになったんですよね。自分たちから生まれてきたものに対して素直に向き合っていくレコーディングだったので、まずそこがこのアルバムを作る上での一番大きなキーポイントだったかなと思います。

――今までとは違ったベクトルの向きでの制作をしようと思ったのは、どのような経緯からですか?

HIROSHI:前作「BY YOUR SIDE EP」を作った時に、この作品に対して僕がどっぷり浸かり過ぎて周りが見えなくなってしまって。そんな中で一緒にアレンジをしてくれたSHUNくん(春日俊亮)やメンバーが、僕をちょっと後ろに引っ張ってくれたんです。曲を俯瞰的に見れるようになって、“いいことをやってたんだ”っていうのに気付くことが出来た。すべてをコントロールしようとし過ぎない方が、自分たちの本来持っている良さをもっと引き出せるかもしれないと考えたところから始まってると思います。

HAYATO:あの時は、片足どころじゃなくて腰ぐらいまで泥につかってるような状況の中でHIROSHIは作曲してたんですよ。だから“HIROSHIが作ってる曲は、もともと悪い曲じゃないんだよ”と俺らがそこから引きずり出す必要があった。今までそんなことなかったから、俺らもやったことなかったんですけど、“一回引いて?”と言った時に“ああ……、全然カッコええやん……!”ってボソッとHIROSHIが言ったことを今でも覚えてます。

――前作は周りに救われた制作だったんですね。

HIROSHI:周りの人たちに助けられたからこそ「BY YOUR SIDE」という言葉をタイトルにしたんです。そこから、自分たちがこれから出していく曲も、誰かに寄り添えるようなものでありたい、そういうものを届けたいということに気付けました。そしてその延長線上に、このアルバム「Too Much Is Never Enough」は存在してますね。


「みんなで作り上げていく手探り感を楽しんだ」


――自然体で臨んだ今回の制作はどうでしたか?

HAYATO:一つのブースにみんなで入って、ライブのようにボーカルも入れながら楽器を一緒に演奏して録ったんですよ。別録りや打ち込みではなくて、今回はアナログ的なやり方でレコーディングしたのでスムーズでした。

WATARU:今まではドラムから録って、次はベース、ギター、最後に歌を全部録るというレコーディングだったので、ある意味、原点回帰したんじゃないかなと思っています。バンドってそもそも、みんなで一緒に演奏したり、ライブしたりするのが普通でもある。そのバンドならではの楽しさをレコーディングで感じることが出来たので、より如実に素直さが出たのかなって思いますね。

HIROSHI:レコーディングに挑む前に、自分たちのパソコン上でデザインは一応します。限られた期間の中で最大限やるためにも、完成図を自分たちの中である程度ちゃんと見えるようにプリプロは前作から変わらずしっかり詰めましたね。その状態からレコーディングで良い誤差をどれだけ生み出したかが、より自分たちのリアルなことに繋がりました。予想外なヒューマンエラーがみんなの個性に繋がるというプロセスを、すごく楽しめたレコーディングでしたね。これ以上は思いつかないぐらいまでのビルドアップをした上で、レコーディングでみんなで作り上げていく手探り感を楽しんだというパターンが出来ました。

――インスタグラムで4曲目「Dance with Misery」について“「リアルな自分達の音」を象徴している”と書かれていましたが、やはりこの曲を作ったことが大きなポイントでしたか?

HIROSHI:今作におけるレコーディングの流れのきっかけをくれたのは「Dance with Misery」なんです。もともとのメロディーラインはあったんですけど、“よし狙ってスタジオでやるぞ!”といつも通りにではなくて、“ちょっと肩慣らしにみんなでなぞってみようか”とスタジオに入ったら、良い具合にエンジンがかかって。“もうちょっとこうしたら良いんじゃないか”とか、“これが気になってるんだけど”とか、アイディアを投げかけ合えたんですよね。この曲がきっかけで、みんなでやる面白さを再確認が出来ました。

HAYATO:以前は作って上がってきたものを自分の手癖を入れてリアレンジする方法だったので、今回はちゃんとディスカッション出来たと思います。良い方向にみんなが見てたからこそ、「Dance with Misery」が素直に出来た一曲目ですね。

WATARU:これまではレコーディングまでの道のりの中に、みんなで合わせて演奏するという機会がやっぱり少なかったかなと思えた曲でしたね。

――みんなで作ることでの化学変化が多かったんですね。

HIROSHI:レコーディングにおける色んなプロセスを通って、曲がどんどん自分たちの予想を超えていきましたね。あとはリアルなかたちで録っていこうと思って、アナログテープという手法で臨場感のある作品にしたことも良かったなと思っています。パソコン上だけではなくて、よくレコーディングの風景にあるでっかいツマミがいっぱい付いたコンソールを使うミキシングでも、自分たちの知らなかった一面や新しい景色を改めて教えてもらいました。

HAYATO:最終的にアナログテープを通すからこそ、曲の景色が二段階も変わるんですよ。ミックスが仕上がった曲を毎回聞く度に、“うわあ……また変わった!”って本当に鳥肌が立つことばかりでした。


「プロセスを必死にやってると、出来上がったことがすべて僕たちに教えてくれる」


――さらに今回は様々な方とコラボレーションをされましたが、第三者を交えた制作はいかがでしたか?

HIROSHI:それもまた面白くて。いろんなアーティストとコラボレートしたりフィーチャリングしたりっていうのは、面白そうと自分たちが感じたらやろうっていうスタンスで今回やりました。もちろん出してくるアイディアが違うし、完成形へと辿り着くやり方も僕らとは全然違う。だけど、共通していいものを作りたい、カッコいいと思えるものを作りたいという情熱は僕らと変わらない。お互い同じ目標掲げているのに出てくる玉が全然違う面白さに、3人全員ニヤニヤしてましたね(笑)

HAYATO:“こういうのを入れてくるか!”っていう、自分たちでは考えつかない角度からのアイディアでしたね。違う角度から攻められ続けてました。

――想像出来なかったアプローチを経験したことは、次の作品にも活かされそうですよね。

HIROSHI:これを経験したから、今まで自分たちがどういう考えで曲を作ってたか、一回忘れてしまう感覚に現状は似ているような気がしています。次はもう影響された状態で始まるので、自分たちは気にしなかったけど振り返って見たら、“こんなやり方を僕らはやってなかったね”ってまた新しいやり方として彼らの影響が出てくるのかなって思います。

――今作は全体を通して肩の力が抜けたような音像が印象的だったので、これまでの話から制作において自由にやってきたことが繋がっていたのかなと思いました。

HIROSHI:緊張感はもちろんあったんですけど、リラックスしてましたね。どうしようっていう焦りはあんまりなくて。

HAYATO:今までよりは全然段違いの制作スピードで、“よしこれでいこう!”って早く進みました。前は期限ギリギリまでやってたんですけど、今回は時間に余裕がありましたね。だから逆にHIROSHIは“え?ほんまにこれでええんかな?どう思う?”って、ずっと言ってましたもん。完成してるから“でもこれ以上、なくない?”と返して、“そやねん”って終わるんですよ。このやりとりを3回ぐらいやるという(笑)

HIROSHI:以前はまだいろいろやってた時期に、今回はもう出来上がってたから(笑)

WATARU:納得のいく合点が早かったっていうことに尽きるのかなって、今回は特に思いますね。

HAYATO:引き算の音楽性を重視した部分もあると思います。音を増やして派手にするわけじゃなくて、脱いでナチュラルな音楽の方向性に変わっていったので、より一層進みが早くなっていったのかなって。

――その方向性はタイトル「Too Much Is Never Enough」の意味にも繋がっているように感じますが、いかがですか?

HIROSHI:その通りで、あまり必要のないものは減らそうと音的にも思ってましたね。このアルバムを通して自分たち自身も、自分たちがどういうバンドなのか、FIVE NEW OLDの本質を掴みにいこうとする姿勢にもなっている部分を感じていたんです。だから、そこの本質がボヤけるような音は減らしていこうって作っていました。

――物が溢れている現代だからこそ響く言葉でもあると思います。

HIROSHI:情報過多でいろんなものが“Too Much”な時代に、どうやって自分にとって必要なものを選んでいくのか、それが自分にとって何なのか考えることが大事だなと思っていて。それは“Too Much”をなくそうっていうことなのか、よりToo Muchに分かるまでいろんなものを選んでいこうとするのか。本人にしか分からないことですけど、いろんなことを考えるということは自分にとって都合の良いことだけではなくて、居心地が悪くなるようなことも向き合っていかなきゃいけないと思います。それでも、何でもいいからとにかく自分で考えて見つけていくことを、大変かもしれないけど一緒に楽しんでやっていこう。そういった想いがこの言葉の背景にあります。

――このタイトルに決めたのは12曲が揃う前ですか?

HIROSHI:後だったと思います。僕らは何にするにしても後からで、先にタイトルが決まることはほとんどなくて。曲もそうなんですけど、書き始めて景色が浮かんで“この景色にはこういう名前だ”って曲名を付けるんですよね。だからアルバムも、曲を並べてタイトルをどうするかという話になった時に、“俺らはこういう感じにやってるな”というのを一言で表すとしたら、このタイトルになりました。プロセスを必死にやってると、出来上がったことがすべて僕たちに教えてくれる。“この気持ちは何なんだろう?”って考えていることが上手く言葉に出来ないから音楽にして、そうしたら音楽を聴いた時にその気持ちが言葉になっているんです。


“One More Drip”という音楽体験を感じてもらえたら


――春からツアーを控えていますが、どのようなツアーにしていきたいですか?

HIROSHI:FIVE NEW OLDのバンドコンセプトに“One More Drip”というものがあるんです。それは僕たちの音楽で聴いてくれる人が自分のことをもっと好きになってもらって、日常より素敵に感じてくれるような空間やものを、曲で届けて提供したいという想いから生まれていて。届ける方法は楽曲を作ってリリースすることも含まれるんですけど、それをライブにまでもっと持っていきたいなと今回は考えています。おしゃれをして普段より素敵な自分になってライブを楽しみに来たり、そういうカッコいい空間をみんなと分かち合いたい。その中で僕たちのバンドとしての熱さや、このアルバムに込めてる想いもしっかり届けて、多くの人に“One More Drip”という僕たちの音楽体験を感じてもらえるツアーにしたいです。

WATARU:今回はツアーの中で初めてワンマンライブをする場所っていうのが何カ所かあるんですよね。名古屋もワンマンは初めてで。今までは対バンがいたので、もしかすると僕らをまったく知らない人が見に来てくれていたかもしれない。でも今回はワンマンだからこそ僕らを知ってから来てくれる人が多いと思うので、期待以上の面白いライブにしたいです。

HAYATO:これまでのリリースツアーにしたら倍以上の日程なので、長い間メンバーと一緒にいることで切磋琢磨して、最終的にまた大きく帰ってこられるツアーにしたいです。充実したステージを見せられたらなと思いますね。“One More Drip”しに行きます!


インタビュー・文/笠原幸乃


Major 1st Album 『Too Much Is Never Enough』 Now on sale



FIVE NEW OLD Official Site https://fivenewold.com/


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ライブ情報

FIVE NEW OLD
ONE MAN TOUR 2018 "ONE MORE DRIP"

2018/11/08(木)
クラブクアトロ
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