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ついにメジャーデビューを飾った愛知県生まれのシンガーソングライター、ビッケブランカにインタビュー!

2016/12/16 00:00

「ひとりでも嫌な気分になる可能性があるんだったら、それは出しちゃいけない」


1987年、愛知県生まれのシンガーソングライター、ビッケブランカがついにメジャーデビューを飾った。美麗なファルセットヴォイスと抜群のコーラスワークで独創性な楽曲世界を作りあげるだけでなく、ステージではピアノを手にアグレッシブにフロアを盛り上げる。J-POPの新たなスタンダートとなる可能性を秘めた彼にインタビューした。

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――メジャーデビュー作《Slave of Love》がリリースとなりました。実感はありますか?

「実感はあるんですけど、モチベーション的にはそれほど変化はないですね。もちろんたくさんの人に聴かれたいし、協力している人が集まってくれるのは大歓迎だし、それにふさわしい曲を作ろうというメンタリティではいます。ただ順を追って進んできているので、浮足立たず、気張りすぎず、調子に乗らずに、自分のやるべきことにフォーカスしている感じです」

――平常心であろうという気持ちが強かったんでしょうか。

「準備期間に〈Natural Woman〉も〈Slave of Love〉も作ったんですが、意識はほぼしてないですね。それよりも自分自身を見ていた感じです。状況に合わせてというよりは、自分がやってきたこと、これからやっていくことを考えていました。自分ができるもの最大限のものを作って投げる。自分が作りたいもの、楽しいと思うもの、これを聴いたらきっとみんなが楽しくなるだろうと思うものを作る、そういうところだけを見ていた感じですね」

――〈Natural Woman〉も〈Slave of Love〉も、これまでの作品の集大成のようなところがありますね。

「やってることはいつも一緒で、自分の名刺代わりみたいなことをいつも言っているんですけど。今回は豪華な名刺みたいな感じです(笑)。〈Natural Woman〉はCMの描き下ろしだったので、強い女性をテーマにしてサウンドも強め。〈Slave of Love〉はもともとスティーヴィー・ワンダーみたいなメロウな感じにしたかったんですけど、いろいろアレンジしていったらクイーンみたいな派手な感じになって(笑)。ディレクターに渡したら『これはこれでおもしろいじゃん』となって」

――今回はミニアルバムというサイズ感ですが、特に理由はあったのでしょうか。

「リリースまでのスピード感というか、そっちのほうがいいですよね。楽しそう。準備不足とか、時期尚早みたいなものって、後から言うことなのかなと。やるうえでそれ言っていたら一生できないし、とりあえず出して、いいものだったらどうにでもなる、そういう気持ちでした」

――考えすぎず言うか、瞬発力で作ったアルバムなんですね。

「そのメンタリティが一番変わっているかもしれない。良いもの作ればどうにかなると思っている。経験のある方は、やっぱりちゃんとした準備が必要と言いますけど、例え事実がそうだったとしても、準備がないと物事が起きなかったとしても、人としての筋ですよね、筋。ものを作る人間として、見え方とプロモーションとかは次の話というか。尾張っ子の心意気なわけです(笑)」

――計算ではないわけですね。

「計算するのって、聴いてくれる人に失礼かなって思うんですよ。そんなもの聴かされてどう思う?と。いろいろ計算して作られたものを聴いて、自分がその通りに感動していることを後からわかったら、なんちゅう恥ずかしい気持ちになるのか、と(笑)。だから心意気でドーン!の方が健全かなと思って。根本のところですね。ジャケットも小細工無しで顔ドーンで『ビッケブランカだから!!!(大声)」と(笑)。そのメンタリティがこのアルバムで一番良かったと思いますね」

――そうしたミュージシャンとしてのポリシーは、どうやって形づくられてきたんでしょうか。

「逆に言うと、小賢しく考えていた時期があったからだと思います。ヒットしている他のミュージシャンはこうなんだ、こういう曲がヒットしているんだ、こうするとカラオケで歌いやすいんだ、みたいに小賢しく作っていた時期があるんです。でもうまくいかなくて、後から反芻して『なんでだろう』と。小賢しく考えれば考えるほど、寒いものが生まれるというところに行き着いた。古くさい考え方かもしれないけど、いいものは届くという、それだけだと思うんですよ。どうやって届けるかと考えるのは僕じゃないというか。作品ありきというか、本来そういうものじゃないですか。SNSでもそうですけど、いいものは広がる、それだけですよね」

――今の作り方の方が、結果的にポピュラリティを感じるのは面白いところですね。曲調も基本はポジティブな空気で作られています。

「実は歌詞はそんなに明るく、楽しくないっていうか。ただ、悲しい歌詞を悲しい曲に乗せて人に聴いてもらったって、その人に何が残るっていう話で。人間の寂しさとか恋愛の辛さとかを、世の中に生まれた価値があるものにする。サウンドに乗ることによってまるでプラスかのように映る、それが音楽のマジックだと思っているんですよ。そうすると、自然に楽しいサウンドが付いてくる。そういうギリギリの不安定なバランスを保ちながら作っている感じですね。これをパッと聴いて、ひとりでも嫌な気分になる可能性があるんだったら、それは出しちゃいけない。ゴミを捨てているようなもの、世界を汚している。辛い気持ちに共感するというスタイルもあるかもしれないけど、さらに辛くなる可能性があるなら、僕ならそれは曲にしない。そこを揺るぎない芯にして作っています」

――それは音楽活動をするうえでの大きな指針ですね。

「実は僕個人は振り幅が広いんですよ。言ってることもコロコロ変わる。でもビッケブランカにはもうちょっとビシっとしててほしいから、信念を持っているところはあります。世の中にプラスになるものしか作らない」

――純粋な自分自身と、ビッケブランカとしての自分は違うイメージですか?

「自分というよりも、みんなのビッケブランカというか。僕個人とはだいぶ違うと思います。最初は個人名だといろいろやり辛かったんですよ。発言ひとつでも変な責任を感じてしまうというか。もともと斜に構えた人間なので、あんまりストレートなこととかが言えなかったりする。でも本当に伝わる言葉っていうのは、ストレートな表現であることに気付いてしまった。でも僕個人ではそれを言う勇気がない。自分の中でそういうことが一番届くし、人のためになることはわかってるんですけど、言えないんですよ。じゃあビッケブランカに言わせよう、みたいな。ビッケブランカならそれを体現できる。それからいろんなことが変わりました。演じているのとも、また違うんですよね」

――最後に今後について聞かせてください。

「この曲がシーンに刺さるとかじゃなくて、良いのか悪いのか、世の中のためになるのかならないのか。大事なのはそこですよね。そういうことは時間がかかっても扇状に広がっていくんじゃないかと思います」


(11/14 インタビュー・阿部慎一郎)


Major Debut Mini Album
「Slave of Love」
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ビッケブランカ Official Site http://vickeblanka.com/

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