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デビュー曲『あいたい』がロングヒット、今年は待望の全国ツアーもスタート。泣き歌の貴公子、林部智史の素顔に迫るインタビュー!

2017/05/19 17:00

泣ける歌として口コミで広がり、デビュー曲『あいたい』をロングヒットさせている林部智史。2月にリリースされた『晴れた日に、空を見上げて』はドラマの主題歌に起用され、さらにファン層を広げた。コンサートは癒やしのデトックスと称され、今年は待望の全国ツアーもスタート。泣き歌の貴公子の素顔に迫ると、意外にもユニークな一面が窺えた。


――2ndシングル「晴れた日に、空を見上げて」は、リリースされて2ヶ月以上経つので、いろいろな声が届いているのでは?

「この曲に関してはおおまかに二通りの捉え方があったようで、『あいたい』のイメージや”泣ける歌”というキャッチフレーズが付いていたことで、せつなくなるっていう感想もあれば、勇気をもらえるっていう感想もあり、聴き方はそれぞれだなって思いましたね。僕の中では応援歌だと思ってるんですけど、受け止め方は自由でいい」

――個人的には”無理に何かを得ようとしたから ほらね また1人傷ついたでしょ”というフレーズにドキリとさせられました。

「ここも二通りにわかれるんです。今聞いた感じでは、誰かを傷つけたと受け取りましたよね?でも、自分が傷ついたと捉えるパターンもあって、大半は後者の方みたいです。誰かを傷つけたという内容なら、”傷つけたでしょ”と書くところですけど、普遍性を意識して”傷ついたでしょ”にしたら面白いと思って作った歌詞ではあったんですけど、マネージャーも少数派で、ここ、誰かを傷つけたっていう歌詞いいですねって言うから、いや、違いますよって(笑)」

――詞と曲、どちらが先でしたか?

「この曲に関しては曲先でしたね。『あいたい』も曲先でしたけど、それは曲によって違います」

――泣き歌の貴公子と呼ばれることに関してはどう受け止めてますか?

「泣き歌として、当たり前に泣かせようとは思ってないですし、自分のことを貴公子だとも思ってないですし(笑)。もともと持ってるものがそういう声なんだなっていうのは、セカンドシングルを通して自覚するようになりました。でも泣きをあまり意識しないように、自分がどれだけ、そこにいる皆さんの雰囲気を感じて歌えるかどうかだと思ってます」

――「あいたい」と「晴れた日に、空を見上げて」。声の印象が違うのは曲の持つ色でしょうか。

「バックの印象とか、たとえば『晴れた日に〜』の出だしをすごく暗く弾いたら、『あいたい』の声になるんだと思います。それを言うならカップリングの『雨の日と月曜日は』はかなり発声を変えてます。英語の曲は難しかったですね」

――なぜカーペンターズだったんでしょう。

「この曲はドラマの挿入歌として使っていただいたんですけど、候補曲が何曲かあって、それがすべて洋楽の名曲だったんです。実は全部レコーディングして、これが一番いいんじゃないかと決まったんです」

――ドラマ「就活家族」は家族全員が就職活動する異色のドラマ。「晴れた日に〜」の方は、最終回の最後に流れてきてとてもしっくりきました。

「最後、自分でもうるっとくるくらいの曲の使われ方で、最後の最後でドラマと一番合ってるなって思いました。っていうのは、書き下ろしにあたっては今回みんなが知り得る情報しかもらえなくて、その中でドラマに寄せて書いてたんですよ。”働いて〜”みたいな歌詞じゃないですけど(笑)、もっと関係なくていいと言われて。僕の中での解釈は他にあまりない社会派のドラマで、誰にでも起こりうる話。だから制作者サイドは歌も皆さんに訴えかけられるような内容にして欲しかったんじゃないかなって今は思ってます。リンクさせないように作ってたけど、最終回でリンクしたと思い、その時にぞわっときましたね」

――実際、空を見上げて、気持ちが切り替わった経験は?

「もともと心のバランスを崩して学校辞めたりして、引きこもったりしてたので、天気って僕の中でおっきいんですよね。曇りの日はテンション下がってて、ほんとに違うんですよね。病院も窓の数で死人の数が違うくらい、空と心ってリンクするものがあると。精神的にも密接に感じていて、だから僕の歌詞で”空”っていう言葉は多いですね」

――確かに月の満ち欠けや潮の満ち引きも出産とかかわってると聞きますし、人間は自然とリンクしてる気がします。

「晴れた日に空を見上げるようなことっていっぱいあると思うんですよ。この曲は雨の日に聴いても応援されてるような気になって欲しいんですよね。皆さんにとって身近なことで自然と勇気をもらえることってなんですか?って伝えたいなって。たとえば二番の”昔見た花”とか、周りの人の何気ない言動とか笑顔とか、そういうところに気づいて欲しいし、僕自身も気づけたらいいなと思います」

――6月には新曲「だきしめたい」がリリースされますね。昨日、名古屋イオンモール木曽川で初披露されて。

「初めて披露したんですけど、披露してないみたいな感じです(笑)。というのは、まだレコーディングしてなくて、音源もリリースイベントのために仮で作ったものなので。だから全然違うものになると思うんですよね。さすがにタイトルは変わらないけど(笑)」

――どういう思いが込められているんでしょう。

「『あいたい』を歌わせていただくなかで、いろんな所で、会いたいけど会えないという想いを持った方にお会いする機会が多くて。その人たちがよく口にしていたのが、会いたいという思いと、抱きしめたいという思いだったんです。それを踏まえ作り始めた詞先の曲で、『あいたい』と成長できればという思いもあります。『あいたい』がなければ出来なかった曲だと思いますので、僕の中では『あいたい』に続く曲という感覚ですね」

――編曲に関しては「あいたい」も手がけた坂本さんですしね。しかしこの一年で知名度がぐっと上がり、昨年は日本レコード大賞新人賞、日本有線大賞新人賞も受賞! すごい躍進ですね。

「人生で一度しかもらえない賞ですからね。一年前には考えられなかったことですよね。自分の曲が流れてると、最初は自分の携帯から流れてると思って焦りましたけど、最近は、ああ有線かって」

――休日行く喫茶店でも毎回流れますよ。「あいたい」と「晴れた日に、空を見上げて」のセットで。

「ホントですか〜? 昨日もめちゃめちゃ言われたんですけど。朝から晩まで流れてるとか(笑)。まあ、でも確かにリクエストランキングは何十週もベストテンに入ってましたからね」

――自身最大規模となる全国ツアーが始まりますが、名古屋の印象は?

「名古屋は最初静かで、最後に盛り上がります。昨年はダイアモンドホールでやらせていただいて、最後の撮影会はけっこう熱かったです。アーティスト同士の前評判で、名古屋はよそ者は寄せ付けないと(笑)。様子見なんでしょうか。そう聞いてたんで、最初は丁寧に行こうと思ってました(笑)」

――もう大丈夫ですね(笑)。昨日はすごい人でした。

「すごかったですね。映画『美女と野獣』が上映されているので、その曲をアカペラで歌ったんですけど、けっこう若者が立ち止まってくれましたね。温かく迎え入れてもらえました。様子見じゃなかったです(笑)」

――ライブハウスとコンサートホールはやはり違いますか?

「僕の場合、客層や客席を含め、ライブハウスよりコンサートホールが合うのかなあと思っています」

――新人にしてディナーショーができるというのもすごいです。

「正直デビュー前は僕もできないと思ってたんですけど、『あいたい』で年齢の幅が広がったおかげですよね。やっぱり『あいたい』を歌うと盛り上がりますし。あとディナーショーだと歌う曲も昔の名曲を入れたりします」

――6/2の日本特殊陶業市民会館はどんなステージに?

「来やすいライブだと思うんですよね。オリジナル曲も歌うんですけど、カバー曲も多いですし。いろんな年代の方に楽しんでもらえるように曲をチョイスしているので、初めての方でも来やすいのかなと、あとは歌声とか…、顔面とか(笑)。韓流でもない、悪く言えば味気ない(笑)。まあ、ちょうどいいところをいきたいなと思ってるんですけど」

――カラオケバトルでは2年続けて年間チャンピオンになり、そのまま三連覇を狙うと思ってたんですけど。

「殿堂入りでもう卒業です。デビューのきっかけを作ってくれた番組なんで大変感謝してるんですけど、目指すところはそこじゃないんで。機械相手のカラオケの人になりたくない。機械は感情を読み取ってくれないので、計算して歌わないといけない。自分の持ち味とは180度違うなって」

――今度は歌われる立場になりますが、林部さんの歌をカラオケで歌うコツは?

「点数じゃなくて、気持ち込めて歌うことですかね。『あいたい』なんかはシンプルな歌詞の世界の中に”あいたい”というフレーズが16回出てくるんですけど、それぞれ言い方や、思いを変えるだけでも違ってくると思います。ちなみに点数を気にせず僕が『あいたい』を歌って採点したら80点台ですよ」

――なるほど、そうなんですねぇ。でも1/fのゆらぎを持っていらっしゃる。そのことに気づいたのはいつですか?

「これは音楽学校に行ってる時に証明されて。美空ひばりさん、宇多田ヒカルさん、徳永秀明さん、もっといえば森本レオさんも持ってるみたいです。(真似て)機関車トーマス、ふふっ」

――音楽学校はEXILEのATSUSHIさんも通われていた学校で、首席で卒業されてるんですよね。でもすぐにはデビューには至らず苦労されて。

「もともと音楽学校に行くのも看護学校を退学して、いろんなきっかけがあって、新聞配達をしながら2年間通って卒業したんですけど、そういう人って音楽活動をしながら何年間かは歌手を目指すんです。でも難しいですよね、何が正解なのかわからないから。どんなことで引っこ抜かれるかわからないので。だから自分のやりたいことをしながら歌手を目指せればいいかなと思って、卒業した後ディズニーシーに勤めてたんです」

――意外です。

「首席で卒業できたのは、自分の中で自信にはなりましたけど、デビューはそれだけではできないので。学校の先生にも相談してたんです。がっつり目指すのは辞めようと思ってるんですって言ったら、僕のことを歌手になると信じている先生だったので、今はそれでいいけど、林部の歌は音楽側の方から声がかかる日が来ると言ってもらえました」

――それで必要とされる日がくるまでディズニーで。

「そしたらカラオケバトルの話が来たんです。テレビ局側では、新聞配達をしながら音楽学校に通い、ATSUSHIさんの後輩として首席で卒業したヤツがいると聞きつけたみたいで。だから新聞配達をしていなかったらダメだったし、成功したら美談になるのかなって。そうじゃなくても失敗があって成功があるんで」

――林部さんの生い立ちも含めて勇気や夢を与えていらっしゃいますね。日本一周をしていた頃は音楽学校入る前ですよね。その時の自分に今の自分が声を掛けるとしたら。

「最初は歌手を目指してなかったんですけど、そうですね、なんも掛けないですかね。歌手になるよとは絶対言わないですかね。ただ今やってることを全力でやった方がいいとは言いますけど、あとはなんも言わなくてもいいと思います」

――何も言わないのが答えだと、その時の自分は受け止めるんじゃないですか。

「ありがとうございます、素敵な言葉を(笑)。歌手になれるまでの経緯がいろいろあり、お客さんが大きくしてくれて、番組にも出られたし、アマチュア時代にファンクラブも発足されたし、必要とされる人がいて歌える、それが歌手だと思うんです。だから必要とされる曲を歌いたいですし、僕のコンサートには癒やしを求めに来る人が多くて、それに応えるには皆さんが期待してる歌を唄うことだと思うので、シンガーソングライターではなく、歌い手でありたいですね」

インタビュー・文:深見恵美子


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林部智史 Official Site http://hayashibe-satoshi.com/
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ライブ情報

林部智史
林部智史 CONCERT TOUR 2017 〜あいたい〜

2017/06/02(金)
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
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