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最新アルバム「GOLD EXPERIENCE REQUIEM」を引っさげ全国ツアーを控えた、彼女 IN THE DISPLAYのメンバー全員にインタビュー

2017/10/04 16:30

2010年福岡で結成され、2013年アルバム「GOLD EXPERIENCE」で全国に躍り出た彼女 IN THE DISPLAY。メタルやハードコアの枠を超え、J-ROCKを突き詰める彼ら。主催ツアーやフェスなどで知名度を上げ、昨年はPlayStation4用サバイバルアクションゲーム『LET IT DIE』の音楽コラボ企画にも参加。10月18日にリリースするミニアルバム「GOLD EXPERIENCE REQUIEM」ではリッチに音を突き詰め、サウンドの拡がりがハンパない。最新アルバムを引っさげ全国ツアーを控えたメンバーにインタビュー。

[写真左から、松永健太(Ba)、吉田弘輝(Gt)、RYOSUKE(Vo)、海 THE KID(Dr)、逸見豪一(Key)]



――アルバムのタイトルが以前出された「GOLD EXPERIENCE」の続編のような「GOLD EXPERIENCE REQUIEM」にしたのは?

RYOSUKE:『ジョジョの奇妙な冒険』の第5部に出てくる主人公のスタンドという能力がゴールドエクスペリエンスっていう名前なんですけど、最終的にそいつが進化してゴールド エクスペリエンス レクイエムという最強のスタンドになるんです。僕らの中で4年前に出したアルバム「GOLD EXPERIENCE」は一つの大きな壁だったんですけど、やっと進化できたのかなって意味合いも込めてこのタイトルを付けさせていただきました。

――ということはコンセプトの一つとして進化が含まれる。

RYOSUKE:そうですね、あ、でも、全部の楽曲ができて、結果的にこれが進化だったんかなって。だからタイトルを付けたのはできた後です。

――初めてプロデューサー迎えたそうですが、江口さん(いきものがかりやLiSAなどを手がける)とはいかがでしたか?

RYOSUKE:最初は注文とかあるのかなとか思ってたんですけど、僕らが作ったものに対して、コレを入れたり、ココは少し削った方がこの曲は引き立つかもねぐらいの感じで、整理してくれた感じですね。

――それがあることによって違いましたか?

(メンバーそれぞれ頷く)

――とくにどの曲が?

メンバー口々に:「NEVER SAY NEVER」かな。

RYOSUKE:最初はライブ曲みたいな感じで、僕ら自身が通ってきたルーツの洋楽に基づいて、けっこう激しいカタチで作ってたんです。でも江口さんの手にかかり、すごく繊細でクールなカタチになりました。あ、こんな感じになるんだっていう。だから曲自体がドラマチックになった感じですよね。

松永:全体的に今まで引き算してきた部分を足し算にして、音の響き、重なりっていうか。場所場所の和音とかもいい案配で入れてもらって、響き方も豪華になったような。

――”そいつが理由に変わるまで”から、最後”理由が確信に変わるまで”と流れていく歌詞もいいですね。

RYOSUKE:恥ずかしいです。嬉しいです。はははっ。

(そのRYOSUKEのリアクションにメンバーが苦笑)

RYOSUKE:5人でのインタビューはあまりないんでヤバいです(笑)。

――メンバーに見つめられちゃいますね(笑)。歌詞はすべてRYOSUKEさんが担当してるんですか?

RYOSUKE:ベーシックは僕が作ったんですけど、僕が悩んでた時には、みんなに結構助けてもらいましたね。最後出てこない1行のエッセンスくれたりとか、ライブで県外まわってる時に、宿泊先でみんな時間さいて一緒に考えてくれたりとか。

――生みの苦しみを味わったのはどの曲ですか?

RYOSUKE:歌詞作業で一番煮詰めてメッセージ性のあるのは「アカネ」ですね。文としては少なくても、凝縮はされてます。

――タイトルは何故「アカネ」?

(メンバー謎の爆笑)

RYOSUKE:このメロディをもってきた時に、俺ら借りタイトルを付けていくんですよ。これは茜空っぽい情景だねってなったから、アカネって言ってたんです。最終的に変えるつもりだったんですけど、アカネでよくねってなって、そうなりました。

――「アカネ」をリード曲にしたのは、今の自分たちが一番色濃く反映されているから?

吉田:けっこう話し合いました。

:リードをどれにするかは悩みました。

RYOSUKE:この歌詞の内容が自分たちの歴史というか、今までを辿ってて、一番自分たちらしさが滲み出てる感じがしたので。

――1曲が完成されるまでのプロセスは?

RYOSUKE:基本的には最初セッションというか、ギターリフとか誰かの一つのアプローチから想像を膨らませていくんです。で、煮詰まったりしたら、僕らアニメとか好きなんで、このアニメのこのシーンっぽいのどう?とか、そうやって膨らませていきます。

――例えばアニメのイメージから連想された曲は?

メンバー全員:なんだろう。「アカネ」? 「アカネ」は違うね(メンバーそれぞれ呟く)。

RYOSUKE:あ、でも今回、出来上がった曲としては違うカタチになりましたけど、「Don't let me go」って曲は、逸見君が映画『ワイルドスピード』観て、それっぽく作ろうぜって言ってたのに、『ワイルドスピード』のカケラもなくなって(笑)。

:俺は今でも『ワイルドスピード』っぽいと思うけどな(笑)。

RYOSUKE:マジすっか(笑)。

:『ワイルドスピード』をスピード感で捉えているのか、家族愛で捉えているのかで、変わるよっていう。

――「Don't let me go」だけではないですが、1番と2番のアレンジを変えるとか、曲の表情がどんどん変わっていきますよね。

吉田:確かにそのふしは昔からありますね。1番と2番を同じようにはしないって感覚は正直あんまりないかもしれない。

松永:それに関しては弘輝と海がアレンジしてくれることが多いです。

:こだわりってほどのことでもないけど。

逸見:やりたいことをやろうってスタンスなんですけど、詰め込んでいったり話していくうちに、誰かのここ、誰かのここを合わせて行くとそうなっちゃう。

――音で遊んでる感覚。

逸見:ああ、かなり。その分、落ち着いた曲は繰り返そっかって話し合ったりもしますし、全体的に聴いたらそういうのが目立つんじゃないかなって気はしますね。

RYOSUKE:「Don't let me go」は抑揚は強いかもしれない。

――「Let's get the party!!!」だけ表情が違いますね。ポップ寄りな感じ。

RYOSUKE:そうですね、ちょっとお洒落なシティポップイメージ。

:江口さん的にはマルーン5的な要素を入れていこうみたいな感じで、だからもともとは4つ打ちじゃなかったんですよ、全部は。だけど全部4つ打ちになったっすね。

――”ラララ”の合唱はライブを想像させますね。

メンバー全員:ああ、そうっすね

RYOSUKE:そう思って頂けたなら思惑どおりかなって。

――「1959」に関しては、まずタイトルが謎です。

吉田:これに関してはタイトルを付ける時に、今回レコーディングの時に初めて使った機材なんだっけって話になって、俺、今回1959使ったよって、マーシャルのヴィンテージアンプなんですけど、じゃあそれいいじゃんって。

逸見:それすごいいい音が出たんで。

吉田:その音で録ってるんですよ。

――1959ありきの曲。

吉田:そうですそうです。

:ギタリストだったら絶対わかる。

――タイトルだけみたら1959年代の音楽ってこんな感じだったのかなぁとか。

(メンバー大ウケ)

:それは違います(笑)。

RYOSUKE:別の取材の時もその話になって。

:親御さんの年齢がそれくらい(笑)。だから親に向けた曲なのかなって? いやなにも考えずにつけただけっすよ。

――結成当初は英語で歌ってたんですよね。それを日本語の歌詞に変えたのは?

RYOSUKE:日本でやっていくっていうのをより感じていって、僕自身、洋楽は好きなんですけど、英語は調べたりしないとわからない。ライブとかでも英語でやっちゃうと、気持ちをMCとかで言ったとしても伝えられなかったとしたらと考えた時に、日本語にしようかって話になって。英語は取り入れたいなとは思ってるんですけど、基本的なスタンスとしては日本語ですね。

――言葉は音に埋もれることなくちゃんと伸びやかに伝わってきます。滑舌がいいのでは?

(RYOSUKE以外のメンバー含み笑いから爆笑へ)

:滑舌悪いっすよ。昨日のラジオでもゴールド、エクスベラベラベラベラ。生放送でやり直しましたから(笑)。

RYOSUKE:舌が緊張しいなんですよ。

(メンバー爆笑)

――レコーディングはいかがでしたか?

吉田:楽しかったですね。

:僕は個人的には今までで一番いい環境でやらせてもらってたんで最高でした。ドラムセット3つ使ったんすよ。シンバルのセット3つ、スネアは18台あったんですよ。その中で選んでやってったんでスゴイっす。初めて天井が8メートルあるスタジオで録ったし、豪華っす。愛を感じますよね。東京のドラマーの先輩たちが無償で持ってきてくれたんですよね。

――それは力入りますね。

:1曲ごとに音決めをして、かなり時間をかけました。レコーディングって基本的に録った音でミックスしてキレイにするってのが当たり前なんですけど、録り音を究極まで突き詰めてるんで、ミックスはほぼしなくていいんですよね。イコール超生なのに超キレイってのが残ってるんです。だから今回すごいいいっすよ。ドラマーに聴かせると、夢が持てる音って。福岡のドラマーの師匠に聴いてもらったら、すっごい興奮してましたもん。

――手がいくつあるの?ってくらいのパワフルなドラミングは、そういった後ろ盾があったからこそ。

:人間的にも成長すること多くて。毎晩、朝まで飲んでました(笑)。

――松永さんはいかがですか?

松永:僕、ベースライン録りっていって、アンプとか使わないで録るんですけど、今まではあとでこういう音色にってやってた部分を、今回は指で今までやったことのないくらい強いピッキングで。

:ニュアンスとしては一緒だよね。ミックス前に録り音でっていう。

松永:そうそう、究極まで突き詰めてた。

――逸見さんは?

逸見:あんま変わってないです。基本、自宅でレコーディングして、データでお渡しする。でもメンバーがレコーディングしてる姿を見て、次の作品に繋がるような人間的な成長をすごい感じましたね。技術的なこととか、こういう環境で録ったらもっと音がよくなるよとか。

RYOSUKE:勉強させてもらった。

吉田:学ぶことは多かったですね。

――吉田さんもですか?

吉田:ギターに関しては真逆なんですけど、リアンプっていうのを初めてやって、ラインで録った音を、後からアンプでひずませて音を決めていくんですよね。好きな音色を逆に作れるんですよ。その場で弾いた録り音を使わなきゃいけない状況ではなくて、ギターの素の音なんですよ。説明がちょっと難しいんですけど…

逸見:自分の好きな音を作る作業だよね。

吉田:弾き手としては、アンプで鳴らしてる音の感覚ってのはアンプで弾いてる時に持てるものなんですよ。だけどその前にアンプで弾いてない時の音で録ってるんですけど、その時の感覚っていうのを近づけた方がもっとよくなるとはすごく思いました。

――ライブで聴かせる音もこだわりが強くなりますね。ちなみに今まで印象に残ってるライブは?

逸見:初ツアー東京かな。

:いやあ、バリ泣いたー。肩にゴキブリのっとったもん(笑)。

RYOSUKE:バリ泣いた−。初めて行った東京が、たとえるなら初めて甲子園行って初戦で負けたっていう。

:ほんとにそんな感じですよ。博多の田舎者が完膚なきまでにボコボコにされるみたいな。ライブの途中でもう泣き始めて、悔しすぎて。

RYOSUKE:ライブ終わったら外に直行し号泣したぐらい。

:みんなちりぢり。

RYOSUKE:我に返って、あいつどこ行った?って探すと、ああ、肩にゴキブリのっけとるなって(笑)。

――名古屋の反応は?

RYOSUKE:逆にすごいノリがいい。応えてくれる人がすごい多い気がします。

:貪欲に音楽が好きな人が多いですよね。街中で音楽流れてるじゃないですか。あれやっぱスゴイと思うんですよ。公園でライブやってたり。

RYOSUKE:身近に音楽がある。

――アルバムを引っさげてのツアーは地元福岡から。名古屋は11/14 CLUB UPSET。どんなライブになりそうですか?

RYOSUKE:スタンスとして僕ら自体が暑苦しいライブというか、楽曲の振り幅はいろいろあるんですけど、育ってきた庭はヘビーロックやメタルなんです。だからそこで培った熱い気持ちは楽曲の振り幅がどんなに拡がっても、気持ちとしてはずっとそこにいたいし、そういうライブをしていきたいなと思います。おとなしく聴いているお客さんにも何か熱いものを残したいし、カタチは変わっても熱さっていうのを大事にしていきたいです。

――以前、他のインタビューで目指してるバンドはメガデスだと。

(メンバー爆笑で海さんを見る)

:その時たぶん酔っ払ってたと思うんですよねえ(苦笑)。人生楽しんでます。

――メタルやハードコアの垣根を超え、もはやノンジャンルな感じもしますね。

RYOSUKE:たぶん賛否両論あると思うんですよ。でもライブに来てもらったらそうなった理由とか、俺らがこうだからって伝えて、なおかつ理解してもらえる人間には成長したんじゃないかなと思います。

――ジョジョポーズも評判ですが、そもそもはじまりは?

RYOSUKE:もともと、タイトルの流れもあるんですけど、メンバーがジョジョが好きで、アー写の撮影の時にやってみたら面白いんじゃないって、ただの思い付きから、それイイネって言っていただいて。クールに撮った時期もあったんですけど、今回は原点回帰で。毎回言ってるような気がするんですけど(笑)。やっぱ初心を忘れたくないなっていうのもありまして。

――きっと至る所で聞かれると思うんですが、バンド名の由来は?

RYOSUKE:昨日、飲み会ですごい練習しました。

(メンバー爆笑)

RYOSUKE:メンバーがもともとアニメと漫画とゲームが好きで、そのつながりで仲良かったってのもあるんですけど、その中でゲームのキャラが女性のキャラだったりして、アニメもヒロインとかいっぱいいるじゃないですか、で、この子が彼女だったらいいなって妄想話をけっこうしてたんですよ。それに基づいて、彼女が画面の中にいたらいいのにっていうことで、バンド名にさせていただきました。

「素晴らしい!」(メンバー拍手)

――これから触発されるものもアニメだったりゲームだったり。

RYOSUKE:もうなんでもだと思います。映画もそうだし、実体験も。基本的になんに対してもアンテナは張っていたいなと。

吉田:インスタグラムも動画も。

RYOSUKE:このスタンスを崩さずに、謙虚に突っ走っていきたいですね。アルバムを聴いてもらって、ライブに来てもらってなおのこと皆さんと繋がっていきたいと思ってます。


インタビュー・文:深見恵美子


Mini Album 「GOLD EXPERIENCE REQUIEM」 2017.10.18 Release


彼女 IN THE DISPLAY Official Site http://www.kid-official.com/

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