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愛知出身の“絶対的鍵盤系ドラマチックポップバンド”、クアイフがアニメ「いぬやしき」EDテーマ「愛を教えてくれた君へ」でメジャーデビュー!メンバー全員にインタビュー!

2017/12/26 16:00

2016年12月、地元・名古屋で開催されたワンマンライブにてメジャーデビューを発表した“絶対的鍵盤系ドラマチックポップバンド”、クアイフ。そこから11ヶ月の時を経て届いたのが、シングル「愛を教えてくれた君へ」だ。“会いたい”という感情を丁寧に歌った表題曲は、アニメ「いぬやしき(フジテレビほか)」の主題歌として、彼らの名をより多くの人に知らしめるきっかけにもなった。
今回のインタビューでは、自ら「ちゃんと届く曲になった」と語る今作について、メンバー全員に話を聞いた。



「“どこに出しても誇れるクアイフ”でいたい」


――2017年はワンマンライブや多数のイベント、それにメジャーデビューと、本当に盛り沢山の1年だったと思います。改めて振り返ってみて、いかがですか?

内田旭彦(Ba/Cho/Prog):メジャーデビューを発表した2016年末からリリースまでのあいだは、曲作りやライブも含め、今まで自分たちがやってきたことと、さらに真摯に向き合ってきた時間でした。改めて、“音楽で生きていく”という強い意思を固めた時間だったと思います。

三輪幸宏(Dr):自分も、音楽との向き合い方をまた確認できたような気がします。この期間の活動は、メジャーレーベルの方たちと一緒にしてきていました。自分たちだけでやっていたところに他のスタッフさんたちも関わるようになって、第三者からの意見もたくさんもらうようになりましたね。多くの発見がありました。

森彩乃(Vo/Key):楽曲制作、ライブ活動など、一つひとつの活動に今まで以上に…今までももちろん真剣だったんですが、改めて気合いが入り直したというか。この間に、テクニカル志向というか「もっと音楽的にやりたい」みたいな時期もありました。ただ、(今回の楽曲のタイアップである)アニメで私たちのことを知ってくれる人もいるとなると、ちゃんと分かりやすいメロディと言葉で伝えることが必要だと思って。そうなると、「恥じない自分でいなきゃ」という意識が生まれたんです。どんな場面であれ、曲を出したときに誇れる自分でいたいなと。“どこに出しても誇れるクアイフ”できちんといるために、自分たちがしっかりする必要があると考えていました。

――皆さんがおっしゃったように、メジャーデビューの発表から今作までには11ヶ月の時間がありました。この期間、ファンの方から“メジャーデビュー”についての反響はありましたか?

内田:みんな、「待ってた!」みたいな雰囲気で喜んでくれました。それは本当に嬉しかったですね。僕らはやっぱり「もっと大きいステージに行きたい」と思いながら活動していたので、メジャーデビューという機会はそのチャンスというか、僕らがずっと言ってきたことと環境がリンクすることになるんです。そういう意味で、すごく喜んでくれていたと思います。



「運命的なタイアップでした」


――今回の楽曲は「いぬやしき」というアニメのエンディング曲です。機械になった初老の男性と高校生の苦悩、それによって救われたり殺されたりする人々と、かなり複雑なストーリーではありますが、その内容はやはり意識しましたか?

内田:そうですね。「愛を教えてくれた君へ」という曲は、「いぬやしき」のお話をいただいて、原作を読んで書き下ろした楽曲です。原作の世界観にとても惹き込まれたのですが、僕らも今まで曲の世界観は大事にしてきたので、そういうアニメに携われたのはすごくありがたかったです。「いぬやしき」はSFアニメですが、最終的なメッセージはすごく日常的な、誰もが感じる毎日の感情を切り取って伝えているアニメのような気がしています。だから、自分たちの生活に置き換えて曲を作れたという感じはありましたね。

――アニメのストーリー自体は壮絶ですが、そのエンディングとして「愛を教えてくれた君へ」が流れることで、浄化されるような気持ちになりますよね。

:SNSで、アニメファンの方が「エンディングで救われた」と書いてくださっているのを結構目にします。本当にそうあってくれたらうれしいな、と。

――そういった感想を目にすることも含め、やはり、たくさんの人に届いているという実感はありますか?

内田:かなりあります。アニメファンの方はもちろん、アニメというフィルターを通さずに出会ってくれた方も、「自分自身に置き換えて歌詞に共感した」という反応が多いです。制作するにあたって最終的にどう着地させようとかいろいろ悩んだんですけど、悩んだ甲斐があったなと思いましたね。

三輪:ライブ中に泣いているお客さんもたくさんいて、「ちゃんと届いている」というのは実感できますね。完成した楽曲を初めて聴いたときは、僕も泣きました(笑)。

:私も、最後のサビで「今の日々を愛していて」と歌うときは泣きそうになります(笑)。泣いたらちゃんと歌えない、と思ってこらえています。「いぬやしき」のストーリーがそれこそ、“大切な人を守りたい”とか、でもその愛情の裏返しや、自分が生きていく意味は何かというようなテーマなんです。大切な人を思う気持ちだったり、その人との別れだったり…そこと強くリンクしたから、本当に心の底から歌っていますね。運命的なタイアップでした(笑)。



「“影”の部分をちゃんと描きたかった」


――森さんの仰った、ラストの「今の日々を愛していて」ですが、同じメロディで、1番では「今の日々を愛さないで」と歌っています。この、歌詞のストーリーはどんな風に描いていったのでしょうか?

内田:こういうテーマの曲だと、どうしても温かい部分の方が強くなりがちです。“君に会えてよかった”という方が作っていて落とし込みやすくもあるんですが、人間の核心ってそんなにきれいなことばかりではないですよね。だから、光と影の“影”の部分をきちんと表現した上で、最終的に「もう一度君に巡り会いたい」という着地に持っていきました。この、影の部分をどう入れていくかはギリギリまで悩みましたね。

:もとは内田が1番の歌詞を考えていて。サビの「今の日々を愛さないで」というのを初めて聞いたときに、「え、そんなこと言っちゃうの?!」と思ったんです。「自分がいなくなった世界で、みんなが自分のことを忘れて幸せそうにしていたら悲しい」という嫉妬心だと思うんですけど、それがすごく人間らしくていいなと思って。それを受けて、後の歌詞は一緒に考えていきました。「今の日々を愛さないで」という歌詞は、本当は愛情の裏返しですよね。好きな人たちとまだ一緒にいたかった、だけど自分はいなくなってしまって会えない。ただ、自分がもしいざその立場になったら、(残された人たちに)不幸になってほしいわけはないと思って、最終的には「今の日々を愛していて」っていう方向にしました。

――2度3度聞いたら口ずさめるような、とてもキャッチーなメロディラインも印象的でした。

内田:キャッチーであること自体は、今までの曲でもずっと意識してきた部分です。ただ、今回はバラードですし、アニメの激動のストーリーを癒すような要素が必要だと思いました。なので、いつもの僕らのようなエモーショナルなメロディではなく、隣にちゃんと寄り添えるようなメロディラインを考えていきました。

:メジャーデビューでアニメのタイアップとなると、音楽に全く詳しくない人にも聴いてもらえるわけですよね。だから、メロディや歌詞がちゃんと届くということはすごく考えていました。

――そのメロディを際立たせているのが、壮大なアレンジです。今回はアレンジに、岸利至さんを招いていますが、その工程はいかがでしたか?

内田:自分たちだけでやっていたときにNGにしていた部分でも、岸さんには「全然大丈夫」と言っていただけたことがあって。自分たちが知らず知らずのうちに狭めていた可能性をまた広げてもらえた、というのが大きいですね。今回、今まであまり取り入れてこなかったデジタル音をたくさん使っていますが、使い方次第で全然ありだと思えました。

:今回のアレンジはとても壮大なんですけど、3人が鳴らしている音もちゃんと聞こえるんです。私はグランドピアノを弾いていて、普通だったら音が埋もれてしまう心配があるんですが、全然そんなことにはなっていない。3人がバンドとして鳴らしている音もちゃんとパッケージされているので、デジタル感と人が鳴らしている音楽が融合しているというか。「いぬやしき」も、ロボ化するおじいちゃんだけど心はめちゃくちゃ人間、というアニメなので、そこにも繋がる感覚がありますね(笑)。


「ライブでみんなが楽しくなる感じを作りたいと思った」


――カップリングの「セツナロマンチック」についてもお聞きします。こちらは、遠距離恋愛で会えない切なさを描いた楽曲ですが、単なるラヴソングにとどまらない、とても楽しくて可愛らしい曲だと思いました。サビの語感がとにかく楽しいですよね。

内田:サビのメロディや歌詞は、もう3パターンくらいありました。最終的に今の形にしたのは、切ない中にも言葉遊びや軽さをもたせたかったからです。言葉遊びではなく、もっと流れるようなメロディのパターンもあったし、そっちも良かったよね。

:うん。サビで「ロマンチックチック…」とループしていますが、それをこの切ないラブソングでやるという組み合わせが面白いということで、こちらになりました。切ない中にもユーモアがあるというか。

――ライブでの盛り上がりを意識した部分もあるのでしょうか。

内田:そうですね。切ない中でも、ライブでみんなが楽しくなる感じを作りたいと思って。だからリズムとかも、かなりノリやすいんです。僕らの曲って結構、止まったり、ブレイクが多かったり、リズムが変わったりする曲が多いんですが、今回はそういうのもあまり入れず、ストレートにお客さんが入り込みやすいようにしました。ライブでどう成長していくか、反応が楽しみです。

――全く雰囲気の異なる2曲が同じシングルに入っていることで、クアイフの様々な面が見えるようにも感じました。

:「愛を教えてくれた君へ」は、死別を歌っていますよね。死んでしまって会えなくて“会いたい”。でも遠距離恋愛も、テーマは全然違うけれど、大切な人に“会いたい”という気持ちは同じです。もちろん、“死”というのは最大の別れなので、それに比べたら恋愛なんて…と思いがちですが、生きていると、そんなことでさえもすごく心が乱されるわけじゃないですか。それが伝わるといいなと思って、その2曲を並べています。

――こちらの曲のアレンジも、アレンジャーとしてNaoki Itaiさんを交えていますね。

三輪:僕だけで考えていたら多分、聴いている人が飽きてしまうのを恐れて、もっとリズムチェンジを入れていたと思うんです。それを吹っ切って、ちゃんと一つのリズムで1曲を完成させたのは、Itaiさんが入ってくれたのが大きいですね。フィルの場所やキメの部分も、Itaiさんのリクエストが結構多くて。そういうのも初体験だったので、良い経験になったと思います。

内田:「セツナロマンチック」は、自分たちの中で構成のイメージはありつつ、最終的にどういう質感にするかはItaiさんと相談しながら作っていきました。アレンジャーさんに入ってもらうことによって、“誰かと作ることの面白さ”みたいなものはより強く感じられましたね。


「“説明がなくても心に届く曲”を作りたい」


――今回の作品で音楽の幅が広がった部分もありそうですね。少し気が早い話ですが、次回以降もこうして、より自由に進んでいくのかなと思いました。

内田:僕らは今まで、「こういう曲にしたいから曲を作る」みたいな、アレンジ先行になることが多くて。でも今は、まず曲があって、そこに対してふさわしい服を着せてあげる感じでアレンジを考えています。この11ヶ月って、僕らはどこを目指したいのか、僕らの武器は何なのかと考えていた時期でもあったんですよ。僕らはやっぱり、10年後も20年後もちゃんと心に届いている音楽を作り続けたい。今回の2曲のテーマにもなった、感覚としての“会いたい”という思いは、時代が変わっても消えないと思うんです。だから、次作がどういう形になるかは分かりませんが、今聴いてくれた人に届くのはもちろん、その先にも共感してもらえるような、時代を越えていけるような曲を作り続けたいと思います。

――2018年はますます多くの人にクアイフの音楽が届く1年になりそうですね。最後に、2018年にむけての抱負をお聞きできればと思います。

三輪:2017年が“発見”だったとすれば、それを“発展”させるような年にしたいですね(笑)。

内田:この11ヶ月、苦しいときもあったけれど、僕らの武器が何かを改めて見つめ直すために必要な時間だったと思っています。そこで感じたことや学んだことで今、3人それぞれの心の中に確固たるものが出来上がりつつあると思うんです。2018年は、それを武器にして戦っていきたい。自分たちが今まで作ってきた曲も好きだけれど、もっと良い曲を書きたいし、僕らならやれると思っているので、それを表現していきたいです。自分にとっては“説明がなくても心に届く曲”というのが良い曲の目安になっているので、そこはすごく大事にしていきたいし、そういう曲を作っていきたいと思います。

:準備期間を経てメジャーデビューして、これを新たなスタートという気持ちで臨みます。ズバリ、売れたいです。それは自分の欲を満たしたいだけではなくて…自分が憧れたアーティストのライブで感動したり、その曲に救ってもらったり、そういう経験がみんな絶対にあると思うんですよね。「いぬやしき」でクアイフの曲を知ってくれた人たちが「めっちゃ泣けた」「感動した」と書いているのを見ると、やっぱりめちゃくちゃ嬉しくて。自分たちが作ったものが届いているんだ、と思えます。届けるためには人の耳に入らないと…自己満足ではダメだから、ただたくさんの人に知ってほしいだけではなくて、感動を与えたり、その人の生活に寄り添う曲になってもらったりしたい。だから、売れます!


インタビュー・文/小島沙耶

Major Debut Single 「愛を教えてくれた君へ」 Now on sale


クアイフ Official Site http://www.qaijff.com/
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ライブ情報

クアイフ
クアイフ Live Tour "愛を教えてくれた君へ"

2018/02/25(日)
ダイアモンドホール
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