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大盛況だった94都道府県100公演のライブツアー!その先の“鶴”を詰め込んだアルバム『ニューカマー』をリリース

2016/09/06 00:00

大盛況だった94都道府県100公演のライブツアー!
その先の彼らを詰め込んだアルバム『ニューカマー』をリリース

 今年1月にリリースした《ソウルのゆくえ》から8ヶ月後の8月10日にアルバム《ニューカマー》をリリースした鶴。
 47都道府県を2周した全100公演と、新曲だけのワンマン・ツアーを成し遂げた彼らから放たれたサウンドは、かっちょええリズムとギター、ぐっとくるアレンジ、ずっと聴いていたくなるまっすぐな歌声に、ときめきが止まらない。ぷっと吹き出してしまう曲や、暗闇のその先に見える光を信じて歩き続ける曲など、1曲1曲が映画のワンシーンみたいにくっきりと輝き、エールとなって胸に響きながら爽快に、ファンキーに駆け抜けていく。その気持ち良さといったら、自然にからだがうずき、踊り出してしまうほどグルーヴィー。
 アルバムについて、ライブについて、メンバーに話を聞いた。

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――2003年に結成、2008年にデビュー、2013年に自主レーベルを立ち上げて活動を続けているみなさんが、アルバムタイトルを《ニューカマー》にした理由は?

秋野温(Vo&G)「最初は思いつきなんですけど、このアルバムを作る前に新曲だけでワンマン・ライブをすることになって、ツアータイトルを考えたときに、新曲を演るのは僕たちにとっても聴く人にとってもニューカマーだし、気がつけばいっぱいライブをやってきて、今も『バンドとか音楽って楽しいね』って思える新鮮な部分が残ってて、そういったニューカマーでいたい、チャレンジャーでいたい気持ちと言葉がちょうど重なって」

――47都道府県を2周した100公演を終えたあと、新曲だけのワンマン・ツアーをされて、正直、怖くなかったですか?

神田雄一朗(B)「や〜、しびれましたね〜」

秋野「新鮮すぎちゃって何がなんだか……なんですけど、全国100本演って、自分たちの心のキャパも広がったみたいで、『新曲でワンマン演るって面白くない? 変に緊張してガチガチになるよりは、これはこれで面白いし、来てくれる人も楽しんでよ』ぐらいの心持ちでいられるようになったんで、思いのほか楽しめましたね」

――お客さんの反応は?

秋野「聴いたことがない曲だから最初は聞き耳を立てるじゃないですか。こっちが盛り上がってほしいと思っている曲でも、耳を立てているから盛り上がらないこともあったけど、最後はばっちり盛り上がって」

神田「知らない曲でも、2番ぐらいからみんなで歌い出してくれて」

――改めて、ライブ100本、すごいですね!

秋野「47都道府県で演ることになって、その都度せっかくだから次のライブの告知をしていったら、結局2周することじゃんっていう。ツアーがはじまる前から考えていたけど、途中で『2周に変更します』って茶番をやらせてもらって、その茶番についてきてくれるお客さんなので、ぜんぶひっくるめて楽しんでもらってます」

――つらかったことは……

秋野「旅ですか? なかなか家に帰れないことが多いので……」

神田「出ずっぱり、けっこうありましたね」

秋野「からだがついて来なくなっちゃうんですね。ライブやって移動してライブやってっていう出ずっぱりが1ヶ月ぐらい続いたことがあったんですよ。後半、ライブハウスへ入るとき、みんな最小限の力で動いていました、これ以上の馬力が出ないみたいな。ああ、みんな疲れてるなって、無言で分かったんです。だからと言って空気が悪いわけじゃなくて、お互いに疲れを感じているのがわかる。本番のために体力を温存しているんです」

神田「これ、からだにきてるね、ぎしぎし言ってるぜ、みたいなものはありましたね」

秋野「それ以外、つらいことはあまりなかったですね。笠井くんが枕が変わると眠れないタイプで……」

笠井快樹(D)「眠れないんですよ。エレベーターに近い部屋だと、エレベーターのピンポーンっていう音で眠れなかったり、エアコンの水の音が気になって眠れなかったりとか、もう、全然寝られないんですよ。13年バンドやって、ツアー何回も演って、慣れてもいいのに一向に慣れない」

――笠井さんが作ったアルバム収録曲〈321〉〈明日はどこだ〉の歌詞からも、その繊細さ、伝わってきます。今回、メンバー3人がそれぞれ曲を作っていますが、詞を作るときにこだわったことはありますか?

秋野「僕は響き重視。ハマりの心地良さを意識しますね。内容はそのときに思っていることがそのまま出るので、物語を書くタイプではなくて、今、自分はこうなんだ、っていう気持ちをストレートに言うことが多いです。逆に笠井くんは詩的というか、きれいさというか、わ〜すごい表現をするなぁって歌いながら思います。今回、神田くんが初めて作詞・作曲をしたんですけど、らしいな〜って」

笠井「僕も自分が思ったことを書きます。昔は書きたいことを書きたいように書いていたのが、最近は秋野くんを通して出していくことを意識して、秋野くんだったらこんな感じなのかなって、自分なりに秋野くんの世界観に寄せる……というか、言葉を抽出しようとは思うんですけど、なかなかそれは難しくて。それもまたいいって言えばいいのかな、あとは秋野くん任せで」

――神田さんが作った〈Funky Father〉は演奏もめっちゃファンキーでかっこいい。CMでも流れていますよね。「眼鏡、髭、坊主、白髪」のフレーズに思わずぷーっと吹き出してしまいました。

神田「父は紺の作務衣のようなものを着て、雪駄みたいなのを履いて、街をぶらぶらしていたときもありました。ふつうのサラリーマンなんですけどね。たぶん、父はまだ聴いてないんじゃないですかね。まあね、ファンキーな父から生まれた俺が作った曲だから、驚かないとは思います」

――〈321〉の心を揺さぶるふつふつとしたアレンジも印象的。

秋野「最初のデモからだいぶん変わったんで、イメージが。いちばん最後まで悩んだかな、どういう色にしようかって。で、たまたま思いついて、あまりやったことないけど、どうだろう、このアレンジ……って突き進んだら、今までにない新しい鶴のサウンドになって、お客さんもすごくいいですねって評価をしてくれて」

神田「デモの段階ではハツラツとしていて、歌詞の印象がちょっと違ったんですよ。だけど、元気めなポジティブなイメージから一転、淡々と、ふつふつしている感じ、いいよねーってなって、なんとなくセッションがはじまって、歌をのっけたら、これ、いいぞみたいになって、そっからばーって作りました。なんともいえない……あるじゃないですか……雰囲気。あの感じはこのアレンジじゃなかったら出ませんでした」

――ツアーを演っていくうちにアレンジが変わったりは?

秋野「そんなに大きくは変わってないですけど、細かいところの修正はそれぞれちょっとずつしているので、たぶん、レコーディングのときには、やることはもうみんな決まってる状態でした」

――〈フリーウェイ〉の半音上がるところもしびれました。

神田「しれっと、さらっとね」

笠井「これみよがしにはやらないっていう」

神田「ふわっとね」

――メンバー全員で作った、最後に収録されている〈ニューカマー〉は、どうやって作業を進めていったんでしょう?

秋野「例えば僕がサビのワンフレーズだけ、こんなのがあるんだけどって言うと、じゃあ次はああじゃないこうじゃないって意見を出し合って、3人で同時に組み立てていくんです。昔、結成して間もないころは、全部そうやって作っていたんですよ、曲が出来たから歌詞を書こうってファミレスに集まって、夜な夜なアイデアを出し合って。でも、すごく時間がかかる作業なのと、個人で作ったほうが想いがもう少しのりやすいんじゃないかっていうことに気づいて、いつからか個人で作ることが多くなったんです。今回は久々に3人でやって、昔よりすんなり出来上がりました。昔は自分のやりたいことを言い合っていただけで話が平行線だったんですけど、さすがに今、みんな同じ方向を向いているので、必要なものを作っていく意味では早かったですね」

――歌詞にはない言葉が最後に流れて、それがまた1曲目につながって……

笠井「偶然の産物ですね。歌入れのときに突然そんな感じになって、あ、それいいねって」

秋野「うん」

――ところで、3年前にどうして自主レーベルを立ち上げたんですか?

秋野「僕らメジャー・デビューすることが出来て、いろいろ経験したから、今度は自分たちでやろうって。ライブに重きを置いてきたバンドなので、自主でやることでフットワークが軽いイメージがあるし、やっぱり直接顔が見える関係のほうが今の俺たちに向いているし、最終的には面白そうだからっていうのもあってレーベルを立ち上げました。メジャー時代は僕らの見えないところでいろいろな人が動いてくれていたこと、今になってみるとすごいことだなって痛感するんですけど、それを自分たちでやってみようか、できる限り、うん、そのほうがやりがいがあっていいよ、って飛び込んでみました」

――お金の管理とか大変じゃないですか……?

秋野「僕らはマネージャーがいて、デビューする前から、初期のころからずっと一緒にやってるんで、経理やスケジューリングとかを全部任せられるんです。だから助かっていますね、鶴は4人でまわしてる。3人ではちょっと無理だな」

――8ヶ月で次のアルバムが出せるのも自主レーベルならでは?

秋野「ならではですね」

神田「そうですね、録って出し、早いですね」

――名古屋のお客さんのイメージを聞かせてください。

秋野「昔からちょうどいい温度感でライブを演らせてもらってます。でも、最近、ほかの地域と比べてみると、あれ、意外と保守的なのかな?っていう瞬間が……」

――保守的?

秋野「なんだろう、ワンマンのときではないけど、僕ら次第だと思うんですけど、同じ熱量で全国でガーってやってワーってなると、ガーって返ってくるその来かたが、サワサワッとしてるときがある。様子見られているのかなって。昔からいろいろなバンドから名古屋って掴みづらいって聞くんですけど、僕らそんなことは感じずにずっとやってきて、ここへきて、あ、これのことかなって」

神田「これのことなのかなと思いつつも、やりづらいとは思わないです。こういう……」

秋野「こういう土地柄なんだって」

神田「うん、伝えることは同じなんで、違和感ややりづらさはないですね」

――三重や岐阜でもライブをされていますが、どんなイメージですか?

秋野「三重の四日市はツアーの移動でホテルに泊まることが度々ありました」

神田「僕らの宿屋ですね」

秋野「岐阜は駅前の金の信長像。いろんな地方でいろんな銅像を見ますけど、あの信長はずいぶん高いところにいますよね」

笠井「金だし」

秋野「高さが信長感を出してる」

神田「見栄っ張りなのかな」

――今年はまだ続々とライブが決まるそうで楽しみです。では、最後にこのインタビューをご覧のみなさんにメッセージをお願いします。

秋野「さっき、名古屋の人は保守的かな……みたいなことを言いましたけど、いつもワイワイしてくれてありがとうございます!問題ありませんので!そのままでいてください! 新しいアルバムはバンドの面白さとみずみずしさが入っています。ぜひ、聴いて、1曲でも生活のBGMに入り込んでくれたらなと思います! よろしくお願いします!」


(8/15 インタビュー・早川ひろみ)



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