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ポップボーカルバンド・しなまゆが、約3年ぶりとなるニューアルバム「クランク・イン!」をリリースしレコ発ツアー開催!メンバー全員にインタビュー!

2017/07/20 17:00

ポップボーカルバンド・しなまゆが、約3年ぶりとなるニューアルバム「クランク・イン!」をリリースした。今作ではボーカル・モリユイの生命力に溢れる優しくも力強い歌声が、より活き活きと鳴り響いている。「クランク・イン!」制作時にはモリユイが作詞作業においてスランプに陥り、メンバーとの接触すら拒絶する状態になったという。だが、彼女はその長く暗いトンネルを抜け出し、聴いた人に寄り添う音楽を生み出した。しなまゆの快進撃がここからはじまることを予感させる快作はどのように生まれたのか、モリユイ、タクマ(Gt.)、ウエノハラ(Ba.)のメンバー全員に話を聞いた。


――今作は3年ぶりのアルバムとのことですが、しなまゆの進化を感じられる作品だと思いました。

モリユイ「前作は10代最後に作った曲も多くて、当時は自分の中の空想を形にしていく作業が楽しくてファンタジーな内容の曲が多かったんです。だけどそれからリアルな世界観の曲を書きたいと思って、もっと生活に寄り添った音楽を作るようになりました。ファンの方が自分の生活のことを代弁してくれていると、共感してもらえるような内容になったらいいなと思って今回の作品は作りました。10曲入っているんですけど、それぞれ違う登場人物がでてくるイメージで書いているので、老若男女、世代や性別を問わず聴いてもらえる作品です。『クランク・イン!』というアルバムの中に自分と同じ気持ちの歌詞を探してもらえるというか」

ウエノハラ「これまでユイは一人で歌詞を書き上げるタイプだったんですけど、今回は初めて歌詞の相談をたくさん受けて制作したので、バンドが一体となってアルバムを作れた感触が強いですね。なので今作の歌詞にはすごく感情移入できる部分がありますし、さっきユイが話していたように自分の身近な出来事に近いことが曲の中にあるかもしれないと思って聴いています」

――ユイさんが10代最後に書いていた歌詞と20代になってから書いた歌詞は、表現としてのベクトルが全く違いますよね。なぜリスナーの生活に寄り添ったリアルな歌詞に変化したんですか?

モリユイ「音楽を続けている3〜4年の間に、新しい出会いもあったんですけど離れていく人もたくさんいたんです。学校や組織の中に所属していてなんとなく一緒にいることよりも、大人になると自分で一緒にいることを選んでいかないと人と付き合い続けるのは難しくなると感じて。そういう風に段々人間関係の付き合い方が変わっていく中で自分自身も変化していって、人対人の関係性が変わっていったというのが大きな理由だと思います。
それとしなまゆの曲は後悔してクヨクヨしてどうしようもない歌ではなく、前に進んでいこうという気持ちがでている音楽だと思っていて。だからリスナーの手を握って一緒に歩いて行くことができる役割を担いたいし、そこで一緒になって辛いよねというだけでは終われないんです。ただそれを押し付けるのもすごく嫌なので、歌詞を書く時にそのバランスはすごく気にしました。なので、しょうがいないけど前に進んでいこう!という曲もあります(笑)」

――今回の歌詞制作はかなり難航したようですね…。そんなに大変な状況だったんですか?

モリユイ「言葉が生まれないという状態がはじめてだったので、メンバーやスタッフとも一切連絡をとらなくなってずっと家にひきこもっていました。そうしたらマネージャーが家まで来てくれて『書きたいことがなくなったの?』と聞いてくれたんです。書きたいことがなくなった訳ではなくて、自分の中にどういった事を伝えたいというテーマはいくつも溢れていて。だけどそれを言葉にして人に伝えるとなった時に、今までよりも良い歌詞を書きたいという思いが強くて、自分の実力が伴わない感じがすごくしたんです。自分の中で納得できる歌詞が書けないというのが原因で、それをマネージャーに伝えたら『じゃあ、一緒にユイの作詞を手伝ってくれる人を探そう』と言ってくれて。
そうして出会ったのが作詞家の濱名 琴さんで、彼女に自分の書きたいことを伝えて一緒に言葉をだしていくという作業をしました。今まではさっきも言ったように歌詞制作を人に手伝ってもらうなんてメンバーだとしてもありえないと思っていたんですけど、今回はメンバーや母親にも協力してもらって歌詞が完成したので本当に感謝しています」

タクマ「二週間誰も連絡がとれないし、会うこともできなかったんですよ。だからとにかく死んでなければいいなぐらいの気持ちでいました(笑)」

ウエノハラ「本当にそんな気持ちでした(笑)。バンドどうこうの前に、ここまで切迫した状態は初めてだったので生きててくれれば良いなとずっと願っている状態でした」

タクマ「これまでは作詞作業に口をだそうとするとユイのモードが変わっていたので、これはユイにとってすごく神聖な作業なんだと感じました。“触れないで”ぐらいの勢いだったので作詞に関しては完璧に任せていたんですけど、今回の1件があって彼女自身もすごく弱っていたので、頼ってきてくれた時は嬉しかったですね。その時にはじめて歌詞を考えてみようと思ったんです(笑)。これまではしなまゆの世界観はユイが作りだすものだと思っていたので、その作業を手伝うことはとても新鮮で。それを通じてしなまゆへ対する理解が深まりましたし、それによってしなまゆの音楽が広がるきっかけにもなったのでとても意味のあることでした」

――ユイさんは濱名さんの言葉のどこに惹かれたんですか?

モリユイ「皆に分かってもらえる歌詞って、どうしても当たり障りのない言葉を並べがちになるんですね。そこから抜けている作詞家さん独自の言葉が並んでいると、やっぱり言葉が引っかかるんです。それは濱名さんの書く詞が、こうだったらという想像力で言葉を書いた時にも嘘をついていないからだと思って。想像力に対する責任の重さが違うというか、ちゃんと書く言葉の1つ1つに例えフィクションであっても彼女の言葉には嘘がないんです。思ってもいないのに書いた言葉って、やっぱり分かるんですよね」

――濱名さん、メンバー、スタッフの方に支えられてスランプを脱してから歌詞を書いて印象に残っている曲はありますか?

モリユイ「そのヤバい時を抜けて一発で最後まで書ききったのは6曲目の『grow』ですね。その時は好き勝手に書いて良いというムードがあったので、そのおかげてすぐOKがでたと思うんですけどね(笑)。だけど自分の描きたかったテーマを書くことができたので、自信を取り戻せた曲になりました」

――本当に成長が詰まったアルバムになっていると。

モリユイ「1曲1曲がむしゃらに作っている時は気づかなかったんですけど、アルバムとして並べた時に、こんなにしなまゆは変わって成長したんだと思えました。前のアルバムの時は良い意味でも悪い意味でもパワーが凄すぎてウザかったんです(笑)」

メンバー全員「アハハハハハ」

タクマ「確かにそれは分かる(笑)」

モリユイ「そこが一回削げて、ちゃんと大人になって作ってる感じがします。やってやるとか挑戦したいという気持ちはあの時と変わってないんだけど、肩の力を抜いて信頼できるチームで作った作品になりました。なので雰囲気が変わったのはそういう所も影響しているのかな」

――苦しい時期を超えてよりバンド感のある作品が生まれたからこそ、今のしなまゆは視界良好なんでしょうね。

モリユイ「だからこそ『クランク・イン!』という作品を、自分たちの力でちゃんと伝えたいという思いが強くて。自分たち自身が1番しなまゆのこれからを楽しみにしてるので、今は前に進んでいく気持ちしかないです! このアルバムを作って一本芯が通ったことってなんだろうと考えた時に、しなまゆを大切にしてくれている人たちに感謝を返せる人でありたいなと思ったんです。それを改めて強く思ったので、これからのしなまゆに期待しててください!」


インタビュー・文:菊池嘉人


New Full Album 「クランク・イン!」 2017.7.26 Release


しなまゆ Official Site http://shinamayu.com/
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